産休・育休中のリスキリングについての首相発言について整理する

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産休・育休中のリスキリングについての首相発言について整理する

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、産休・育休中のリスキリングについての首相発言について整理するです。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

産休育休中にリスキリングを結び付けた国会答弁があった

今日はあるニュースが盛り上がっていますので、それについてお話します。

たとえば、こんな記事になっています。

産休育休中の学び直し巡り岸田首相に批判噴出 「育児に無関心な証拠」「典型的な男性発想」 衆院予算委で釈明必至

産休育休中にリスキリングをさせようと、それについてそんなことできるわけがないでしょと批判が起きているという話です。

これについて野党のみなさんはもちろん、識者のみなさんも感情的になってしまっているので、一旦冷静に整理したほうがいいかなと思っていて、それについてお話します。

まず、議論になっている国会答弁なんですが、こんなやりとりです。

自民党・大家敏志(おおいえさとし)参院議員がこんな質問をしています。「なぜ子育てのための産休・育休がなぜ取りにくいのか。この間にリスキリングによって、一定のスキルを身に付けたり、学位を取ったりする方々を支援できれば、逆にキャリアアップが可能になることも考えられます。」

それに対して、岸田総理大臣は「育児中など様々な状況にあっても、主体的に学び直しに取り組む方々をしっかりと後押しして参ります。」

こんなやりとりに批判が殺到しているんです。

育休や産休の子育てと格闘しているときにリスキリングなんかできるわけがないというのが批判の趣旨です。

ここで整理したいのが3点です。

対象となる期間が噛み合ってない

まず、大家議員は「産休・育休の間に」と発言していますが、それに対して岸田首相は「育児中などさまざまな状況にあっても」と回答していて、対象となる期間が噛み合ってないんですね。

会社にもよるのでしょうけど、産休・育休期間は、出産前の一定期間から出産後の半年とかそういう限られた期間の話なんです。仕事を休んでも一定の保障がある期間です。

それに対して岸田首相は「育児中などさまざまな状況にあっても」と産休・育休だけでなくて育児という広い範囲について回答しているんですね。

育児でいうと子育て何歳までかというのはありますが、小学校、中学校と、手が離れるまでは育児になると思います。

かなり範囲にずれがありますので、そもそも答弁として噛み合ってないというのが1つあります。結局、岸田首相が何が言いたかったのかがまずあるなと思います。

産休・育休制度は何のためにあるのか

大家議員の提案も問題があると思います。

産休・育休制度は何のためにあるのか?ということなんですね。

よく考えればわかるんですが、この期間はそれだけで手一杯で仕事はもちろん他のこともなかなか手がまわらないわけです。

なので、出産、育児にきちんと専念できるようにするための制度です。

その間は仕事を休んでも一定の保障があるわけです。

それにもかかわらず、その期間が時間が空いてる風に言ってリスキリングができるでしょと答弁してしまったのが、全くわかってないよねと批判されています。

主旨は、産休・育休をよりとれるようにしたいという話

そもそも自民党の代表質問を見ると、自民党のウェブサイトでは、文脈としてはちょっと違っていて「産休・育休を取りにくい理由の一つが、一定期間仕事を休むことで昇進・昇給で同期から遅れを取ることだと言われてきました。」と書かれているんですね。

今回の提案の目的、主旨は、産休・育休をよりとれるようにしたいという話なんです。なのでリスキリングでスキルを磨くのはそのための手段になります。

本来、出産育児に専念できるようにするための制度であるので、そこにリスキリングをあてようという話ではなくて、仕事に戻れるようにするような提案をすればよかったのに、そこであえてリスキリングに結び付けようとしていたんです。

そこの発想の弱さというか残念さが今回の批判につながっているんです。それは批判されてもしかるべきと思います。

そもそも産休育休の期間中に、リスキリングせよと推進するように国が仕向けたようにみえてしまったのは、確かに乱暴だなと思います。

会社に戻りやすくする、キャリアで遅れを取らないようにするのであれば、リスキリングと結び付けないような様々なアイデアもあっただろうと思います。それが今回の一番残念なポイントだと理解しています。

加えて、産休・育休であれば時間に余裕があるからリスキリングできるだろ、という育児に関わったことのない大人たちの解像度のまったくの低さを露呈してしまったという話です。

本当に産休・育休中にリスキリングは無理なのか

最後確認しておきたい点としては、本当に産休・育休中にリスキリングは無理なのかという話です。

もちろんこの期間の育児は大変であり、やれと言われるのは筋違いであるということは前提となるとは思います。

ただ、その間に、産休育休を利用してリスキリングをできる人もいるし、やれるならやってもいいというのが僕の意見なんです。

実際、僕の運営する学習コミュニティノンプロ研でも産休・育休中にプログラミングスキルを学びたいということで入会されて受講されている方がいるわけです。

その場合、夫婦でうまく分担しながらお互いが学習できる時間と環境を作っていて、それはそれで素晴らしいなと思います。

批判が盛り上がる中、産休・育休中はリスキリングなんか全く無理みたいな決めつけが広がっちゃうほうが逆に気になっています。

産休育休を利用してリスキリングできるでしょうと国が言うのは確かにおかしい話だし、お門違いだとは思いますが、その期間に実際にやれる人はいるので、それは無理と決めつけずにやれる人はやったらいいと思います。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「産休・育休中のリスキリングについての首相発言について整理する」をお届けしました。

産休育休期間であれば時間がありそうだからできるんじゃないかという発想が出てくるのは、本当に残念だと思います。

リスキリングはそもそも日々の生活から皆さんやったほうがいいんじゃないかと思っています。僕自身はその方向から皆さんを支援したいと思っています。

産休育休期間でぜんぜんできないかというと工夫次第ではできる部分もあると思うので、その選択肢自体は残しておいてもいいんじゃないかなと思います。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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