大人の学びを遠ざける7つの「ラーニング・バイアス」とは

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大人の学びを遠ざける7つの「ラーニング・バイアス」とは

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、「大人の学びを遠ざける7つのラーニング・バイアスとは」です。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

学ばない日本人、キーワードは「ラーニング・バイアス」

学ばない日本人などと言われてしまっていますが、なぜこうも日本人のビジネスパーソンは学ばないのか。

それについて1つのヒントになるような調査結果がありまして、非常に興味深い内容だったので、今日はそれを紹介したいと思っています。

キーワードは「ラーニング・バイアス」になります。

「ラーニング・バイアス」とは

先日、714回の放送で「学びを隠す日本人 リスキリングが進まないワケ」というタイトルで放送をお送りしました。

ある記事を紹介したものだったんですが、その元となっている調査がありました。それが、2024年の2月に公開されたパーソル総合研究所による「学び合う組織に関する定量調査」になります。

前回の放送は、日本のビジネスパーソンが職場で自らの学びを隠す傾向にあることを報告するものだったんですが、この調査の中では、それ以外にも大変興味深い調査結果がいくつかレポートされていました。

今日はその中の1つ、「ラーニング・バイアス」に関する部分を紹介します。ラーニング・バイアスとは、学習から遠ざかる要因となる学びについての偏った認識、意識のことを言います。

「学び合う組織に関する定量調査」から

まず紹介したい調査結果が、前提となる部分なんですが、「どんな学習方法をしていますか」という質問です。「どれも行っていない」と回答した人がなんと54.9%いらっしゃいました。

スキルアップラジオで以前にも紹介した、同じパーソル総合研究所の「グローバル就業実態・成長意識調査(2022年)」の調査の中で、「読書を含む社会学習を何も行っていない」と答えた人の割合が52.6%だったんです。

これとほぼ同じ結果で、日本のビジネスパーソンの半数程度が何も学習していないということを裏付ける結果となっています。

「読む」インプットに偏りがち

ちなみに、学習をしている人がどんな学習をしているか上位から挙げてみますと

  • Webページを読む 16.6%
  • 書籍、専門書を読む 16.5%
  • テレビ、新聞、雑誌などを読む 8.9%

ということで、上位がいずれも「読む」という学習方法だったんです。

学習方法としても、インプット、特に「読む」というインプットに偏っているなという印象を受けました。

「過去3年以内にどんな研修を受けましたか」という質問に関しても、「1つもない」という回答が72.7%ということで、ほとんどの方が長い間研修を受けることもなかったということなんです。

学んでいる人と学んでいない人の比較

学んでいる人と学んでいない人について色々な指標で比較している報告があったので、これも紹介します。

学んでいる人(つまり学習者)は、学んでいない人(無学習者)と比べて、こういった結果が出ています。

  • 働く幸せの実感 学習者の方が20.3%高い
  • ワークエンゲージメント 学習者の方が17.3%高い
  • 変化適応力 学習者の方が16.6%高い
  • 人事評価 学習者の方が10.6%高い
  • 個人パフォーマンス 学習者の方が10.1%高い

当たり前と言えば当たり前なんですが、全ての指標について、学んでない人よりも学んでいる人の方が高い指標を示しているということです。

この結果を見ると、本人としても学んだ方がいい、そして企業としても学んでもらった方がいいことは明らかなのに、なんとも進まない状況が見えてきます。

なぜ学習が進まないのか

なぜそんなに進まないのかということが本当に気になるわけです。これに関して、前回の放送の「学びを隠す日本人リスキリングがすまないワケ」を放送したところ、Xですごく話題になっていたんです。

たとえば、自分の組織でも、まさにその通りだという意見もありました。あと、リスキングの施策自体にそもそもうまくいく気がしないと否定的な意見を言う人もいました。

なぜ学ばないのか、学びを隠すのか、そういったことに関して、そもそも給料に跳ね返ってこないからだ、こういった意見もかなりあったんです。

ちゃんと評価されて給料にちゃんと反映されるのであれば学びは加速するのか、あなたはどういう風にお考えになるでしょうか。

慣習の問題

これに関しては、僕は給料に反映されないことが問題とも言い切れないんじゃないかなと感じています。

学習をしないという選択を取っている人たちが、学習やろうと思えばできるんだが評価されないからあえてやらない、といった選択を意図的に取っているようにはちょっと思えないんです。

