大学院集中講義振り返り1日目: リスキリングとその戦略

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大学院集中講義振り返り1日目: リスキリングとその戦略

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、大学院集中講義振り返り1日目: リスキリングとその戦略です。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

大学院での集中講義

今週は月曜日から、東京工芸大学大学院にて集中講義の講師を担当しています。

講義名は「ビジネスコンピューティング特論」というもので、金曜日まで全5日間13コマお送りしています。

実際の内容はほぼ「デジタルリスキリング入門」の内容で、プラスDXやソフトウェア開発の話をちょっと追加したもの、そして最終日は全員が成果発表するという構成になっています。

学生さんたちの反応は?

今回の講義では僕が非常に注目しているポイントがありまして、普段大人の方向けに話している内容をまだ社会に出たことのない学生さんたちに理解してもらえるのかどうかということなんです。

理解してもらえたのならどういった感想や反応を示すのか、そういったところにすごく興味があるわけなんです。

今まさに、学生さんたちがClassroomで提出した課題を見ているんですが、それを見て色々な発見がありますので、それについて話をしたいなと思います。

まず今日は、その中から1日目にやった2コマの講義からお話しします。

1コマ目はイントロダクション「働くの未来と情報技術」というタイトルです。

実際にはリスキリングの定義とか背景についてお伝えしている内容になっています。書籍で言えば1章に該当する部分です。

そして2コマ目は「リスキリングの戦略」です。

リスキリングをするにおいて戦略が重要ですよという話しと、その戦略の土台となるOODAループについて説明しています。これは書籍で言うと2章に該当する部分になります。

リスキリングという言葉は知っていますか

授業の中では社会人のみなさんと同じように「リスキリングという言葉は知っていますか」という質問をしました。こちらの質問に対しては29人のみなさんに回答いただきました。

選択式となっており、以下のような結果でした。

  • 知っており、他の人に説明できる 2名
  • 知っているが、説明できるほどではない 2名
  • 聞いたことはあるが、よく知らない 10名
  • 知らない 15名

ほとんどの学生さんは知らないというのが現状ということですね。社会人に聞いてもかなりの方が知らないということなんですが、それ以上に学生さんの方が知らないという傾向があるかなと思いました。

ChatGPTを使っていますか

次に「みなさんはChatGPTを使っていますか?」との質問で、30名の方に回答いただきました。

  • 毎日のように活用している 4名
  • ときどき活用している 6名
  • 使ってみたことはある 12名
  • 使ったことはない 8名

ほとんどの場合において、学生さんたちのChatGPTに対する付き合い方はツールとして十分に活用しているほどではないと言えますね。

これは予想以上だなと思っていまして、もう少し学生さんは積極的に使っているかなと思っていたんですが、実際にはそこまでアクティブではなかったなという感じです。

自分で学ばない大人が約半数・18カ国中働くに幸せを感じていると回答が最下位

1コマ目の講義で最後にアウトプットしてもらう学びや気づきでは、「幸せに働いていない大人が多いことに衝撃を受けた」という意見が多かったように思います。

授業の中で、自分で学ばない大人が約半数であり、「自分は働くを通して幸せを感じている」という質問に対して、18か国中日本が最下位だったという調査結果を見せたんです。

大人のビジネスパーソンに聞くと、この調査結果に関しては驚きはしないんですね。実際そうだろうなあという感覚値があります。

ただ、学生さんたちはそれを感覚的に理解していないんですね。なので衝撃を受けたんでしょう。

社会に出た大人たちがどういった心もちで働いているかを知らないということなんですね。

なのでおそらくそれを知らないまま社会に出て、そこで初めて大人たちが無気力であるとか幸せに働いている人が少ないとかそういったことを肌で感じることになるということです。

学生さんたちのコメントの中には、自分が社会人になったときにそのように無気力になったりとかそういう風になってしまわないか不安です、というものもありました。

学校での学習とビジネスでの学習

学校での学習とビジネスでの学習は異なるよというところもかなり皆さんが反応を示したところでした。

ここに関連して、社会人の学びは仲間とともに学ぶのもいいよという話しの流れで、ノンプロ研に興味を持った学生さんも何人かいらっしゃいました。

印象的だったコメントは「子どもが社会に出て困らないようにするための教育なのに、どうしてビジネスでは通用しないような学習をずっと続けているのか矛盾を感じる」というものです。

これに関しては、先日長野県上田市で行ったイベントで、長野大学の早坂さんとお話ししたときにも出てきたんです。

早坂さんは、教育の研究者からすると、コロナ過を経てそういった教育がいいよねということがもうほぼ一致したとおっしゃられていたんです。

ただ、実際にそれを社会インストールしていくことにはかなり大きな課題があるといった話だったんです。なのでそのあたりは僕自身も何かしらの尽力ができたらいいなと思っています。

ゲームも学習である

あと、ゲームも学習であるといったところは、さすが学生さんたちはピンと来ていましたね。

そのなかで面白かったコメントがあります。「興味があるものは無意識でできている。そして本質的な学習とはむしろそういうものではないのか」というものです。するどいなあと思いました。

ここも早坂さんとの対談の中で関連して出てきた話題なんですが、何々のために意図的に学習するというのは本来的な学習なのか、みたいなところがすごく問われていたんです。

僕もリスキリングを語る上で言うと、成長欲求とかコンピテンス、つまり貢献できたかみたいなことをリスキリングの活動そのものを通して味わえるのがいいんじゃないかと考えています。

ただ今のリスキリングの定義とか伝え方で言うと、あまりそこはうまく伝わっていないじゃないかなって感じているんです。

OODAループ

学びのコメントいただく限りでは、みなさんOODAループに関してもよく理解していただけたような気がします。

学部ではPDCAなど学んだという方も何人かいらっしゃいました。

意思決定をすることとそのスピードの重要性が大事になってくるわけなんですが、そこで印象的だったのが、授業の中で「最近行った意思決定の中で、よかったものを1つあげてください」という質問があったんです。

結構これ、みなさん上手に答えられなかったんです。

それについて、「あまり自分で意思決定をした場面が思い浮かばなかった」とおっしゃる学生さんもいて、なるほど学生さんもなかなか自分で意思決定する機会に恵まれていないんだと感じました。

こんな風に印象的なコメントもたくさんあって、僕自身もすごく学びになりますね。

少なくとも、大人向けに用意した講義が学生のみなさんにもちゃんと通用するということがわかりました。

学生の皆さんがこの知識を持って実際に社会に出る時にほんとに役立っていただければうれしいなと思います。

今回はまだ1日目の感想しか見ていませんが、2日目以降もたくさんみなさんの気づきや学びがあったんじゃないかと思いますので、それを見ながら僕自身も振り返りをしていきたいなと思っています。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「大学院集中講義振り返り1日目: リスキリングとその戦略」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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