Googleの生成系AIに関する1週間のニュースまとめ

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Googleの生成系AIに関する1週間のニュースまとめ

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、Googleの生成系AIに関する1週間のニュースまとめです。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

ChatGPTがイケイケ状態

今や毎日のようにニュースが飛び込んでくる生成系AI周辺ですが、それをぐいぐい引っ張っているのが、みなさんご存知Open AIのChatGPTということになります。

ChatGPTが2022年の11月に発表されて以降、その性能の高さから非常に注目を集めていまして、発表から2ヶ月後の2023年1月末には、1億3000万人のアクティブユーザー数を獲得したと言われています。

さらに、OpenAIは2023年3月、GPT-3.5のアップデート版となる、GPT-4を公開しました。

これにより大量のテキストを入出力ができるようになり、より精度の高い回答を期待できるようになったということで、ChatGPTはイケイケ状態になったわけです。

それに対して、完全に遅れをとるようなカタチになってしまっているのがGoogleです。

今週は、Googleの生成AIに関する動きがいくつかあったのでまとめていきたいと思います。

Google CEOがAI技術の拙速な導入に警鐘

まず、4/17の記事に次のようなものがありました。

グーグルCEO、AI技術の拙速な導入に警鐘-規制の必要性を強調

GoogleのCEOであるスンダー・ピチャイ氏がCBSの番組に登場して次のような発言をしたというものです。

「弊害の可能性を回避するために十分な規制が必要だとの考えを明らかにした。」

「こうした技術が非常に強力な場合は社会に適応する時間を与えないため、外に出したくないということだ。」

つまり十分な規制の必要性と、拙速に導入しすぎないようにといったことを訴えています。

ChatGPTがあまりにも先に行っているために、世論にブレーキを訴えているんですが、ポジショントークのようにもとれます。

おそらくGoogleのスタンスとしてはもっと慎重に行きたかったというところがあって、でも急がないと自分たちの将来があぶないという危機感もある、非常に難しい立場にあるという感じです。

Bardが日本でも英語のみ使えるようになった

続きまして、4/18には次のような記事がありました。

Googleが実験中のチャットAI「Bard」、日本でも使えるように(ただし英語のみ)

Bardは、ChatGPTと同じような、Google版の対話型AIサービスです。

3月にリリースされていたんですが、米英のみだったんです。

それが日本でBardが使えるようになったという記事です。

早速使ってみました。まずウェイトリストに登録する必要があるんですが、登録するとほどなくして使えるようになります。

僕の場合は10分くらいで使えるようになりました。

ちなみに、この際にGoogle Workspaceアカウントだと登録できないようなので、google.comの無料のアカウントで登録する必要がありました。

英語で完璧な反応が返ってきた

早速質問してみました。英語しかないので、英語で質問しました。

What questions can I ask you?(どんな質問ができますか)と質問してみました。

英語で「何でもいい、頑張って答えるから。」と返ってきました。

質問例も箇条書きで出してくれました。

その中のひとつに、Write me a poem about a cat.(ネコのポエムを書いてください)とあったので、それを参考にwrite me a story about Momotaro.(桃太郎のお話を書いて)とお願いしてみました。

そうするとわりとさくっと桃太郎のお話を作ってくれました。

ChatGPTの場合は1文字1文字表示されるみたいな表示のされかただったんですが、Bardの場合はけっこう一気にバーンと出てくるかんじだったんです。

英語版の桃太郎の話が出力されたわけなんですが、話の流れとしては完璧なものが出てきました。

締めのフレーズとして、「この物語はどんな困難も力を合わせれば乗り越えられるということを教えてくれます」みたいなちょっと優等生なかんじです。

日本語には翻訳できない

その後に「日本語に翻訳できますか?」と日本語で質問してみました。

そうしたらこんな回答が返ってきました。

LLM(大規模言語モデル)として、現時点では一部の言語のみを理解し対応するよう訓練されており、それに関する支援は提供できません。現在の対応言語一覧は、Bard Help Centerをご参照ください。

特徴としては、出力された結果の中に「Google it」というアイコンがあり、関連ワードでGoogle検索できるという機能が付いています。

BingのChatと同様に、最新の情報も返せるそうです。ChatGPTは2021年より前の情報のみとなっていますので、そのあたりが違います。

ChatGPTは今、僕は日本語でバリバリ使っているので、僕の立場からだとBardと比較することは日本語が使えないので現時点では難しいといったところです。

日本のビジネスパーソンとしては、早く日本語に対応してほしいものです。

GoogleがAI検索エンジン「Magi」開発を進行

続いて4/20にはこんな記事がありました。

GoogleがAI検索エンジン「Magi」開発を進行、Microsoft Bingへの乗り換え警戒か
https://ledge.ai/google_magi/

これは前から言われていたことなんですが、検索エンジンにAI機能を備えていくという話です。そのプロジェクトがMagi(マギ)です。

具体的にはGoogleの大規模言語モデル「PaLM」を使用した対話型AIを搭載した検索エンジンと自然言語で会話がやりとりできるというものです。

このAIはプログラムのコードも書けると言われていて、さらに画像生成も今後可能にしていくとの報道です。

Magiの一般公開は5月を予定していて、最大100万人のユーザーにのみ公開するそうです。

2023年中に3000万人まで順次拡大していくとのことです。

5/10のGoogle I/Oというイベントで発表される可能性があります。

日本語の対応に関しては現時点では不明です。

ただ、ライバルの検索エンジンMicrosoft BingにはGPT-4ベースで既にチャット機能が搭載されています。

すでにプログラムのコードも出力することができますし、画像生成もできますので、完全に後追い状態になっています。

あちこちから攻められているGoogle

さらに今週の別のニュースでは、世界最大手のスマホメーカーSamsungが、デフォルトの検索エンジンをBingに変えることを検討するという報道がありました。

これを受けて、グーグルを傘下に持つアルファベットの株価が一時4%下落し、時価総額が500億ドル近く減少したというニュースがありました。

Googleはあちこちから攻められているというかんじです。

GoogleがDeepMind社をAI研究部門と統合

次に4/21にこんなニュースがありました。

米アルファベット、AI研究部門と傘下ディープマインドを統合へ
https://newspicks.com/news/8365042/body/

DeepMindは「囲碁の世界チャンピオンを初めて倒した!」と話題になったAI、AlphaGoを開発した企業です。

GoogleがそのDeepMind社を買収したのが2014年だったんです。

DeepMind社は技術面や倫理面でGoogleとの独立体制を主張していると報じられ、自律を維持してきたんです。

そこを押してスンダー・ピチャイ氏がDeepMind社をGoogleのAI研究部門と統合するという大きな一手を打ったということなんです。

いよいよ虎の子を発動したかということなんですけれど、この一手がOpenAIとMicrosoft陣営に遅れをとってしまっていることに対して、起死回生の一手になるかということが非常に注目されます。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「Googleの生成系AIに関する1週間のニュースまとめ」をお届けしました。

検索エンジンもそうですし、Google Workspaceもそうですし、僕自身はGoogleに大変お世話になっていますので、この局面をもっとがんばってほしいなと思っています。

今日紹介したAlphaGoもそうですし、このAI分野をずっとひっぱってきたGoogleとして、ここは一石を投じてほしいなと思います。

引き続きGoogleをはじめ生成系AIの動きを注視していきたいなと思います。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

チャンネルのフォロー、コメント、SNSでのシェアなどなど、楽しみにお待ちしております。

では、また。

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