みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、ようやく政府が「経営者へのリスキリング」を方針として明記です。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
では、よろしくお願いいたします!
政府のリスキリング施策に関するニュース
今日はこちらの記事を紹介していきます。
経営者のリスキリング、令和11年までに5000人 政府が骨太方針に明記へという記事になります。
では、内容を詳しく見ていきましょう。
企業経営者のリスキリングを後押しするため、政府が地域の産学間の枠組みで、令和11年までに約5000人の能力向上に取り組む目標を打ち出しました。
「地域の産学間の枠組み」というのは、地域の企業と大学・行政などをつなぐ枠組み、リカレント教育プラットホームというのがあるんですが、それを今回の経営者のリスキリング支援に活用するということです。
経営者向けの教育プログラム開発などを通じて、今後5年で約5000人の能力向上を目指すということです。
どんなプログラムかというと、経営学修士MBA取得で学ぶような経営知識や戦略的思考を身につけてもらい、収益力強化を通じた賃上げを後押ししたい、このような狙いもあるそうです。
同時に、経営者にリスキリングの重要性を理解してもらい、従業員の学び直しを促すということです。
ようやく経営者向けの支援が始まる
これまで、リスキリングに関して言うと、政府は様々な支援をしてきました。
厚生労働省、文部科学省、経済産業省から、それぞれいくつかの支援制度が提供されていますが、これらの施策を通してリスキリングする対象は、従業員のみなさんが強くイメージされていました。
有識者のみなさんは、経営者こそリスキングをとずっと伝えていましたが、なぜか、経営者はリスキリングの対象としてはかやの外に置かれていました。
これが今回ようやく、政府の方針として「経営者のリスキリング」というワードが登場したということになります。
経営者へのリスキリングの必要性
では、なぜ経営者のリスキリングが必要なんでしょうか。
感覚的には当たり前の話なんですが、あえて言語化しておきたいと思います。
2つ挙げたいと思います。
正しい経営判断をするために
1つは、正しい経営判断をするためです。
今、急速なデジタル技術の発展と社会の浸透が進んでいます。
この技術革新と社会の変化のスピードについていくというよりは、むしろそこを先導していって新たな価値を創造することが、企業に求められているわけです。
その中心地となっている技術がAIやデジタルになるわけですが、経営者や役員がその十分な知識を持っていないと、これからの市場の変化を予想しながら正しい経営判断、投資の意思決定をすることができないということなんです。
ですから、自分は知らなくていい、丸投げでいいや、そういったことにはならないということです。
従業員全体のお手本になる
もう1つの理由なんですが、従業員全体のお手本になるという話です。
パーソル総合研究所のリスキリングに関する調査で言うと、メンバーのリスキリング行動には上司の探索行動が影響を与えているという結果がありました。
探索行動というのは、新しいことを探して取り入れていこうという姿勢です。言い換えると、学び、チャレンジする姿勢です。
また、リクルートの調査によると、非IT職のデジタルリスキリングに関する実態調査で、上司のDXリーダーシップについては、学習効果に強い影響を与えるという結果も出ています。
経営者が、リスキリングについては、俺はやらないけど君たちはやりなさいみたいな指示を出している場合、その人の言うことを誰が聞くのかという話ですよね。
組織全体にリスキリングの習慣、文化を植え付けたいのであれば、自らがお手本を示す必要があります。
経営者向けのスキリング支援のポイント
さて、経営者向けのリスキリング支援を政府が打ち出したわけなんですが、この施策はうまくいくのかといったことについて考えていきたいと思います。
うまくいくためには、次の3つのステップを考える必要があります。
- この施策をどうやって知ってもらうのか
- どうやって参加してもらうのか
- どうやって成果につなげるか
どうやって知ってもらうか
まず1つ目のステップ、どうやって知ってもらうかということです。
今回のようにメディアで報じ続けてもらうというのは1つありますね。
しかし、中小企業の経営者を中心に、リスキリングとかDXとかそういったワードについてよく知らない、分からないと回答する経営者も少なくありません。
したがって、それ以外の情報のタッチポイント、接点が必要かなと感じます。ここは、地域の産学間の繋がりで知る機会なども必要なのかなと思います。
どうやって参加してもらうか
次にどうやって参加してもらうか、というステップです。
先日、Voicyでもお伝えしたんですが、ラーニング・バイアスというキーワードがあります。
