本当にDXができている組織は「DX」という言葉を使っていない説

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本当にDXができている組織は「DX」という言葉を使っていない説

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、本当にDXができている組織は「DX」という言葉を使っていない説です。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

DXができている組織は「DX」という言葉を使っていない説

今日ですが、DXについて最近そうだよなと思うことが何回かあったので、それについてお話しします。

何かというと、本当にDXができている組織は「DX」という言葉を使っていない説です。

小田商店

いくつか例がありまして、UpdataDXでご一緒した徳島の小田商店の小田さんから聞いた話です。

3代目で世代交代したときに、長時間労働でこのまま労働時間を増やして売上をあげようと思っても、無理だと気づいたそうです。

それでやったことがすべての商品にバーコードをつけて、デジタルで業務をできるようにすることでした。

そのときに「DX」という言葉はなくて、そのバーコードの担当の方も「DX」の読み方を最近までデラックスだと思っていたそうです。

フロント・ワークス

あと、ノンプロ協会で支援させてもらっていたフロント・ワークスさん。

5年ほど前からずっと拝見していますが、別にDXをしようと目指していたわけではなく、業務効率を上げて、ミスを減らしていこうとしていったら、結果的にDXだったという話でした。

北國銀行

以前、スキルアップラジオでも紹介した北國銀行さん。

DXの文脈でいうとものすごく取り上げられますが、スタートは15年も前の話です。

DXという言葉は、2004年にエリック・ストルターマン教授によって言葉は生み出されていたものの、日本でこの言葉が広がり始めたのは2018年の経済産業省のDXガイドラインを取りまとめたことが契機だったことを考えると、DXという言葉を意識していたのではないはずです。

DX情報の発信・取得の仕方

ここ数年、DXという言葉が生まれてバズワードになったことで、より多くの人が関心を持つようになりました。

それ自体は良いことかもしれないけれども、情報の発信のしかたと情報の取得のしかたにはちょっと気をつける必要があると思っていて、それについて話をしたいと思っています。

規模の大きな企業から中心に、DXは比較的推進されつつはあるように見えます。

しかし、どのレベルかはなかなかわかりません。

うまくいっている企業の事例もときどき見かけるんですが、そうでない事例も多く見かけます。

ただ、僕の観測範囲でいうと、いまだにデータの在り処は紙であることも多いし、FAXを送れと言われることもあるし、神Excelもやり取りされているし、属人的にデータ管理がされてることも多いし、日本社会としてDXできているかというと、まだまだ道のりは長いように思うわけです。

あと、ニュースを見ていると、大企業を中心としたDXについてのリリース、メディア向けのアピールで、「やっているふう」を装っているものもけっこうあります。

どこかのコンサル会社と提携して、DX子会社をつくったとかそういうのはありますが、自社ではDXできているのだろうかというのは、かなり疑問です。その後、その子会社の成果はどうだったんだろうか?とかあまりそういった部分には、触れられてないように思います。

大企業でいうと、組織が大きいし、ステークホルダーも多いので、なかなか組織改革は難しいのだと思います。

いっぽうで、メディアからの発信でいうと中小企業のネタはニュースバリューが低めなので、良い事例・悪い事例もあまり日の目に当たりづらいというのはあると感じています。

なぜDXが必要か

あと、別の視点でいうと、なぜDXが必要かという、Whyの話でいうと

  • 日本の人口減で市場が縮小して、労働力が不足する
  • AIなど技術革新が加速していて、すべての業界がデジタルに飲み込まれる

こういう論調があります。外部環境の変化、それもネガティブな話がどうしてもDXが必要な理由になりがちです。

知らない人たちにセンセーショナルに届けるには、外部環境の変化、どちらかというと恐怖を煽るほうが良いのかもしれないです。

内発的動機づけが必要

ただ、最近やっていて思うのは、冒頭のいくつかの事例もそうですが、DXを進める動機としては、外発的な動機づけではなくて、内発的動機づけが必要なのではということです。

組織・個人どちらでも、あるべき姿や解決したい課題があって、それに向かっていったら結果的にデジタルをふんだんに使うことになっていたり、新たな技術が有効と気づいて学習を積み重ねたりという話なのだと思います。

冒頭の「DX」というワードを使わない事例はみなさんあるべき課題や解決したことがあって、それに向かって進み始めたわけです。

ポーズでもなくて、DXという手段の目的化でもなくて、本質的に必要なことを突き詰めていった結果、振り返るとDXができていたという話だったと思うわけです。

以上をふまえたDXの活動とは

これをふまえて僕の活動としては、そういう情報の偏りみたいなことを捉えながら活動をしていきたいですし、していかないとと思っています。

まず、大企業だけではなくて、中小企業の事例もしっかり拾っていくことが必要かなと考えています。

おそらくDXは年単位でかかるので、点ではなくて線で捉えることが必要です。

そして、あるべき姿・解決したい課題など、本質的な目的があるかどうかを見極めたいと考えています。

なのでスキルアップラジオもそうですし、そういう視点で事例をちゃんと拾って発信したり、分析して再現性のある要素を抽出したいと思っています。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「本当にDXができている組織は「DX」という言葉を使っていない説」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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