動画による学習でリスキリングはできるのか

  • ブックマーク
動画による学習でリスキリングはできるのか

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、動画による学習でリスキリングはできるのかです。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

リスキリングとは

今回はリスキリングの話題についてお伝えします。「リスキリング」今はやってますよね。

大企業が社員全員にリスキリングしますよというニュースがちらほらみられます。

いくつかのニュースでは、リスキリングを動画によるeラーニングを提供するということで実現するというものがあります。僕は動画によるリスキリングについてはちょっと大丈夫かな?と思っているので、それについて話をしたいと思います。

まず、前提としてリスキリングの定義からおさらいします。

リクルートワークス研究所によると、リスキリングとは「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされる大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義されています。

まさに僕がやっていることはリスキリングのひとつになります。学習コミュニティ「ノンプロ研」や書籍・ブログなどを通して、ノンプログラマー、非IT人材の皆さんにプログラミングスキルを身に着けていただく、こんなお手伝いをいているんです。

動画でのリスキリングは難しい

動画でリスキリングができるのか?という話題に戻りたいと思います。

リスキリングを「新しい職業に就く、もしくは大幅な変化に適用するためのスキルを獲得する」と考えた場合、やはり動画だけでは難しいのではないかというのが僕の考えです。

どのスキルを学ぶかにもよりますが多くのケースでいうと、非IT人材だった人々へデジタルリスキリングをすることを提供しているわけですね。すなわちデジタル・IT系の「新しい職業に就く、もしくは大幅な変化に適用するためのスキル」を身に着けてもらうということを考えてるわけです。

たとえば、ノンプログラマーがVBAやGASなどで実務で使えるほどにプログラミングスキルを身につけるには、数百時間の学習時間が必要なんです。もっと少ない学習時間ですまそうと思っても、ノーコード・ローコードツールの習得だとしても多くの場合数十時間以上の学習時間が必要となります。

また、いずれの場合もエラーが発生して、その解決にとんでもなく時間がかかってしまうことがあります。全社員が対象となるわけですから、社員の中には自分の現在・未来の仕事と学んでいることとの結びつきがイメージできない人もいるわけです。そういった人たちが、障害にぶつかった時はどうすればいいのかというのが課題として残るわけなんです。

初学者たちが、学習時間の確保やぶつかる壁を個人の力だけで乗り越えられるのか、というとかなり疑問だと思います。

ノンプロ研講座の話し

一方で、僕が運営しているコミュニティ、ノンプロ研の講座の話しです。

リアルタイム受講の推奨

コミュニティの中で講座を開講してますが、だいたい全6回以上で、毎週2時間の講座にリアルタイム参加を強く推奨しています。万が一参加できなかったときや見返す用に動画アーカイブも残しています。

しかし、動画のアーカイブがあることで、時間が合わなくても、後日動画視聴で問題ないと思ってしまう方がとても多いんです。

動画でも講師が話している情報、ようす、場合によっては抑揚や熱意も含めて十分な情報伝達ができると思っていますが、学習というのは、それだけでは済まないんですね。

学んだことを自分の中に取り入れて、自らの力で行動に反映させるようにして、ようやくその学習は完成するんです。リスキリングの場合も同じです。

脳に入った情報は、ほとんどが失われます。学習する場合は、情報が失われないように反復したり、自分の仕事や過去のエピソードに結びつけたり、アウトプットをしてその情報の重要性を脳にきざみこんだり、さまざまな工夫が必要になってきます。

講師の話だけで、十分に理解できないときもありますよね。その不足分は講師に質問したりして埋めることができるのですが、動画ではそういった機会が得られ無いわけです。

記憶された情報を自分の行動に移して使えるようにする必要がありますが、初学者は、今まさに学んだばかりの生煮えの知識だけで、その学んだことを自分の現在・未来の仕事にどう生かすか、道筋を見出すことができるのかというと少し難しいと思うんです。

他者関与の重要性

つまりリアルタイムの講座・研修と動画には明らかな違いがあって、その違いとは、他者が関与できるかどうかということです。

他者が関与することによって

  • 道筋: どのように学んでいけばよいのかを示してもらえる
  • 約束: 着実に学習を進めていくための後押しとなる
  • 対話: その人に合わせて内容が変わる
  • 応援: やる気や自己効力感を高めてくれる

ということが可能になるわけなんですね。

その分野である程度精通している、もしくは独学のしかたが十分に確立されている方であれば、他者の関与がなくとも自立して学習を進めていけるものと思います。ただそうでない場合、他者の関与がないと学習効率が著しく悪くなる、挫折する、学んだことが活用されないといったリスクが高まります。

ぜひ、リスキリングをする際には、他者を頼るという選択肢も十分に検討してほしいなと思います。

リスキリングは他者に頼る選択肢を検討しよう

動画でのリスキリング、特に非IT職の人たち向けのデジタルリスキリングについては個人的には難しいと考えます。

リスキリングのための学習は、単なる情報伝達ではなくて、学んだことをちゃんと自分の中に取り入れて、自分の力で行動に移すようにならないと意味がないからです。

その場合、他者の関与を使うことによって、道筋・約束・対話・応援などを他者から提供してもらえるので、学習を成功に近づけることができます。リスキリングする際には、他者に頼る選択肢も検討してほしいなと思います。

結構多くの企業さんに関してはリスキリングの施策として研修をいれています。なのでうまく他者の関与を使ってデジタルリスキリングを実現していただきたいなと思っています。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「動画による学習でリスキリングはできるのか」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

チャンネルのフォロー、コメント、SNSでのシェアなどなど、楽しみにお待ちしております。

では、また。

  • ブックマーク

この記事を書いた人