みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、職場のジェンダーギャップの現在地とその課題です。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
では、よろしくお願いいたします!
家事分担のジェンダーギャップ
先日531回の放送で、夫婦の家事分担の実態と、見直すときの3つのポイントについてお話したんですけれど、そこでいろいろ調べている中びっくりしたのが、夫婦が同じくらいの給料をもらって同じように働いていたとしても、どちらかと言うと奥さんの方が家事分担として比率が多い、そういった結果でアンフェアな状態になってしまってるっていうのがあったんですね。
ただこれって単純に夫婦間の話だけではなくて、それぞれ旦那さん奥さんが働いてる会社の慣習とか文化、これが男性女性をそれぞれどうやって扱うかにも、結構影響を受けちゃうんじゃないかっていう話はあると思うんですね。
例えばよくある話で言うと、男性の方が定時で帰りづらいとか、育休が取りづらいとか、そういった雰囲気が根強く残ってしまってるっていう事はあるんじゃないかなと思います。
とはいえ、最近で言うと、多様性を職場でも認めよう、こういった動きも活発になってきていますし、色々と制度面も変わってきている、そういった側面もあるかなという風に思いますので、ここでいくつかの調査を拝見して、現在地を確認していきたいなと思っています。
国単位のジェンダーギャップ
まず、国単位でジェンダーギャップがどれくらいあるのかというのを見るのによく使われている指数「ジェンダーギャップ指数」というのがあります。
これは世界経済フォーラムが、経済、教育、保健、政治、この4つの分野に関して、各いろんなデータをウエイト付けして指数を算出して国別にランキングしているというものになります。
日本のジェンダーギャップ指数は146か国中125位
これの2023年度版が出ていますのでこちらを見ていきましょう。
全体でいうと、日本のジェンダーギャップ指数は、調査した146か国中125位だったそうです。
前年は116位だったので9ランクダウンしてしまったということです。
さらにその順位は2006年の調査開始以来最低だったそうです。
これは何が起きているかというと、指数自体はほぼ横ばいだったそうで、ただし順位は下降傾向が続いていたということです。
つまり日本としてはジェンダーギャップに関してはずっと停滞していた一方で、他国が格差解消の取り組みを進めることによって、日本を追い抜かしていったという、そういった現象が起きてるって事なんです。
経済と政治がかなり足を引っ張っている
分野別に見ると、どこに課題があるかっていうのはかなり明確で、教育に関して言うと146か国中47位、健康は59位だったんです。一方で経済は123位、政治に至っては123位ということで、この経済と政治、この2つの分野がかなり足を引っ張っている様子が見て取れます。
政治で言うと、国会議員の男女比とか閣僚の男女比とか、そういったものがポイント化されてるんです。
やはり国会中継とか見ていても男性の比率は圧倒的に多いわけですから、確かにその通りだよなって思います。
同様にジェンダーギャップ問題が根強く残っているのが経済の分野です。
こちら、ランキングが低い順にお伝えしていきますと、管理的職業従事者の男女比が133位です。
推定勤労所得の男女比が100位、そして労働参加率の男女比が81位、同一労働における男女の賃金格差が75位。
いずれも課題があるんですけれど、その中でも管理職の男女比がより課題としては重い印象がありますね。
これは政治のところもおそらく同じような課題だと思うんですけれども、意思決定層が昔ながらのやり方の男性が占めていると、どうしても今までのやり方を踏襲しやすく、男女比だったりとか賃金の格差だったりとかそういったところに、そもそも課題を感じづらいところもあるのかなというところですね。
しかし一方で、多様性が高い企業は収益性とか株価が高い傾向にあるというのは、これまでの研究で言われてるところなので、ここの課題に着目できていないっていうのは、かなりもったいない話だと思います。
従業員はどう見ているか
さて、ここまで全体感を見てきたんですけれども、では従業員の方はどう見ているかっていうのを見ていきたいなと思ってます。
ちょっと別の調査になりますけれども、indeedが行ったインターネットと電話とTwitterを使った調査がありましたので、こちらを紹介していきたいなと思います。
こちらは2023年の2月の調査になりますけれども、まずジェンダーギャップを感じた経験があるか、これを質問したところ、「直近3年のうちに感じたことがある」と回答した人が66.9%だったそうです。どんな経験があったかというと、1位「子育てとフルタイム勤務の両立が難しい」が13.6%でした。
2位「男女で賃金、ボーナスに差がある」が13.1%。
