中小企業向けデジタルガバナンス・コード実践の手引き

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中小企業向けデジタルガバナンス・コード実践の手引き

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、中小企業向けデジタルガバナンス・コード実践の手引きです。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

中小企業向けデジタルガバナンス・コード実践の手引き

今日は経済産業省から出されている、中堅・中小企業向けのデジタルガバナンス・コードの実践の手引の紹介をしていきます。

まず、デジタルガバナンス・コードとは何かということなんですけれど、「企業のDXに関する自主的取組を促すため、経営者に求められる対応をまとめたもの」です。

これに従うことでDXが進められるよということです。そのデジタルガバナンス・コードの中堅・中小企業向け手引きとなっています。

事例も含めて9ページのスライドで、昨日紹介したマツモトプレシジョンさんも事例として紹介されていますのでご覧ください。

そもそもDXとは何か

まず2ページには、そもそもDXとは何かということが書かれています。

DX推進において経営者が考えるべきこととして4つ挙げられています。

  1. 何のために会社があるのか理念・存在意義
  2. 5~10年後にどんな会社でありたいか
  3. 理想と現状の差分は何か、どう解消するか
  4. 顧客目線での価値創出のためのデータ・技術をどう活用するか

1~3を考える上で、おそらく経営者がきちんと外の世界を知るというのは大事な気がします。

というのも中小企業の経営者は、長いこと自社とその周辺以外のコミュニティしか知らないことも多そうです。なので積極的に外へ出ないと1~3は思いつかないかなと思います。

マツモトプレシジョンの松本社長は、他業界の小売業界から来ていて、さらに産学連携のフォーラムに参加して1~2年の議論を重ねていましたので、1~3の情報は得られていたんじゃないかなと思います。

4番は、多くのDXの成功パターンとして、社内でできたことを業界へ展開するということを狙っていると思いますが、最初の段階で具体的に構想するのはけっこう難しい気がします。

これまでの放送の事例でも、小柳建設、マツモトプレシジョン、Picoナーサリ保育園ともに、まずは従業員の働き方改善が目標で、そのためのITを活用して、生産性の低い業務を圧縮して、真の知識労働、考える仕事に社員の業務時間をシフトしていって、働き方を改善して給与に反映させる、というのを目指していたんですね。

最初の時点で構想が具体的になってなくても、進めていく中で、全社からアイデアが生まれてくるということもあるのではないかと思いました。

DXの進め方

DXの進め方は4つのステップで表現されています。

  1. 意思決定: 経営理念見直し、ビジョン明確化、推進戦略策定
  2. 全体構想・意識改革: 変革に向けた関係者の巻き込み、意識改革
  3. 本格推進: データ分析・活用に向けた業務のプロセス見直し、システム構築
  4. DX拡大・実現: 顧客接点やサプライチェーン全体に変革を展開

1,2にものすごく時間をかけているケースが多いと思います。

マツモトプレシジョンでは、5カ年計画をつくるのに1年半から2年、その間、社長自ら役員や社員に説明をするといったことをやっていました。

小柳建設の場合も、経営理念の見直しに年単位でかかっていたんです。

意識改革はさまざまな側面がありますが、トップ自らが丁寧に説明をしていくというのが基本としてあるかなと思っています。マツモトプレシジョンとPicoナーサリ保育園はこちらのパターンです。

一方で、小柳建設は、基幹システムの入れ替えの決断をする際に、役員の刷新というおおがかりな手を打つ必要がありました。役員が抵抗していると、現場がそれを無視して進めるということは難しいんですね。組織全体として腹落ちをするためにはマネージャーや役員がそっぽを向いているわけにはいかないんです。

DXの成功ポイント

DXの成功ポイントは5つです。

①気づき・きっかけと経営者のリーダーシップ

経営者のリーダーシップはマスト、これがないと進みません。

②まずは身近なところから

Picoナーサリ保育園は連絡帳アプリの導入などからスタートしました。他の事例では、基幹システムを入れ替えるという全体的な決断もどこかで必要です。決断以前に、どこまで全社が腹落ちできているかというのがポイントです。

③外部の視点、デジタル人材の確保

外との情報交換がどこまでオープンにできるかということが重要です。社外の情報を積極的にとりにいく、社長や従業員がどんどん越境するのが必要です。そう考えると、副業禁止とか、そういった企業だと文化的にかなりキツイです。

デジタル人材の確保という視点でいうと、IT活用によって働き方改革でそこをアピールしていく、残業が無いとかリモートワークができますよというのが今でいうとチャンスです。一方で、優秀な人材がなかなか採れないという問題もあり、そこは社内人材を育成するという視点も合わせて考えて行く必要があると思います。

④DXのプロセスを通じたビジネスモデル・組織文化の変革

データを使うことで判断の仕方が変わったり、新しい発見からのモデル変革ということをポイントとして挙げています。それによって変革に強い体質にしていこうということです。

逆に、データ云々抜きに、先に組織変革をするというのも必要かなと思っています。

現場の裁量が少なすぎるとか、意思決定のための会議が月1回しかないとか、役割が明確でないとか、そういうアジャイルな経営を阻害する要因を変えていくのが必要かなと思います。

⑤中長期的な取組の推進

これはいずれの事例も年単位で時間はかかっているのでそこは確保して進めることが必要です。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「中小企業向けデジタルガバナンス・コード実践の手引き」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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