衝撃の「未来人材ビジョン」と我々がすべきこと

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衝撃の「未来人材ビジョン」と我々がすべきこと

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、衝撃の「未来人材ビジョン」と我々がすべきことです。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

衝撃の「未来人材ビジョン」と我々がすべきこと

未来人材ビジョン」は令和4年5月31日に経済産業省から公表されたもので、その内容がなかなかに衝撃的なのでtwitterなどでも話題になっています。

これが出された背景としては

1.デジタル化・脱炭素化が急速に進んでいる
2.日本の生産年齢人口が減っていき、2050年には現在の2/3に減少する

ということなんです。

そういった未来があるにもかかわらず、未来を見据えて人材を育成することはなかなか行われていない背景があり、それを受けて今後の人材政策を検討する「未来人材会議」を経済産業省内に設置し、未来を担う人材の育成のありかたを提示しようと、調査や議論を重ねてきました。

その結果をまとめたものが「未来人材ビジョン」です。日本の人材に関する現在位置を示す、数々のデータがなかなかに衝撃的です。

100ページくらいで、文字数少なめなので、さくっと眺められます。その中からいくつか紹介していきます。

日本企業の従業員エンゲージメントは世界でも最低の水準(5%)

エンゲージメントとは「個人と組織の成長の方向性が連動していて、互いに貢献しあえる関係」を表します。

世界平均は20%ということなので日本(5%)は圧倒的に低いです。会社と足並みが揃っていると感じられている人が20人に1人くらいしかいないという感じなんですね。それ以外の方は、しょうがないから働いているという感じなのでしょうか。

では、そういった人たちがその場から脱却しようと努力をしているのかというとそうではなく。転職意向のある人は25%、独立・起業志向のある人は16%といずれも他国に比べて最低水準となっています。

企業の人材投資も最低レベル

OJTを除く人材投資のGDP比はアメリカが2.08、ドイツが1.20に対し、日本は0.10なんですね。

日本は人材投資に関してはOJTに偏っているとはいえ、アメリカの1/20、ドイツの1/12でかなり少ないんです。

個人で学習しているかというと、そうではなく、社外学習・自己啓発を行っていない人の割合は46%ということで半分くらいの人は個人では学習していない。日本の次点のニュージーランドやオーストラリアの倍程度のパーセンテージになっちゃっています。日本は圧倒的に個人で学習していないわけです。

経産省としては、この状況をどう打破しようとしているのかがいくつか示されています。個人的に気になるポイントを紹介します。

若い世代に求められる能力

次の社会を形づくる若い世代に対しては、

  • 常識や前提にとらわれず、ゼロからイチを生み出す能力
  • 夢中を手放さず一つのことを掘り下げていく姿勢
  • グローバルな社会課題を解決する意欲
  • 多様性を受容し他者と協働する能力

といった、根源的な意識・行動面に至る能力や姿勢が求められるとしています。(P16)

個人的には非常に注目すべき内容だと思っています。今、越境学習で育てようとしている「冒険する力」をもつ冒険人材とかぶる部分があると思っています。

2050年に必要となる能力

別のページでは、2015年に必要だった能力と、2050年に必要となる能力を比較しています。

2015年は

  • 注意深さ・ミスがないこと
  • 責任感・まじめさ
  • 信頼感・誠実さ

といった能力が必要でした。

一歩で2050年は

  • 問題発見力
  • 的確な予測
  • 革新性(=新たなモノ、サービス、方法等を作り出す能力)

がこれからの時代に必要な能力、スキルとされています。

なので、基礎能力、高度な専門知識だけではなくて、こういったスキルが必要になってくるよということなんです。

ただし個人的には、P16のメッセージで「若い世代に対しては」という限定するような言葉が入っているのが気になります。

雇用システムの転換も求められている

また、雇用システムについては、旧来の日本型雇用システムからの転換が必要ですよと。
具体的には

  • 人的資本経営によって働き手と組織の関係を閉鎖的な関係から、選び・選ばれる関係へと変化をさせていく
  • 多様で複線化された採用の入り口を増やしていく
  • 多様な人材がそれぞれの持場で活躍でき、失敗してもまたやり直せる社会へと変化していく

このように書かれています。その文脈でですね、経営者に対しては、人材にもっと投資をして下さいということなんです。

人材をカットする対象の「コスト」ではなく、投資する対象である「アセット」として見るように、マインドを変えてほしいというメッセージが込められています。

具体策が後半にたくさん列挙されています

  • 新卒一括採用だけでなく通年採用も並列されるべき
  • ジョブ型雇用の企業向けガイドラインをつくる
  • 兼業・副業は一層推進すべき

このレポートを受けてどう進めていくか

未来人材ビジョンの締めとしては、

今回の「未来人材ビジョン」は、最初の出発点であり、関係者の議論を喚起するためのものでもある。
前半で示した雇用推計の結果が、それぞれの産業や職種において、組織内の雇用制度や業界の人材育成の在り方に関する議論に一石を投じることになれば、幸いである。

と書かれています。

こういう、大きくて関係者が無数に複雑に絡む構造の問題を議論をするときに、政府がとか、経営者がとか、若者がとか、誰か自分ではない領域に責任を押し付けがちなことが多いように思うんですね。

それで結局責任を押し付けあってる間に、誰も何もせず変わらずに来てしまっている。結果、こういう惨憺たる結果・数値が出来上がっているのではないかと思うんです。

関係している全員が、それぞれの立ち位置でできることを進めるべきと個人的には思います。

経営者は大企業だろうが中小企業だろうが人材に投資する決断をすべきですし、人事担当はその投資が成果を上げるよう、採用や人材育成についてのあり方を一生懸命学ぶべきだと思うんです。

僕は人事担当ではないけど、先生方の素晴らしい書籍がたくさん出ていて、今のやり方に何度も一石どころか何石も投じているのを見ていますので、それを学んでいただけるといいのではないかと思います。

働き手個々人も、自分のミライを会社に預けっぱなしにせずに、2030年、2050年を見据えて、今何をすべきかを考えて行動していただくといいのではないかと思います。

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まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「衝撃の「未来人材ビジョン」と我々がすべきこと」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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