3位「男のくせに、女性なのになどの性別による立ち振る舞いを求められる」が11.8%でした。
これは3つとも数値は低いんですけども、それぞれ勤務状況に関するもの、賃金評価に関するもの、あとは振る舞いに関するもの、同じジェンダーギャップの課題と言ってもあちこちにそれが現れてるっていうところですよね。
特に子育てのところで言うと、会社の問題だけではなくて、住んでいる自治体とか地域とかそちらの方がどれだけフルタイムの勤務に耐えられるような支援を得られるのかみたいなところはあったりしますよね。
ジェンダーギャップを感じる職場の慣習やルール
次の質問は職場の慣習やルールについてです。
「ジェンダーギャップを感じる職場の慣習やルールがある」と答えた人が59.8%でした。
どのような慣習やルールが挙げられていたかというと、1位「男性の方が昇進しやすい」が18.5%。2位「男性の方が責任ある仕事を任される、またはリーダーになりやすい」が16.5%。3位「男性は長期の育休を取得しづらい空気がある」が16.4%でした。
この3つに関しては完全につながっているなと思います。男性のほうがそもそも出産育児の際に長期休暇を取らない傾向があります。そうなると大事な仕事は男性の方に任せた方がいい、そういった配属になりやすいんです。
そうするとポジション的にも男性のほうが昇進しやすい。こういった因果関係のループがずっとぐるぐる回ってしまっているわけですね。
なのでこのループが加速しないようにブレーキをかけたりとか、むしろ逆向きの周り方するようにテコ入れをしたりとか、そういったことが必要になるわけなんです。
けれども、それ自体もなかなか難しいですし、それに課題を感じてチャレンジしようとする意思決定層が少ないというのもあるのかなという風に思います。
従業員がついていくリーダーを選択する時代
そのような場合にトップを変えることによって一気に変えていく、みたいなやり方は1つあるのかなと思います。
ただこの場合は経営に対して、例えば株主が別人格として存在していて、そこにプレッシャーを与えられるような環境であればそうなんですけども、例えば経営者が株主も兼務してるような場合、多くの中小企業はそうだと思うんですけれども、そんな場合はそういった力学も働きづらいっていうのがあるわけです。
そのような場合は、やはり、従業員がどのリーダーについていくのか、これをきちんと選択した方がいいんじゃないかなと思います。
というのも、これから労働人口がどんどん減っていきますので、従業員の確保はどんどん難しくなるはずなんです。
そうなると、従業員としては売り手市場になるわけです。まあしっかり世の中を観察をして、ジェンダーギャップもそうですし、DXなんかもそうなんですけども、良い経営をするためには、これまで培ってきたものを何を捨てて何を取り入れたらいいのか、そういったことを学ぶ姿勢のある経営者を選んでいくことがどんどんしやすくなるんじゃないかなって思うんですね。
そのために、ビジネスパーソン自身がちゃんと世の中を観察して、どういったスキルが求められているのか、自分はどういったところでどういう風に貢献できるのか、そういったことを日々考えながら行動を取っていくっていうのはすごく大事なことなんじゃないかなという風に思います。
実際僕が主催しているコミュニティ「ノンプロ研」でも、男性も女性もたくさんの人たちが学んでスキルを磨いて、そして時には転職という形で、自分がしばらく人生を預ける組織を乗り換えているわけですね。
そうやって皆さん自分で動いてって良いというふうに思ったりしてます。僕もそうやって動こうとする皆さんの背中を押せるよう日々頑張っていきたいなという風に思うところです。
まとめ
ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「職場のジェンダーギャップの現在地とその課題」をお届けしました。
今日はジェンダーギャップをテーマに話をさせていただきました。
一昔前よりは良くなってるとは思うんですけれども、やはりまだまだ課題が多いなあというところで、もっともっと頑張らなきゃなって思います。
特に僕は1人で仕事をしていますので、こういったジェンダーキャップに関しては身近で感じることが少ないんですけれども、やはりこういった調査を通して全体感を知ることだったり、あとは直接、周りの皆さんの声を聞くとか、そういったことは大事だなっていう風に思います。
このジェンダーギャップの課題についてもそうですし、僕が主戦場としているDXとかリスキリングとか、そういったところもそうなんですけども、やはり組織の変わらなさみたいなところが一番抽象度の高いところで言うと、ネックになってるのは同じなんじゃないかなって思うんです。
なのでそこに対するアプローチをどうしたらいいか、まあ簡単な話ではないんですけれども、引き続き考えていきたいなという風に思っています。
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では、また。