デザイン思考はDXに有効なのか

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デザイン思考はDXに有効なのか

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、「デザイン思考はDXに有効なのか」です。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

デザイン思考

今日は、デザイン思考とは何かをちょっと調べてみたので、ご紹介します。

ことの発端は、こちらの記事「世界初のDX提唱者ストルターマン教授に聞く、いま「DXが危機的状況にある」根本原因」です。

ストルターマン教授は、世界で初めて「デジタルトランスフォーメーション(DX)」という言葉を提唱した方で、この記事はそのインタビュー記事でした。

ストルターマン教授によると、日本にかぎらず、DXを正しく実行できていないという話をしていました。

真のDXができていない=つまり、小手先の変革だけにとどまっていて、競争力の源泉、会社のバリューをデジタルに置き換えるとこまでいたっていないと話しています。

それで、DXを成功するための方法論のひとつとして、デザイン思考がありますと伝えられていました。

デザイン思考とはなんなのか?

ここでデザイン思考という言葉が出てきたのですが、目にしたことはあるのだけど、あまりわかってないワードでした。調べてみたので、お話しします。

デザイン思考とは、Wikipediaによると「デザイナーがデザインを行う過程で用いる特有の認知的活動」です。

デザイナーさんの思考法をその他の領域でも活用する試みです。

DXの絡みでいうと、IPAが発表しているDX白書2021でも、デザイン思考に以下の通り、言及されています。

「デザイン思考」は製品やサービスのユーザーが抱える真の問題と最適な解決方法を探索し創出する思考方法であり、DX推進において顧客に新しい価値提供をするために有効な手法である

IPAの方でも、DX進めるならデザイン思考がいいよと伝えています。

デザイン思考の5段階

このデザイン思考ですが、どういったプロセスで進めていくのか。

有名なプロセスとして、ハーバード大学デザイン研究所のハッソ・プラットナー教授が提唱した『デザイン思考の5段階』があります。

先日OODAループを紹介しましたが、それと比較しながら見ていきます。

観察・共感

デザイン思考の最初のステップですが、「観察・共感」になります。

ユーザーが置かれている環境・状況を観察したり、インタビュー・アンケートを通してユーザーが何に共感しているのか、本当にもとめているものは何かを見つけ出していく段階です。

OODAループでいうと最初のO、Observe観察にあたりますが、デザイン思考ではユーザーからのニーズをもとに課題を抽出することに特化しているように見えます。

定義

デザイン思考の2番目のステップが「定義」です。

「観察・共感」から得られたユーザーのニーズを定義し、課題を抽出するという段階です。

概念化

3番目のステップは「概念化」です。

ユーザーのニーズを満たす方法・課題を解決するアイデアを出していくという段階です。

可能な限り多くのアイデアを出してから、目的に添って絞り込んでいく。そういった段階になります。

デザイン思考の定義と概念化は、OODAループの2つ目のO、Orient状況判断・方向づけ+Deside意思決定に対応しています。

デザイン思考でいうと、たくさんのアイデアを出すことを推奨している傾向があります。絞り込みについては、目的にそってとありますが、結構さらっとしている印象です。

一方で、OODAループは、暗黙のコミュニケーションがはかどるように組織文化を整えて、Orient状況判断・方向づけのあとに、すぐさま行動を起こし、先手をうって局面を変えることが重要だと述べています。ユーザーのニーズを拾うというよりは、つくっていき反応を試すことを重視するイメージです。

試作

続きまして、デザイン思考の4番目のステップになる「試作」です。

ここは絞り込んだアイデアをもとに、プロトタイプを作るプロセスです。

テスト

そして、最後の5番目のステップとして、「テスト」です。

プロトタイプを作って、ユーザーテストを行います。

ここで得たユーザーの反応・フィードバックをもとに、仮説を検証し、見えてなかった課題を明確化します。

以上のプロセスを何度も繰り返して、よりよいサービスやプロダクトを目指すというのが、デザイン思考のステップになります。

最後の試作・テストは、OODAループでいうAct行動の部分になります。そして、その結果を確認するのは、最初のO観察ということになります。

デザイン思考では、サービス・プロダクトをつくるというイメージが強いプロセスになっていると思います。より具体的な感じです。

デザイン思考をちゃんと深く理解できていない段階での感想

ここまでデザイン思考をサラッと調べた印象ですが、ここまで見てきたDXの成功事例、このプロセス踏んでいるのかなと調べてみました。

そもそもDXのスタートとして、顧客のニーズからスタートしているのかなと疑問を感じました。

たとえば、小田商店さん、マツモトプレジションさんは、長時間労働に対して売上がついていってないというのがスタートでした。

小柳建設さんは、人材不足と属人化、北國銀行さんは、コスト削減からのスタートです。

みなさん、自社の困りごとからスタートして、自社の困りごとをデジタルで解決して既存顧客にもよりよいサービスを提供しつつ、場合によっては他社に提供していくという方向性でした。

まず最初に観察すべき相手は、もちろん顧客もありますが自社も含まれています。

また、デザイン思考自体、「ゼロからイチを生み出すのではなく、イチがある状態で有効」ということなので、ゼロイチは別のアプローチでということなんですが、ゼロからイチができてない企業が多いです。

つまり、DXでいうとデザイン思考はいずれかの段階では有効なのかもしれないけれども、それだけで実現できるというものではないのかなと感じた次第です。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「デザイン思考はDXに有効なのか」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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