ラーニング・バイアスとは、パーソル総合研究所の学び合う組織に関する定量調査で提唱されたもので、学びに関する思い込みや固定観念を表すもので、7種類が提唱されています。
このラーニング・バイアスがビジネスパーソンから学びを遠ざけているんじゃないかという話なんです。
ラーニング・バイアスをとりのぞく
たとえば、その1つとして、新人バイアスというのがあります。学びというのは新人や若い人だけがやるものである、このような思い込みを新人バイアスと言います。
また、別のバイアスで言うと、学校バイアスというのもあります。学びというのは学校で生徒が行うものであるといった思い込みです。
この7つのバイアスは全て学びへのマイナスの影響があったんですが、最も学習意欲へのマイナスの影響があったのが新人バイアスだったそうです。
そして、この新人バイアスなんですが、男女ともに50代、60代で最も顕著だったとも報告されています。
年功序列が基本の日本型組織で言うと、ポジションが上になればなるほど年代が上がっていく、そしてそういった人たちほど新人バイアスが強い。
その影響で学習意欲が低く、自らはリスキリングをしない。このような傾向があるというのは十分に考えられる話です。
これに関して、ある自治体の企業育成支援に関わっている方と先日お話をしました。
自治体によるDXとかリスキリングとか、そういった講座をやるという時に無料で提供されるですが、そういった場に経営者はまず来ないとおっしゃられていました。
経営者としては、若くて生きのいいやつをそこに送り込む、このような判断をしてしまうわけなんです。
しかし、これまでお話しした通り、それは全く合理的な判断ではないということが言えると思います。
したがって、政府がこういったプログラムを提供したとしても、経営者がそこに参加するというのはかなり難易度が高い、そんな印象を持ちます。
どうやって成果につなげるか
3つ目のステップは、どうやって成果につなげるかという話です。
このプログラムの内容では、まだ詳しくは明らかになってはいませんが、経営に関する最新の知識や戦略と伝えられています。
そして、それを実地に反映させて企業の成長を図るとも伝えられていますので、成果につなげるという視点はあるのかなという気はしています。
しかし、この中にAIとかデジタルとかそういったものは含まれなくていいのかなという気がします。
効果を上げているノンプロ研の越境学習
プログラムとしては1つ、僕が携わっているノンプロ研の越教学習が成果を上げているので紹介をしておきたいと思います。
これは、学習コミュニティノンプロ研に企業から何人か参加していただき、ノンプロ研のみなさんと一緒に学習活動や様々な活動をしていただくというプログラムです。
このノンプロ研の越境学習で、経営者や経営層のみなさん自らが越境学習に参加しているケースでは、いずれも目覚ましい成果を上げています。
ご本人のリスキリングはもちろんなんですが、従業員のみなさんのリスキリング、組織のDXも着実に進んでいる、そんな様子が伺えます。
越境学習には、これまでの固定観念を揺さぶって解きほぐすアンラーンの効果もあります。
それによって、これまで染み付いてしまったラーニング・パイアスの解除を期待できるわけです。
さらにノンプロ研では、デジタルの知識やスキルを身につけることができますので、それを基にDXを始めとした経営判断に役立てていただくことができるということになります。
ノンプロ研講座のお知らせ
最後に1つお知らせをさせてください。
学習コミュニティノンプロ研では、コミュニティの仲間と学べるノンプロ研講座があります。
ただいま4つのコースで申し込みを受け付けしておりますので、ぜひ興味があるものがあれば参加いただければと思います。
- 初心者IT基礎講座Excel関数コース
- 初心者プログラミング講座VBAコース
- 初心者プログラミング講座GASコース
- 初めてのコミュニティ活用講座
いずれも仲間と共に学べる、そして実践的で役に立つ講座となっていますので、ぜひご覧いただければと思います。
詳細のご確認とお申し込みはこちらから。
まとめ
ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「ようやく政府が「経営者へのリスキリング」を方針として明記」をお届けしました。
経営者のリスキリングという言葉を政府が使ったというのは、一定の進歩だと言えます。
しかし、実際に実行する時には、先ほどお伝えしたラーニング・バイアスなどの難しさがありますので、そこをどう越えていくかという課題があるのかなと感じました。
タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。
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では、また。