みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、「学びを隠す日本人 リスキリングが進まないワケ」です。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
では、よろしくお願いいたします!
リスキリングが進まない
今日は記事を紹介します。記事のタイトルは「学びを隠す日本人 リスキリングが進まないワケ」になります。
こちらの記事は、昨年「リスキリングは経営課題」という書籍を執筆されたパーソル総合研究所小林祐児さんの執筆された記事をITmediaビジネスオンラインに転載したものだそうです。
タイトルの通り、リスキリングが進まない現状に関して、その理由の1つを解き明かすものです。
リスキリングが進まない理由
その理由の1つとして明らかになってきたのが、学びを隠す(「コソ勉」なんて言いますが)傾向ということなんです。
まずリスキリングに関して現状確認すると、日本政府としてもリスキリングをどんどん推進していこうというメッセージは伝えられていて、様々な支援がなされています。
そして、各メディアもこのようにリスキリングというテーマで記事を展開していて、リスキリングブームと言われているわけです。
企業の方は、大企業を中心に積極的に取り組もうとしているんですが、なかなかうまくいかないケースもあると伝えられています。
記事の言葉を借りると、「笛吹けども踊らずのリスキリング施策」ということです。
たとえばeラーニングとか手上げ式の研修を拡充したとしても、参加する従業員がごく一部しかいないとか、いつも同じ人しか受講してくれない、そして学んでほしい人ほど学ばない、このような悩みが多く寄せられていると伝えられています。
学習しない国、日本
その根本的な理由に関しては、2022年のパーソル総合研究所による「グローバル就業実態・成長意識調査(2022年)」ですでに顕著に現れていました。
これは、読書を含む社外学習を「何も行っていない人」の割合を、18か国に対して調査をしたものです。
世界平均が18.0%なので、82%の人は何かしらかの社外学習しているということです。
日本は18か国の中でダントツの1位で、52.6%の人が何も行っていないと回答しているんです。
ちなみに、一番低いインドは「何も行っていない人」が3.2%なので、ほとんど100%に近い人が何かしらか社会学習をしていることになります。
そして、日本の次に高いオーストラリアで28.6%ということで、日本に比べて倍ほどの差があるという感じです。もう本当にダントツと言って間違いない。
それだけ自主的に学ばない国民性ということなので、先ほどお伝えしたようなeラーニングとか手上げ式の研修をいくらを提供したとしても、効果は薄いというのは必然です。
注目されるコミュニティラーニング
そこで注目されているのが、他者との共同的な学び、「コミュニティラーニング」です。
そもそも自主的に学ぶ習慣がありませんので、1人1人のモチベーションに火をつける、「ろうそく型」と言われるアプローチではなかなか大変です。
すでに火がついている人から隣に隣に火を移していく、「炭火型」のアプローチが有効ではと言われていて、この「コミュニティラーニング」が注目されています。
僕自身、学習コミュニティ「ノンプロ研」を運営している身からすると、すごく有効だと考えていまして、大いに賛同しています。
実際、上からやれと言われても、なかなかやる気にはならないですよね。
ただ、隣になんか楽しそうにやっている人がいるとちょっと気になって、何かのきっかけで一歩踏み出してみる、そういったことも起こり得るものです。
学びを隠す傾向の日本人
しかし、この記事では、その期待に反してしまうような結果を紹介しています。
日本人のビジネスパーソンは「コソ勉」をする傾向にある、つまり、せっかくしている自分の学びを隠してしまうという傾向があるという調査なんです。
これは2023年のパーソル総合研究所が実施した「学び合う組織に関する定量調査」の中でレポートされています。
学習行動を共有しない
「自身の学習行動を同僚や上司に共有する割合は?」という質問に対し
- 同僚に対して言わない 56.2%
- 上司に対して言わない 57.0%
ということで、いずれの場合も6割近くが周囲に共有しないと答えていました。
冒頭で、そもそも学んでいない人が半数以上いますと。さらに、その学んでいる中でも6割近くが周囲に共有しないということなんです。
実際に職場で学んでいって、かつ周りに共有しているケース、可視化されているケースというのは全体に対して2割程度しかないという結果だったんです。
したがって、この期待していたコミュニティラーニング、自然発生的に起こり得るかというと、かなり厳しいという状況が見て取れます。
