中小製造業のわかりやすくてシンプルなDX事例

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中小製造業のわかりやすくてシンプルなDX事例

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、中小製造業のわかりやすくてシンプルなDX事例です。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

中小製造業のわかりやすくてシンプルなDX事例

今日は、中小製造業のマツモトプレシジョンのDX事例について見ていきます。

皆さんご存知の通り、日本の7割は中小企業なんですね。

多くの中小企業が慢性的な人手不足に悩まされています。

一方で、仕事のしかたは生産性が高いとは言えないんですね。
属人化してしまっていて、その人が何やっているかわからない、いまだに紙ベースでやりとりしていて、欲しい情報がどこにあるのかわからないといったことです。

ITが得意な人材がいないなか、デジタルを使えば解決できるんですけれど、どうやってそれを進めて行けばいいかが課題です。

今回のマツモトプレシジョンの場合はシンプルな方法で解決しています。

何度か放送でお伝えしている通り、DXを進めるにあたって

  • 組織全体で腹落ちをしてもらうセンスメイキング
  • 変更容易性を高める組織改革

のステップが事前に必要なのではないかと思っているので、これを照らし合わせながら見ていきます。

従業員の可処分所得を3%向上することを目標

マツモトプレシジョン株式会社は、福島県喜多方市の精密機械部品メーカーで、従業員数が約150名です。

松本社長は、小売業から転身して製造業へ、2017年に社長になりました。

従業員は残業や休日出勤も行うなど日々忙しく働いているのに、なぜか儲かっていないと感じたそうです。

  • 従業員の可処分所得3%向上、そのために生産性を130%に高める

を目標にしました。

5カ年経営計画策定までの道のり

改革の準備は2018年からスタートしました。

まず、会津産業ネットワークフォーラムに参加しました。合図地方の地場企業の経営者、アクセンチュア、会津大学など立場の違う人たちが集まって中小製造業の生産性を向上させるための議論を重ねている場です。

そこで議論されたことを役員や社員に伝える、この腹落ち、センスメイキングのプロセスにおよそ1年半から2年かけました。

その集大成として2020年に策定した5カ年の経営計画では、現在を第二の創業期と位置づけられたそうです。

基幹システムの刷新

次のステップは2021年、基幹システムを刷新しました。さきほどのフォーラムが関連して開発した中小製造業向けのシステムプラットフォームCMEsを導入しました。

基幹システムは、企業に合わせてカスタマイズすることが多いのですが、それだと高価になってしまうので、既製品を導入しました。

中小企業向けで、競争領域でない業務について低価格で高品質なシステムとして開発されています。

業務の改革をどういうステップで始めたかというと、システムに業務のプロセスをあわせていくということで進めたんです。

抵抗意見にも社長が丁寧に説明をした

当然抵抗が生まれて、「今まで慣れていた仕事を変える必要があり、余計な仕事が増えてしまう」「以前はこの作業ができたのに、できなくなって困っている」といった意見が出てきました。

それに対しては上手く社長が丁寧に説明しました。

『なぜ、業務改革に取り組む必要があるか』の理由を理解してもらい、コストや時間をどれだけ削減できるか、利益をどれだけ増やせるかを従業員に対して説明して理解して腹落ちをしてもらいました。

一方で、障壁として、使いこなすためのIT人材不足があります。そのため、IT知識のある人材を確保したり、ITに抵抗のない若者を育成することを進めました。

システムを導入したメリット

CMEsを導入したことで、どういうメリットがあるかというと、最も活用しているのが原価計算です。

原価を見える化したことにより、業務に対するモチベーションは明らかに変わったそうです。

どうしても、最初は定量的なデータに落とし込むのに手間がかかりましたが、常に正しいデータを入力することで、仕事や原価が見える化しました。

これまで頻発していた手作業による誤入力や入力し直しがなくなり、大幅な工数削減が実現しました。

実際に、これまで残業していたことを業務時間内に終わらせることができました。

現時点ではCMEsのすべての機能を完全に使いこなせていないということで、まだ課題が残っているそうですが、導入して半年でこれだけのメリットが出てきました。

これからも改革を進めることで、さらにメリットが出てくると思います。

従業員に選ばれる会社になるために

まとめますと、まずはトップ自らが時間をかけて社員にきちんと説明しているんですね。従業員に選ばれる会社を目指すということが根底にあって、そのために生産性を30%高めることで従業員に対してメリットだということで丁寧に説明しているというのがポイントかなと思います。

変更していくという部分については、先にシステムを導入して、それにプロセスを合わせていくというシンプルな方法で進めています。

良いシステムに出会うとういことは大事なんですけど、それさえあれば、それにあわせて組織を変えていくことができるという事例でした。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「中小製造業のわかりやすくてシンプルなDX事例」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

チャンネルのフォロー、コメント、SNSでのシェアなどなど、楽しみにお待ちしております。

では、また。

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