4割が「1年以内の学習ゼロ、学習意欲もなし」

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4割が「1年以内の学習ゼロ、学習意欲もなし」

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、4割が「1年以内の学習ゼロ、学習意欲もなし」です。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

日本では「リスキリング」が浸透していない現実

今日はニュースを紹介します。

紹介する記事のタイトルは、「4割が「1年以内の学習ゼロ、学習意欲もなし」。お金も時間もやる気もない…リスキリング浸透せず」です。

この記事は、オンライン動画学習大手・Udemy(ユーデミー)と提携するベネッセ・コーポレーションが、学生を除く18歳~64歳の男女3万9998人を対象にしたインターネット調査を実施したというものです。その結果として、日本では「リスキリング」が浸透していない現実が浮き彫りになったという話になります。

1年以内の学習ゼロで学習意欲もないグループが4割

調査では、「学生時代を除き、直近1年で学習したことはあるか(目的や学習手段は問わない)」すなわち学習経験についての質問と、「今度1年以内に何かを学習したいと思うか」つまりこれからの学習意欲を問う質問という2つの質問をしたわけです。

学習経験と学習意欲それぞれの質問を掛け算すると4つのグループに別れるんですが、それぞれ何%あったかという調査です。

その結果は以下の通りです。

  • 学習経験もあって、学習意欲もある、「学んでいます」層が34.5%、つまり3人に1人くらい
  • 学習経験があって、学習意欲がない、過去1年に学んでいたけれど、これからは学ぶつもりがない「学ぶの疲れた」層が12.1%
  • 学習経験がなくて、学習意欲がある、つまり今までは学んでこなかったけれど、これから学習するつもりがある「学ぶつもり」層が13.5%
  • 学習経験もなくて、学習意欲もない、つまり過去も学習してないしこれからもやる気がない「なんで学ぶの」層が39.9%

この4つめのグループが最も比率が高かったんです。この事実がニュース記事のタイトルの「4割が「1年以内の学習ゼロ、学習意欲もなし」」につながっています。

ベネッセは去年も同様の調査をしているんですが、前年比で大きな変化は見られなかったと報告しています。

リスキリングの言葉自体は知るようになった

他の調査としていくつかの質問をしているんですけれど、まず、「「リスキリング」という言葉を知っているか?」という質問をしています。

知ってると答えた人が昨年は23%でした。今年は56%になったということで、半分以上の人が言葉自体は知るようになったというのが結果として出ています。

別の質問として、「リスキリング」の必要性について質問しています。

  • リスキリングに取り組めている: 11%
  • リスキリングに取り組めていない: 44%
  • リスキリングは必要だと感じていない: 45%

このリスキリングの必要性についての質問ですが、先ほどの学習経験、学習意欲の調査と比較すると、リスキリングに取り組めているという人は比率としては少ないという印象です。

僕の予想としては、学んではいるけれども、たとえば既存の専門を学んではいて、新しいスキルの獲得ではないという方が一定数いるのかなと考えています。

「お金がない・時間がない・やる気がない」という問題

この調査に対して、ベネッセコーポレーション・社会人教育事業本部長の飯田氏は「認知と実行にはタイムラグもある。リスキリングの必要性は知っていてもまだ行動ができていない人が多い」と言っています。

その上で飯田氏は、人々がリスキリングに向けた行動を起こせない要因として、「時間がない」「やる気がない」「お金がない」という3つの要素があると指摘しています。

この「お金がない・時間がない・やる気がない」という問題ですが、僕が思うに最も課題なのはやる気がない、モチベーションの問題かなと思っているんです。

というのも、そもそもお金の問題ですが、書籍は数千円の投資でできますし、Webでは無料のコンテンツが多いので、今のリスキリングでいうと、そこまでお金をかけずにできることも多いと思います。

時間については、たしかに今の平均的な労働時間の設定や、業務時間の使い方の慣習的に学習のための時間がとれないことが多いと思います。

しかし、別の調査結果で、学ぶ時間が余っていたとしても、結局そのぶん学習するかというと、結局やらないということも多いという調査結果もあります。

一方で、やる気に関しては、やる気・モチベーションさえあれば、時間を生み出すための行動を起こして時間を確保することはできるわけです。

ということで、僕としては、3つの要素を挙げられているんですが、モチベーションの問題が一番解決すべき問題なのかなと思います。

モチベーションの問題をどう解決すべきか

じゃあどうするかという話ですが、皆さんの環境とか習慣をリスキリングに対してモチベーションが上がるような設計に変えていくということが1つ。

もう1つは環境とか習慣をリスキリングに対して、やる気を失わせる要素を減らしていくことがあると思います。

やる気を失わせる要素は、多くの職場でたくさん見られます。

たとえば、職場で新しいスキルを身に付けてそれを活用しようとすると、いろんなことをしないといけないわけです。

たとえば、上司に提案したり、同僚を説得したり、何か問題が起きたら説明の責任を背負わされたり、対処する必要がでてきたり、新しいことをやろうとすると多大な負荷がかかると予測されてしまうわけです。

この負荷の予測のために、変化をしないようにというようにという力が働いてしまう、そんな意識を変化抑制意識といいます。

これはリスキリングにおいて、かなり悪さをしているんじゃないかなと僕は思っています。

その点どうするかというと、たとえば現場に一定の裁量を渡して、多少失敗しても好きにしていいよと任せることや、新しいスキルの活用に強い抵抗感を示すようなリーダーを交代させたりといったことを考えるわけです。

意欲ある人を孤立させない

一方で、まわりに新しいスキルを学ぶのが楽しいよと、めっちゃ役に立つと言いながら、実際に活躍している人がいるなら、その意欲は周りのメンバーに伝染していくわけです。

その方がリーダー的なポジションだったら、なおのことチームとしては活性化するんじゃないかということなんですね。

さらにそういう人たちが複数人いて、コミュニティを含め励まし合いながら学べる場があれば、モチベーションの維持向上にすごく寄与するという話です。

なので学ぼうとする人を孤立させずに、そういった人を集めてつながりをつくり、コミュニティ化をするのがおすすめだと思っています。

国の支援はモチベーションの問題に工夫をしてほしい

国としてはリスキリングに対して支援をすると言っているんですけれども、実際はお金の問題ではなくて、今までお話してきたとおりモチベーションの問題が多いわけです。

なので、お金を出すにしてもモチベーションを生み出す組織設計に対して支援するのであれば効果はありそうな気がするんですが、実際そこのお金を出す出さないの判断・評価は難しいと思います。

単純にお金を出すだけで好きにしてよだと、一部の業者だけが稼いで、リスキリングは進まないということになりかねないので、そのあたりは工夫してお金を使ってほしいと思います。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「4割が「1年以内の学習ゼロ、学習意欲もなし」」をお届けしました。

実際リスキリングはなかなか進んでないよということが明らかになったわけですし、2022年にパーソル研究所がやった調査ともほぼ同じような結果だったということでそれが裏付けられたという話なのかなと思います。

本編でお話した通り、モチベーションの問題がかなりあるので簡単には解決できないかなと思うんですね。

ただ、仲間とかつながりとかコミュニティ、このあたりはかなりチャンスがあると思っています。

これは昨日の放送でもお伝えしたとおりなんですが、今回の出版記念ツアーイベントは、そういったコミュニティとか仲間が集まる場所を全国各地に作ろう、そういった取り組みでもあるわけです。

1つ1つは小さいイベントなんですが、何度も繰り返して少しずつでも影響を与えられるんじゃないかと思っています。

この結果についても皆さん楽しみにお待ちいただければと思います。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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