オフィス回帰はハイコンテクストコミュニケーションへの引力なのでは

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オフィス回帰はハイコンテクストコミュニケーションへの引力なのでは

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、オフィス回帰はハイコンテクストコミュニケーションへの引力なのではです。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

オフィス回帰かリモートワーク維持か

今日はハッシュタグ企画#言語化しよう、についてお伝えします。

テーマとしては、ハイコンテクストなコミュニケーションと、ローコンテクストなコミュニケーションについて話をしたいなと思っています。

まず前提なんですが、昨日新型コロナが5類になりましたね。

オフィスに戻るのかどうかというのはニュースとしてちらほら見かけるわけなんですが、これについて僕も322回オフィス出社かテレワークか、企業が取った選択とはで話をしています。

状況をお話すると、東京都心部のオフィスの出社率大体7割ぐらいで、残り3割はテレワークを維持してると報道されています。

大企業で言うと対応はバックり割れていて、オフィスに回帰する企業とリモートワークを維持する企業、それぞれが存在してるという感じです。

カオナビHRテクノロジー総研の記事~「出社する」意味

これとは別のNewsPicksの記事で、【教えてプロ】今、改めて知りたい「出社する」意味という記事があったんです。

こちらの記事の中では、別の調査結果がレポートされていたので紹介したいなと思います。

カオナビHRテクノロジー総研というところが、20歳以上、60歳未満の有業者に調査した結果です。

8割が毎日出社していると回答

この中で毎日出社していると答えた人の割合は、2022年12月の段階で78%ということで、8割ぐらいの方がもう毎日出社をしているという風に回答しているんです。

こちらの記事の中では有識者の方がなぜオフィス出社がいいのかという話をしていたんですが、結論としては創発と成長が、リモートワークよりもオフィス勤務の方が進むという回答だったんです。

これに関しては、確かにビックテック各社がオフィスに従業員を戻したがってるので、その辺りは確かにありそうだなっていう気はしています。

一方で日本で言うと、リモートでもオフィスでも創発とか成長を実現できている会社は両方あるなと思っているんです。

創発と成長はオンラインでも可能

実際、僕が運営してる学習コミュニティ「ノンプロ研」は、オンラインで運営をしてるコミュニティなんですが、成長もきちんと皆さんされていますし、創発という活動も起きているように思うんです。

なので、必ずしもオフィスじゃないと創発や成長が起きないというわけではないと思っています。

ただ比較としては、オフィスで顔合わせた方が起きやすいというのはあるのかもしれないなという風に思っています。

あともう1点、レガシー企業でいうと、多くがもうオフィス回帰を望んでいる、というか、そもそもテレワークを実現していないというところもあるように思うんですが、そういったレガシー企業たちが創発とか成長を実現したいがために、オフィス勤務にこだわっているかというと、そうじゃないような気がしています。

じゃあ、なんで彼らはあんなにオフィスに戻りたかってるのかっていうところがちょっと気になるところなんです。

ハイコンテクストとローコンテクスト

だいぶ前置きが長くなってしまったんですが、それに関連して今日は、ハイコンテクストとローコンテクストの話をしていきたいなと思っています。

ハイコンテクストとローコンテクストなコミュニケーション

ここで言うコンテクストっていうのは、日本語で言うと文脈みたいな言葉で訳されたりします。

ハイコンテクストっていうのは何かと言いますと、お互いのコンテクスト、つまり、文脈とか背景を高いレベルで共有できている状態とか、関係、やり取りをハイコンテクストっていうんです。

