なぜ9割の組織はDXに失敗するのか

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なぜ9割の組織はDXに失敗するのか

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、なぜ9割の組織はDXに失敗するのかです。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

DXの成功率

今日は、なぜ9割の組織はDXに失敗するのかという話をしていきます。こちらに関しては、様々な調査でDXの成功率が報告されているんです。

たとえば、PwCコンサルティングによる、日本企業のDX推進実態調査2022。こちらでは、その成功率は10%と伝えられています。また、経済産業省のDXレポート2ではなんと3.1%であると伝えられているんです。

日本組織のDX成功率が低い理由

とにかく日本組織のDXは、実際に見てもそうなんですけど、うまくいっていないと言われています。それがなぜなのかという話です。

DX人材不足

1つの理由としてあげられているのが、人材不足です。DXに関しては、専門家がいなくてはいけなくて、特殊なスキルとか知識が推進のために必要だと言われています。

実際に情報通信白書令和4年版では、DXの課題や障壁については、人材不足と回答した企業が67.6%と、これがトップだったんです。僕の意見では、人材がいなかったとしても、できることはあるだろうと思います。

人材と一言で言っても、どういうスキルをどのレベルで持っている必要があるのかは、その点で解像度がかなり怪しいと思うんです。というのも、IT人材と一言に言ったとしても、ものすごく範囲が広いわけです。

たとえば、スマホの画面を作るスキルと機械学習のモデルを作るスキルでは、ベースとなる知識も違いますし、使用する言語も変わってくるわけです。つまり、人材不足というのが思考停止のための言い訳ワードになっているんじゃないかと、気がしてならないわけです。

大きな変化を一気に起こすという思いこみ

あと、別の視点で言うとDXを進める過程で、結構大きな変化を一気に起こす必要がある。そんなイメージをしている気もします。DXを進めるプランがあって、プランが完了したらDX完了みたいなイメージを持っている経営者が多いのではと思います。

実際に、そういう提案をしているDXコンサルもいるかもしれないです。ただ実態で言うと、そんなことはなくて、DXの事例を紐解く限り、結構な年数をかけて、小さな変化の積み重ねが必要です。これを続けていくと、結果的に大きな変革になっていたことも多いわけです。

たとえば、僕の支援している会社では、社長が業務改善のために細々とプログラミング学習を始めたんです。大体4年前の話です。それから、あちこちの業務を自ら自動化・効率化をして、それを社員にも学んでもらって、会社全体のプロセスから紙はもちろん属人的なもの・非効率的なものをどんどん排除していったんです。

結果的に、ほぼ最近では全体最適化されました。ここまで4年かかっているわけです。実際にそのノウハウ・技術を外部に販売していく。こんな動きをとられているところなんです。これは、まさにDXなのではないかと思えるわけです。

つまり、知識・スキルを持つ人材がいなければ学べばいいですし、小さな改善を積み重ねて、何年かかかれば、結果的に大きな変革になる。そういうことが、僕としては言いたいなと思うわけです。

DXが進まない理由

そう考えると、その本当に進まない理由。これは、人材不足だったりとか、一気に進めなきゃいけないとか以外にあるのではと思っています。

その点に関しては、僕は組織やそのビジネスが変わることが難しい仕組みになってしまっているのが原因ではと考えています。つまり、変えるのがめんどくさいからやらないということです。

僕は、これを組織の変更容易性が低い状態と言っています。これは先日話をした、ダブルループ学習と繋がるんですけれど、組織に前提をちゃんと変えるような、ダブルループを機能させて、どんどん前提を変えて仕組みを変えていくわけです。

ただ、組織の変更容易性というのは、非常に多くの様々な要因が絡んでいます。その組み合わせで、出来上がっています。

社長のアンラーニング能力

いくつか例を挙げると、例えば社長のアンラーニング能力です。これは組織の変更容易性に大きく影響します。

たとえば、社長が自分はデジタルは苦手ということを払拭せずにいたとします。それでDXを進めようとすると、部下・外部に丸投げをしようとするんです。部下・外部は、もちろん一生懸命提案をするんですけれども、社長はデジタルがわからないので、経営に則したジャッジができないわけです。

そして、何より苦手ならやらなくていいという逃げ道を作るというのは、社長自らが悪いお手本になっています。部下・外部から見て、社長本気じゃないと思うわけです。

失敗した人を罰する評価制度・文化

後は別の例として、新しいチャレンジこれをした時に、失敗してしまった人を罰する評価制度であったり、または叱ったりとか小馬鹿にしたりする。そんな文化もあるかなと思います。

そうなると、誰も新しい取り組みを提案しようとは思わないですし、行動を起こさない方が得だなと思ってしまいます。結果的に、新しい動きは起きずに今まで通りのことを繰り返すだけとなります。つまり、ダブルループ学習が機能しなくなります。

DX適正診断

他にもたくさん要因があるんですが、今そのような要因をどんどん洗い出している最中です。組織の変更容易性のチェックができるようにならないかなと考えています。つまり、DX適性診断みたいなものを組織に対して、事前に行います。それを事前に行って、DXをあやふやに進める前に、組織の変更容易性をチェックします。

そして、変更しづらくしている要因を洗い出して、そこを一つずつ改善していく。そういったアプローチが上手くいくんじゃないかなと思っているんです。これについては、詳しい話を来週の11月11日木曜日の20時から、僕が運営するコミュニティノンプロ研のイベントで、詳しくお話しする予定です。

タイトルは『なぜ9割の組織がDXに失敗するのかDX適性診断を元にその原因を探る』というタイトルです。こちらのイベントなんですけれども、コミュニティのメンバーでなくても、どなたでも無料で参加できるイベントです。是非興味ある方は、参加いただきたいと思います。ということで、DXが進まないという理由について、今日はお話をさせていただきました。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「なぜ9割の組織はDXに失敗するのか」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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