岸田首相「リスキリングへの政策を1兆円に拡充」

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岸田首相「リスキリングへの政策を1兆円に拡充

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、岸田首相「リスキリングへの政策を1兆円に拡充」について考えるです。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

政府のリスキリング支援策が策定

今日は、岸田首相が、政府のリスキリング支援策として、5年で1兆円投じると話されたので、そのことについてお話します。

この発言で注目されている「リスキリング」とは何かということですが、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされる大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」(リクルートワークス研究所の定義)とされています。

僕がやっている活動は、まさにリスキリングのひとつです。

学習コミュニティ「ノンプロ研」や執筆活動などを通して、ノンプログラマーの皆さんにプログラミングスキルを身に着けていただくお手伝いをさせていただいているんですね。

なので僕自身もリスキリングにはものすごく注目しています。

人への投資が第1の柱

「日経リスキリングサミット」内で岸田首相が、人への投資を「新しい資本主義」の「第1の柱」と強調されています。政府の支援策として、5年で1兆円投じる方針です。

なぜリスキリングが必要かというと、「非連続なイノベーションの実現、長年にわたり大きな賃上げが実現しないという構造的な課題に対応するためにはリスキリングがカギになる」と指摘しています。

賃金上昇が狙い

さらに、賃上げに向けた好循環を機能させるには「リスキリングと労働移動の円滑化を両輪で進めていかないといけない」と話されています。

つまり、成長産業に人を移動させていくことと、賃上げを柱としています。

それで、リスキリングにあまり積極的でない企業が言う、リスキリングすると従業員が辞めちゃうからやらない、この意見をまっこうから突っぱねる方向に政府が動き始めています。

1兆円をどのように使うのか

では、1兆円をどのように使うのかというと、3つ挙げられています。

転職や副業を受け入れる企業や訓練後に非正規雇用を正規に転換する企業への支援を新設・拡充

大企業の社員を招くスタートアップを対象とする補助金制度の条件を緩和します。

人材移動という意味でいうとそのものずばりの施策と言えます。

IT人材は不足していますので、非IT人材がプログラミングスキルを身に着けスタートアップに転職することによって賃金上昇があるかもしれません。

もしくは副業によって実質的に賃金が上昇することもあります。

企業側からすると、IT人材の給与が高くてしたくても採用できないという問題がありますが、そこを一定補助するというのは施策として意味があるかもしれません。

ちゃんとIT人材としてのスキルを評価できないと、補助があったとはいえ、そもそも高い金額で雇おうという気にはならないと思います。

そうでもない場合、たとえば年功序列が根強いところを考えると、企業側がITスキルを持った人材が必要なんだという意識改革をして、給与制度の見直しもしていかないといけませんので、そこまでテコ入れるのはなかなか大掛かりな話になります。

在職者のリスキリングから転職まで一括で支える制度を創設

これは民間の専門家に一括して相談できる体制をつくるということです。

転職エージェントは、今の会社、給料上がらないし、この先どうしょうもないんすけどと相談したら、今の経歴とスキルならこういう転職先がありますよ、ありませんよということを教えてくれて進めてくれます。

そこから一歩進んで、今の経歴とスキルなら、さらにこういうスキルを身につけるとよくて、そのためにはここでこのように学ぶといいですよ。そしたらこんな転職先がありますよ。そういう必要なスキルや学び方まで提案してくれるエージェントが増えるのは良いことのように思えます。

一方で、転職エージェントって企業に送り込んでさえしまえばお金になるというところもあります。

転職エージェントの性質上そこまでスキルの習得には、どうしても年単位が必要なので、転職エージェントの仕組み上、そこまでキャッシュポイントを遅らせることにメリットがあるのかということにもなります。

うがった見方をすると、ITがわからない企業に、適当なスキルを磨いてもらったIT人材として送り込むだけ送り込んで、労使ともに苦しむみたいな可能性もあります。

そこで想起されるのは、無料スクールからのSESへの送り込む、といった以前あったことみたいなことにならないように本当に注意が必要だと思います。

2つ目の施策については、民間の専門家が、どういうモチベーションでリスキリングから転職までを支えるのかが重要だと思います。

従業員を訓練する企業への支援金の補助率を引き上げる

今ある「人材開発支援助成金」は事業主による労働者の訓練経費や訓練中の賃金負担を一定の範囲で支援します。この助成率を引き上げる方向だということです。

この仕組みですが、調べてみたけど、けっこう複雑な仕組みです。

デメリットで見えてしまうポイントで言うと、研修終了後に助成金交付の有無が決定されるんです。研修を実施しましたがもらえませんということも起こりうるんです。

また、申請手続きが煩雑であり期間が限られています。複雑かつ急いでやらないといけないのにもらえるかどうかもわからないんです。

さらに、既存のOJTやOff-JTでいうと、投資する企業も多くないのですが、実施した研修の質も低いこともあります。

研修からの学びが多くはないところに、いくら助成金を投下しても個人的には実効性は高くならないかなと思いますので、いかに質を上げていくかが必要です。

リスキリングに取り組む企業の魅力が向上

3つの施策はいまいち個人的にはピンとこないのですが、全体として、企業として人材育成にも力を入れないし、給料も安くしておきたいし、副業も転職もせずに抱えこんでおきたい、そういう企業の魅力が相対的に下がっていくというのはあると思います。

なのでリスキリングにきちんと取り組む企業が魅力が上がって、そこへ人材が移動するというのは意味があると思います。

労働者側がしっかりしないといけない

やはり、労働者側がしっかりしないといけないようにも思います。

企業は解雇しづらい、従業員が転職するほうが選択肢としてはとりやすいんですね。

一方で、リスキリング、即戦力として仕事で使い物になるためにはスキルを身に付けるには長時間、おそらく1年以上の学習が必要です。

自分はどういうキャリアを歩みたいのか、そのためにどのようなスキルをどのように磨くべきか個人個人が考えて行くことが重要です。

今、日本でいうと学習意欲が低いところを、いかに高めることにつながるかを考えないといけないんじゃないでしょうかと、このニュースで思いました。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「岸田首相「リスキリングへの政策を1兆円に拡充」について考える」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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