なぜ学びを隠すのか
では、なぜ学びを隠すのかという話ですよね。実際、あなたはどのようにお考えになりますでしょうか。
この調査では、「学びを周りに共有したときに周囲はどんな反応を示すか」という質問もしています。ちょっと多いんですが、上位10位を紹介していきます。
- 反応が薄そうだ 20.0%
- 興味を全く持たれなそうだ 16.3%
- 仕事が暇だと思われそうだ(これは追加の仕事も降ってきそうというニュアンスも含められていますね) 15.6%
- 自慢だと思われそうだ 15.2%
- 関連する仕事を追加で課されそうだ 14.9%
- 学習レベルが低いと思われそうだ 14.8%
- 転職や移動を考えていると思われそうだ 14.5%
- 仕事の時間の方を優先すべきと思われそうだ 14.0%
- 仕事より趣味を優先していると思われそうだ 13.4%
- 成果や業績を出すことを優先するべきだと思われそうだ 13.2%
これを見たら、本当に周りに共有しても何にもいいことがなさそうと思えてしまいますよね。
コソ勉を促進する要因
そしてこの調査では、そのコソ勉を隠すことの促進要因分析もしています。
これらの結果を基に、周囲が関心を示さなそうという無関心予期というのが考えられると言われています。
そして、もしくは転職や移動を考えている、出し抜こうとしている、そんな風に思われてしまうという裏切り者の予期というのも要因としてありそうです。
さらに、学びが1人で行うものという意識、独学バイアス。これもコソ勉を促進しているのではないかと分析されていました。
僕の経験で言うと、サラリーマン時代にVBAというプログラミング言語を学んでかなり効果が上がっていたので、周りにも一緒にやろうと一生懸命アプローチしていたんですが、その時の反応はまさに無関心というものでした。
ノンプロ研のみなさんの話などを聞くと、プログラミングとか表計算ソフトこのスキルが高い人は、どうしてもたくさんの仕事が集まってしまう傾向にあるとおっしゃられているケースが多いです。
さらに、そこであまりにも報われないと、こそこそ自分の仕事のためだけにそのスキルを活用することも少なくないようです。
これを僕は「隠れキリシタン」なんて呼んでますが、企業にとっても本人にとっても結構残念な状況だなとは思います。
記事の中では、この背景として、日本の場合はある部署に配属された時に、その職場のやり方をOJTでキャッチアップする、復習型であると伝えています。
そのキャッチアップした後それ以上の学びをしようとすると、「裏切り」だとか「暇人」だとか思われてしまう。
そういった予期がされてしまうために学びがストップしてしまうと、伝えていました。
企業側でできる取り組み
これは、少なくない職場で当てはまる話なんじゃないかなと思います。企業としてはそこを変えていかないといけないですよね。
社内のルールとかマネジメント職の言動、これを学びがストップしてしまうような仕組みになっていないか総合的にチェックして、どんどん直していく必要があります。
たとえば、学習して得たスキルで成果を出したらそれをオープンに発表して表彰してもらうような、そういった仕組みを取り入れたり。
あとは学習補助制度ですね。1人当たり一定の学習補助をして、どんどんやりなさいと推奨する、そういった仕組みとかです。
それ以外にも本当に色々と考えられるんじゃないかなと思います。
一方で、個人としては、そういったことを社内でどんどんアプローチしつつ、場合によってはもっと良い環境に移ることもできるよということを視野に、副業とかコミュニティで実践をしつつ、職場にもプレッシャーをかけていくというのが大事なんじゃないかなと思います。
まとめ
ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「学びを隠す日本人 リスキリングが進まないワケ」をお届けしました。
横断型でモチベーションに火を付けていく炭火型の「コミュニティランニング」、これがすごく期待されているですが、ほっといてもそれがなかなかうまくいかないという現状が明らかになったということです。
もう1つ、企業として、個人としてできることと言えば、社内の熱量のあるコミュニティに参加するというのは1つあると思います。
そこから炭火で火をもらって関わり続けることで、その火をキープすることができる。そういったことは期待できるんじゃないかなと思います。
僕が運営しています各種コミュニティ「ノンプロ研」も、そういった意味で言うと非常に有効な手段かなって思いますので、興味ある方はぜひ覗いてみてください。
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では、また。