DXに必要なのに見逃していたパーツが見えてきた

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DXに必要なのに見逃していたパーツが見えてきた

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、DXに必要なのに見逃していたパーツが見えてきたです。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

DXの進め方

DXに必要なのに、これまで見逃してしまっていたパーツが見えてきたように思うので、それについてお話します。

まずDXの進め方なんですが、トップダウンかボトムアップかという議論があります。

トップダウンの場合

多くの大企業などのDX推進のニュースで言うとトップダウンで進めているケースが多いんですが、トップが予算を承認して、ちゃんとコミットしてるわけですね。

そのうえでDX推進担当をつくって、場合によっては外部コンサルに手伝ってもらってプロジェクト全体の絵図を描き、号令は出してくれる、とこんな感じです。

実際にDXを進める上では、紙をデジタル化するデジタイゼーション、現状のプロセスをデジタル化するデジタライゼーション、そして組織とビジネス全体を変革するデジタルトランスフォーメーションという3つを進めていく必要があるという風に言われています。

これは、必ずしもこの順番で進める必要はありませんが、順番はどうあれいずれにしても、紙をデジタル化することや、プロセスをデジタル化することは必要になります。

これまでの仕事のやり方や業務フローを変えていく必要があるわけです。ただこの部分で、さまざまな問題が発生します。

なぜかというと

  • 現場としてはやり方を変えることに心理的に抵抗感がある。人が良いとか悪いとかではなくて、誰しもこれまでのやり方を変えることには抵抗を示してしまう、そのような可能性があるし、そういう傾向があるということ。
  • したがってデジタル化を進めていく上で例えば紙をデジタル化する、プロセスをデジタル化する場合、決裁者・関係者の承認や協力なかなかが得づらい。
  • 他チームや社外との仕事の進め方に差が出てしまうので、業務がうまく進まないという問題点が出てくる。なので他チームや社外に合わせざるを得ない。

このような問題が次から次へと出てきて、なかなか進められずに頓挫してしまう。このようなことが起きています。


ドリーム・アーツという会社によるデジタルトランスフォーメーション(DX)浸透調査によると

DXにかかわりたいかどうかという積極性を判断する質問に対して「絶対に関わりたくない(14%)」「できれば関わりたくない(21%)」「いわれたら仕方がない(25%)」

あわせて60%の人が消極的な回答をしてしまっています。

もう一つ別の調査報告を見て見ると、自社がDXに取り組んでいるかどうかで言うと「わからない(44%)」「デジタル化のみ取り組んでいる(27%)」

つまり自社でDXに取り組んでいるかどうかわからない、もしくはデジタル化しかしていないという方も、DXに対して既に消極的なイメージを持ってしまっているということなんですね。

世の風潮なのか、もしくは先ほどお話したように現場での抵抗感とか、実際に変えていくことの難しさとかすでに肌で感じていて、先々のイメージとして苦労しそうというのが見えてしまっているのかもしれないと思います。

ということで、トップダウンであったとしてもなかなかうまく進められないということなんです。

ボトムアップの場合

では、ボトムアップではどうかで言うと、僕が運営している越境学習支援プロジェクトなんですが、3月からトライアルスタートしていて半年が経ったんです。

越境学習されているみなさんは、プログラミングゼロからスタートしながらも実務で十分に使えるレベルのスキルを身に着け、かつ職場の仕事についてほぼ確実に問題意識を持っていらっしゃって、そこに影響を与えるようなアクションを起こせる冒険者としての能力も十分に身に着け始めています。

そういった方々が現場でどうしていくかということなんですが、多くのアプローチとしては、自らのチームの仕事でデジタルデータ化されていない業務や、時間的負荷の高いルーチン業務を発見して、そこについてプログラミングの作成とかそれを活かせるような業務フローに変更するというアクションを繰り返していくわけです。

ただ、この時もトップダウンのときと同様に

  • やり方を変えることに対する心理的抵抗感がある
  • デジタル化をする上でのまわりの承認や協力が得られない
  • 他チームや社外との仕事の進め方の差があって引きずられて変えづらい

こんな問題がでてきてしまってなかなか苦労してしまいます。

越境学習者には葛藤が生まれるというのは、越境学習という仕組み上は狙いどおりではありますが、みなさんの面談やヒアリングを重ねると、現場裁量がないスタッフほど精神的に苦しい戦いを強いられてると見て取れます。

現場裁量がないのに、課題とかその改善したい欲求が出てきてしまうので、そのギャップに苦しむというのは当たり前といえば当たり前なのですが、ボトムアップは現場の特に、若いメンバーとか役職が高くないメンバーにかなり負担があるなというのがわかりました。

越境学習支援プロジェクトでは、デジタルスキルと冒険する能力を持つ、DX人材を育てるという意味では、確実に成果を出しているんですが、人材育成=変革とはならないわけなんです。

ボトムアップだけでDXが進展するのを期待するというのは、やはり飛躍があり無理があるようにも思えてきました。

なので、この結果が見えてきた段階で僕としては別のアプローチを組み合わせることを考えています。

新しいアプローチ~経営者向けのDX支援

僕の考えは、デジタイゼーションとデジタライゼーションの前に、もしくはそれと並行して、組織全体でDXの推進を腹落ちするセンスメイキングと呼ばれるステップと、業務フローやプロセスの変更容易性を高める組織改革が必要なんじゃないかと思っています。

そうすることで、現場の変化への心理的抵抗感を下げて、さらに実際の変更の複雑さ・難易度を下げるわけです。

その上であれば、越境学習によるデジタル冒険人材が、心理的負担が少なくなりより活躍できるのではないかと思います。

これを実際にどうすすめるか、そのアプローチとしては経営者向けの会話によるDX支援というのを考えています。

DXとは何か、何を目指すべきなのか、そこは複雑性に立ち向かうためのソフトウェア設計の知識がかなり必要になっているので、ここに関しては経営者のみなさんへのティーチングが必要です。

さらにその知識をきちんと持っていただいた上で、現状の組織がDX、変革に耐えられるような体制になっているかを判断する必要があります。それは、これから用意するDX診断によって自社組織を評価できるようにしてあげたいなとい思っています。

その上で、DXを通してどのようなあるべき姿を描くのか、現状を整理してアクションを決めていきます。ここは経営者として自社をどう進めていきたいかというところなんですが、僕が最近学んだコーチングのスキルが生きてくると思っています。

今、この経営者向けDX支援の構想を形にしているところで、DX診断の洗い出しなどをした上で、トライアルを始めようと思っています。

まだ詰めないといけない部分が多いんですが、その過程で得た学びや気づきについてお伝えしていきたいと思いますので、楽しみに待っていてください。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「DXに必要なのに見逃していたパーツが見えてきた」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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