高いレベルで前提を分かりあえてているので、1を言えば10伝わるような状態をハイコンテクストと言います。

一方でローコンテクストというのは、お互いのコンテクスト(文脈とか背景)を共有できているレベルが低い状態なわけです。

その前提が全く共有できてないので、1から10まできちんと伝える必要がある、このような状態、関係性をローコンテクストと言います。

日本はハイコンテクストコミュニケーションの国

ここまで聞いてもうお分かりかと思うんですが、日本という国は、世界各国の中でもダントツでハイコンテクストな国なんです。

ほぼ単一民族国家でありかつ島国でもあることで、全員が一律の同じような教育を受けることができています。共通認識の土台が大きいわけなんですよね。

なので、全てを1から10まで語らずとも分かり合えると、例えば、背中を見て育つとか、目で語り合う、以心伝心、あうんの呼吸とか、空気を読むとか、こんな言葉がたくさんある通り、言葉を交わさなくてもコミュニケーションは取れるんです。

会社組織でも、当然ながらこのハイコンテクストなコミュニケーションを前提としている組織が多いわけなんです。

ハイコンテクストなコミュニケーションのためにオフィスに戻る

そこに来て、2020年コロナ禍に突入するわけです。緊急事態宣言が発動されて、急激にテレワークが推進されるようになりました。

コロナ禍に入ってから、テレワークに関する調査でリモートだと評価ができないと、多くのマネージャーが感じていて、みんなオフィスに戻りたがってる感じだったんですね。

実際にコロナの様子を見ながら、少しずつオフィス勤務に戻っていったという感じです。現在7割、もしくは8割というとこに戻ってきてるということなんだと思います。

この最中、僕の周りでもちらほらオフィス勤務に戻ることになったという方の話を聞く機会があったんですが、どうもその理由に関して言うと、先ほどの成長とか創発とかそういったポジティブなもののようには見えなかったんです。

どういった理由で、そのオフィスに戻りたがってるのかっていうところがちょっとわからなかったんですが、最近になって、このハイコンテクストのコミュニケーションに戻りたかったのかなと思ったんですね。なんとなく腑に落ちたんです。

マネージャには好都合なハイコンテクストなコミュニケーション

ハイコンテクストな状態というのは、まあおそらくマネージャーたちにとってはかなり都合が良かったんじゃないかなと思っています。

というのも、そのコミュニケーションの性質上、話し手にとって言葉による説明が少なくて済むというのがあるわけなんです。

その結果、聞き手が汲み取れていなかったのであれば、聞き手のせいにできる、確かにいけてないマネージャーたちは、うちのやり方はお前りわかってないとか空気を読めとかそういうことを言ってそうな気がするわけなんです。

つまりもっと端的に言うと、言語化が下手だったとしてもマネージメントをやれちゃうっていうところが都合が良かったんじゃないかなと思うんです。

ただしテレワークになって、その空気がお互いに読めなくなってしまったわけです。

ローコンテクストの鍵はテキストコミュニケーション

それに関して言うと、マネジメントするにはテキストでのコミュニケーション量を増やしてカバーするしかないわけなんですが、そこは彼らは不慣れなローコンテクストの世界なわけで、言語化してテキストで多くを伝えるなんて訓練していないですし、しかもその履歴が残ってしまうわけなんです。

このコンテクストにまつわる関係性の変化は、ハイコンテクストで部下たちをコントロールしてきた人たちにとって、結構耐えらないものだったんじゃないかっていうのが、僕の意見だったりします。

これについて聞いてらっしゃるリスナーさんはどう思われるでしょうか。

ちなみに、Slackなどのチャットツールの導入に反対する人たちもこれに近い部分があるんじゃないかなと思っています。

DXで最初にやるといいよって言われてるのが、チャットツールの導入だったりします。

これはなぜかというと、チャットツールを全社横断で入れて、上下の垣根とか部署の垣根を取り払ってテキストコミュニケーションをできるようにすると、多様な考えが混ざり合ってイノベーションが起きたり、コラボレーションが起きたりといったことが起こるわけなんです。

かつ、そういった多様な考えがあることを前提の姿勢とするローコンテクストの方が必然的に心理的安全性が高まって、イノベーションが起きやすくなるっていうのもあるんではないかなと思います。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「オフィス回帰はハイコンテクストコミュニケーションへの引力なのでは」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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