DXに取り組んでいる企業の人材育成の実態とは

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DXに取り組んでいる企業の人材育成の実態とは

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、DXに取り組んでいる企業の人材育成の実態とはです。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

DX・デジタル人材育成トレンド調査2022

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社さんから出ています、企業の経営者・会社員1,000名を対象に行われた、「DX・デジタル人材育成トレンド調査2022」の内容について解説していきたいと思います。ニュースリリースのリンクを貼っておきますので、こちらも合わせてご覧いただければと思います。

調査対象

まず調査対象なんですが、結構フィルタがかかっているので読み始める際に注意が必要かなと思います。

どういった方々が調査対象になっているかと言うと、所属部門では経営者、総務・人事・情報システム・DX・R&Dに属する人たち、かつ自社のDX人材育成に関与、もしくは関与する予定の方となっています。

企業規模で言うと、100人未満の企業は対象になっていません。一方で10,000人以上の企業は24.6%、1,000人以上の企業に所属する方は60.0%ということで、結構大きめの企業に所属する方々の回答が多いかなと思います。

DXの進み具合とか人材の獲得方法で言うと、現在DXを実施しているもしくは1年以内の実施予定がある企業のみ。かつ人材の獲得方法で言うと、社内育成を視野に入れている企業のみが対象になっています。

まとめると調査としては、DXを進めているもしくはすぐに進める予定のある企業で、DX人材・デジタル人材の獲得は社内育成を視野に入れている100人以上の企業となります。

100人未満の中小企業や、DXを進めようとしていない企業は対象外となっています。

したがって、世の中でどれだけDXが進められているかとか、中小企業の様子はどうだとかとういことは、このレポートからは読みづらいと言えます。

それを前提にレポート内容を見ていきたいと思います。

DX戦略の目的

まずDX戦略の目的について調べてみます。

回答が一番多いのは「業務プロセスの変革」で56.5%。次いで、「業務改善」(53.5%)となっています。まずは真っ先にデジタイゼーションンとかデジタライゼーションのあたりを目的としている企業が多いということですね。

一方で、ビジネスモデルの変革や新しいビジネスの開発、などは若干低めになっています。DXの目標地点としては結構低めのところをあげている企業が多いかなという印象です。

育成課題

次に育成課題についてです。

「取り組んでいるがDXにつながらない」が最も高く28.2%。次いで、「推進できる人がいない」(27.4%)、「ニーズに合った育成サービスがない」(25.3%)となっていました。

これはそもそも先ほどの目標地点が比較的手前の目標になっているにもかかわらず、DXが達成されていない、と言う企業が多かったわけです。人材育成をしているが、業務プロセスの変革や業務改善にはつながっていないということです。

3番目の回答は「ニーズ」がどういったものかはわからないのですが、「ニーズに合った育成サービスがない」と回答している方も多かったようです。

ここに関しては僕の考えと一致している部分もあります。DX推進は人材育成だけでは厳しい、たとえ目標地点がそんなに高くなかったとしても難しいと思います。

2段階のステップで目標を目指す

ここは2段階のステップで考える必要があると思います。

まず、DXを進める上にはデジタルの知識・スキルをつけるだけではやっぱり足りない。まずX(トランスフォーメーション)の部分で言うと課題を見つける力が必要です。現状に課題を感じなければ改善しようというエネルギーが生まれないので、Xの部分を会社の機能として持つ必要があります。

これには越境学習が有効で、業務についての課題発見や解決能力を含めたイノベーションに必要な素養が身につくのではと思っています。

もうひとつのステップとしては、Xまでできる人材がいたとしても、組織側が変えるのが難しい構造になっていることなんです。現状に課題を感じていて変えたいというエネルギーも持っているが、変更のためのエネルギーがかかりすぎると変えられないという問題が出てきます。

ここに関しては、現場の人材育成をしていくだけではなくて、組織の構造に手を入れられる、決定ができるリーダー層の越境学習が有効ではないかと思っています。

教育方法・教育内容

どうやって教育しているかという点です。「自社のe-ラーニング」が最も高くなっており、次いで「自社内製の研修」「社外の専門家による研修」がTOP3の項目でした。

教育内容については、全体では「AI/データ」が最も高く46.5%。次いで、「DX企画」(38.8%)、「DX基礎知識」(35.3%)となっています。

さらに2つの項目について考えてみます。より詳しく内容を見て見ないとわかりませんが、印象としてはかなりインプット重視になっているように思います。

目標地点を業務改善とか業務プロセス改善に置いた場合、e-ラーニングによるAI/データ学習が来るのはつじつまが合いづらい感じがします。

というのは、業務改善・業務プロセス改善でいきなりAIを活用できるのはそんなに多くないと思うのです。DXするならAI活用に関する知識・スキルが必要という固定観念がありそうだなという印象があります。

教育内容と取り組み内容に関しては、DX企画、DX基礎知識が2番目・3番目にあげられていたのですが、これはそもそもどういった内容なのかなというのが正直あります。DXがかなり目的化していてそういったメニューがあったら飛びついてしまっているような気がします。

こちらのレポートの提言に、インプットだけではなく、実行も含めた「実践的な学び」の機会を増やそうといったことが書いてありました。まさにその通りだと思います。

まずは目的をはっきりさせ、業務改善とか業務プロセスの改善が必要ならそのためにどういったスキルが必要なのかを見極めて、それを実際に実践できるところまで道筋をつける必要があるということですね。

教育予算

最後に教育予算について、1人あたりの1年間の予算は「10万円以上~50万円未満」が一番多くて22.8%、「50万円以上~100万円未満」が16.9%になっています。

なのでと月1万弱から4万円ちょっとと回答している企業が多い。

ただ、内訳をみると1年間に10万円未満という回答をしている企業も18.6%あるんです。月1万円も払えないわけです。

弊社の越境学習支援プロジェクトであれば、半年で3万円+講座受講で、だいたい月1万円くらい。僕自身はこんなに安いサービスないだろと思っていますが、けっこうそれレベルの予算もかけたくない企業も一定数あるんだなとびっくりしました。

e-ラーニングならそういうレベルの料金で提供できるでしょうけど、人による関与がかなり得づらくなるので、いわゆる「リスキリング」と言えるレベルの学びは難しいように思います。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「DXに取り組んでいる企業の人材育成の実態とは」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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