Google対話型AI「Bard」で小説を作ってChatGPTと比較してみた

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Google対話型AI「Bard」で小説を作ってChatGPTと比較してみた

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、Google対話型AI「Bard」で小説を作ってChatGPTと比較してみたです。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

Bardに小説を依頼した

先日、339回の放送で、「Google対話型AI「Bard」が日本語対応&大幅アップデート」というお話をしました。

「Bard」はGoogleが開発する対話型AIサービスで、ChatGPTの対抗馬です。それがいよいよ日本語対応になったということで、遅れをとっていたGoogleもいよいよ本気になってきた感があるということです。

少し触ってみた感想をお伝えしたのですけど、そのときに小説を作ってみるというのをやってみたんです。

小説に関しては、ChatGPTのGPT3.5とGPT4とそれぞれで実施してみていて、Voicyでもお話しているんです。

なので、同じような実験をしてそれらと比較すると、Bardの性能とか現在地がわかりやすいかなと思うので、今日はBardに小説を書かせてみたという話をしてみたいと思っています。

「小説を書きたいけど、何から始めればいい?」をクリックしてみた

まず、Bardを開いてみると「こんにちは、Bard です。うんたらかんたら」と表示されていて、「何から始めればよいかわからない場合は、こちらをお試しください」ということで、3つの選択肢がランダムに表示されるようになっています。

ちょうど「小説を書きたいけど、何から始めればいい?」という選択肢があったので、クリックしてみたんです。

「1. アイデアを思いつく」「2. プロットを考える」「3. 書き始める」

みたいなかんじで、本当に自分で小説を書くための手順が出てきました。

最後には「小説を書くのは大変なことですが、とてもやりがいのあることです。これらのヒントに従うことで、素晴らしい小説を書くことができます。」という励ましをもらいました。

たしかにその通りなんだけど、今欲しいのはそうじゃない感です。

Bardに小説を作ってもらいたいということなんです。

そこで、質問を変えてみて、「Bardを使って小説を書くには、どのように依頼をすればよいですか?」と質問してみたんです。

Bardは回答案が3つ選べる

Bardの出力の特徴として回答案が3つ選べるんです。そのうち、自分の求めるものと近しいものを選ぶということです。

今回、回答案2を選びました。

小説の種類、登場人物の概要、設定、長さ(短編、中編、長編)を教えてください。
ドラフトを書くお手伝いをさせていただきます。

依頼の仕方に関しては、前回ChatGPTのときと同じにします。

次のようなお願いのしかたをしました。

以下の設定内容から、小説を2000字書いてください。
主題は、アラフォーの男性がプログラミングを読学し、ビジネスで成功する。背景は、ブラック企業に入社してしまい、過酷な労働に耐え切れずに途方にくれている。主人公は、39歳の男性。登場人物は、妻と生まれたばかりの息子。

この内容でお願いして、出力されました。

主人公の名前は「ジョン」

回答案は3つ選ぶことができますが、今回はいずれも主人公の名前は「ジョン」という日本人らしからぬ名前が出てきました。

回答案1に関しては、ChatGPTのGPT-3.5を選択したときとほぼ同じ感じ。「ザ・あたりさわりのない表現&ストーリー」の出力でした。

ブラック企業で辛い→一年発起してプログラミングを頑張って学ぶ→ウェブサイトを開発する会社で最初は苦労→成功

こんなあたりさわりのないストーリーが出力されました。全部で873文字という、2000字には全然足りないものでした。

回答案2は起伏があるものだった

続いて、回答案2です。

ストーリーの全体の流れは回答案1と一緒なんですけど、ちょっと起伏があるかんじだったんです。

ストーリーのどん底の部分はこうでした。

彼はしばらくの間、失業保険で生活していたが、すぐに貯金が底を突いた。彼は再就職活動を始めたが無駄だった。彼の年齢とキャリアの空白は、彼にとって大きなハンデになっていた。

という表現が入っていました。あとは成功したときの部分は次のようなものでした。

数年のうちに数百万ドルの売り上げを達成した。彼は妻と息子のために大きな家を購入し、家族を幸せにするために必要なものをすべて手に入れることができた。

なので、ストーリーの起伏がけっこう激しかったです。こちらも文字数としては、754文字ということでした。

回答案3に関しては、ほとんど、回答案1と同じで、ザ・あたりさわりのないストーリーで起伏もなかったです。

ちょっと文字数が足りなかったので、回答案2をベースに「文字数が少ないので、この2倍くらいになるように、長さを引き伸ばしてください。」とお願いしました。

すると、全体で1581文字、だいたい2倍くらいになりました。

文末の表現が気になった

ちょっと気になるのは、文章が「だ・である調」と「です・ます調」が入り混じって出てきたことです。

なので、これは追加でお願いするときに「だ・である調でお願いします」という条件付けをしないといけないのかなと思います。

BardとChatGPTでできた小説を比べてみた

Bardの良いところとして、3つの回答案から選べるのはけっこういいなと思います。

いちばん近いものを選べるというのは使いやすいところだと思いました。

Bardでの小説作りをまとめますと、ストーリーとしては、当たり障りのない単調なものしか出てこないです。

これはBardに限らず、ChatGPTでも一緒です。

ただ、アイデア出しとか壁打ちに使うのであれば今の段階でも十分に使える気がします。

小説らしい言い回し、リアリティといったところはGPT-4を使ったChatGPTのほうが性能としては上かなと思いました。

自分のコンテンツが学習されることを目の当たりにした

ひとつびっくりしたのは、このお題で何度か小説を書いてとお願いしていたんですが、回答案のひとつとして「夜明けのコード」という小説が出力されたことです。

これは僕が以前GPT-4の時にお願いしたときに出力されたタイトルです。

しかも主人公の名前も一緒でした。

これは何が起きてしまったかというと、僕が書いたVoicyの書き起こし記事が、ノンプログラマー協会のサイトに掲載されていて、それがBardに学習されているということなのかなと思います。

文字単位でまったく一緒のものというわけではないですけれども、ストーリーの流れは一緒でした。

Bardは最近のデータも拾ってくるというのは確かなんですがChatGPTとの比較でいうと、今回のやり方はあまりうまくなかったなと反省しています。

ぜひ皆さんも楽しいのでやってみてください。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「Google対話型AI「Bard」で小説を作ってChatGPTと比較してみた」をお届けしました。

今回、僕のお話したとおり、僕のVoicyの書き起こし記事がさっそくBardに学習されたことを目の当たりにしたわけで、こんなふうに学習されていくのかと思いました。

今後生成AIで作られた文章がどんどんインターネット上に出てくるわけなんです。それがさらに学習されていくということが繰り返されるとどんなふうになっていくのかなというところは気になります。

いずれにしてもこの変化に対応していくことが必要だと思いますので、引き続き研究して皆さんにお伝えできればと思っています。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

チャンネルのフォロー、コメント、SNSでのシェアなどなど、楽しみにお待ちしております。

では、また。

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