そういった思考に上がってきて選択するかどうかを考える前の段階、染みついている慣習レベルの問題なんじゃないかと感じています。

そのもやもやに関して、今回の調査「学び合う組織に関する定量調査」では、1つ興味深いキーワードが紹介されていました。

7つのラーニング・バイアス

そのキーワードとは、「ラーニング・バイアス」です。これは「学びについての偏った意識」のことを言います。

この調査では、そのラーニング・バイアスにはいくつかの種類があり、7つ特定したと伝えられていました。

7つのラーニング・バイアスについて紹介しますので、みなさん自身や周りの人たちがこのバイアスを持っていないかどうか、ちょっと確認をしてみていただければと思います。

  1. 新人バイアス
    学びというのは新人とか若い人だけがやるものである。
  2. 学校バイアス
    学びというのは学校で生徒が行うものであると思い込んでしまっていること。職場で大人がやるものではない。
  3. 自信の欠如バイアス
    自分自身について、学びは元々得意ではないと思い込んでる。自信がないということ。
  4. 地頭バイアス
    生まれつき知能というものは決まっていて普遍である。だから頑張るのは無駄であると思い込んでしまっている。
  5. 現場バイアス
    経験だけが重要であり、学びというのは不要なものなのだと考えてしまう思い込みバイアス。
  6. タイパバイアス
    手っ取り早く正解だけを学びたいと思い込んでしまう。
  7. 現状維持バイアス
    今のままで十分仕事ができている。だから学習は必要ないと思ってしまっている。

この7つのバイアス、聞いてみていかがだったでしょうか。結構あるあるなんじゃないかなと思います。

学んでいない人はすべてのバイアスが高い傾向

この調査によると、無学者、何も学んでない人は全てのバイアスについて学習者よりも高いとレポートされていました。そして、これらのバイアスは学習意欲へマイナスの影響があるということです。

この中で最も学習意欲へのマイナスの影響があったのが、新人バイアスだったそうです。そして、この新人バイアスは男女ともに50代、60代で最も顕著だったとされています。

次に学習意欲へのマイナス影響が大きかったのが、学校バイアス、自信の欠如バイアス、地頭バイアスになります。

学校での学びの弊害か

個人的には、学校でずっと学んできた学びの仕方とか受験、入社、さらに新卒研修と、ここまででこういったバイアスが築き上げられてしまっているんじゃないかなと感じます。

というのも、学びというのは受験に合格するために、もしくは職場に配属されてそこで一通りの仕事ができるために、といったゴールが設定されていて、そこまで頑張ればいいという意識が強いんじゃないかということです。

これがいわゆる学校バイアスと新人バイアスを生んでるんじゃないかというのが僕の仮説です。

さらに自信の欠場バイアス、地頭バイアスに関しては、特に学校時代一律に評価されてきた中で圧倒的に無双して勝ている人というのはごく一部で、ほとんどの方はトップグループに入れなかったわけですよね。

それで自信を失ってしまった、自己効力感を失ってしまったというところがあるのかなと思います。

いかにしてバイアスを解除するか

日本のビジネスパーソン学習のしなさ加減にラーニング・バイアスが関係しているというのは明らかだと思うんですが、これらのマイナスをどうやって解除していくかという問題がありますよね。

この調査レポートの中では、顕在的もしくは潜在的に維持されてしまっている自分のバイアスへの気付きを与える機会というのが大事だと伝えていました。

では、そういった機会をどうやって提供するかということなんですが、僕は、これまでスキルアップラジオでも何回かお伝えしてきた越境学習が1つのヒントになるんじゃないかなと思ったんです。

この辺りはまだまだ考える余地が多い領域だなと思いますので、僕自身も引き続き研究に取り組んでいきたいなと思いました。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「大人の学びを遠ざける7つのラーニング・バイアスとは」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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