リスキリングの取り組みに影響しているのは「世代」ではなくて「業界」

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リスキリングの取り組みに影響しているのは「世代」ではなくて「業界」

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、リスキリングの取り組みに影響しているのは「世代」ではなくて「業界」です。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

世代間の諍いが残念だなと思う

よく飽きないなと思うんですけれども、例えばニュースなんか見てると、年齢を重ねると学び直しができなくなるとか、働かないおじさん問題とか、年齢を重ねると能力が低くなってってしまうみたいなそんなことを揶揄するような記事がちょくちょく目に入ってきます。

一方で若い世代についても自己主張ばかり強くて会社に貢献しようとしないとか、残業しないでさっさと帰るとか、そんなことを言ったりしていますよね。

こんな感じで世代間で別の世代に対して、能力がどうなんだとかいうのを投げかけあっているのをみると残念な気持ちになります。

年齢がネックになるのは実際のところかもしれない

ただ、実際の仕組みとか慣習とかやはり年齢は働くにおいてネックになる時がどうしても出てきちゃうっていうのが実際のところなのかなと思います。

例えば10年ほど前は転職は35歳までなどと言われてまして、徐々に緩和されてきた感じはあるんですけどもやはり年齢が高いと転職はそんなに有利じゃないというのが一般的な通説としてまかり通ってるっていうのはあるなと思います。

あとはもっとはっきりした仕組みで言うと会社によっては50代のうちに役職定年があって、そして65歳で定年これが制度として決まってしまってるっていうのがあります。

なので、いかにその当の本人が能力が高くて若々しく働いていたとしても、年齢がその年齢になったというだけで役職を降りなくてはいけなくなったりとか、給料に変化が出たりとかそういったことが制度化されてしまってるっていう現状があります。

世代を主語にして能力の評価をするのは解像度が低い

それで、この世代間によって本当に能力の差があったりとか、いけてるいけてないみたいなことがあるのかっていう話についての僕の意見なんですけれども、まずですね、世代を主語にして、能力が高い低いとか、いけてるいけてないと、そういった評価をするのは、あまりにも解像度が低すぎるという風に考えています。

例えば、先ほど転職は年齢が高くなるとしづらいと話はしたんですけれども、でも中には50代超えても良い転職しているっていう方はたくさんいらっしゃいます。

もちろん難易度は高いかもしれないんですけれども、年齢以外の部分でカバーできる余地はたくさんあるわけです。

また、新しいデジタル技術なんかで言うと、若い人は得意でお年寄りの方は苦手そんなふうに思いがちではあるんですけれども、実際の人たちを見渡すと、例えばもう70歳近くなっても新しいIT技術を新しいおもちゃのように飛びつく人もいますし、一方で僕が教鞭を取った大学院での話で言うと、学生さんの中にもIT苦手と思ってしまってる子たちもいます。

ってことで、主語が大きすぎるとその集団の中に当てはまってない人も含めてしまいがちです。

なのでその世代に関する固定観念、これは捨てた方がいいんじゃないかなっていうのは僕の意見です。

身の回りの人たちについてよくちゃんと観察する

そうならないためにしたい行動なんですが、身の回りの人たちについてよくちゃんと観察するっていうのは大事かなと思います。

同じ世代でも全く価値観も違いますし、行動も違いますし、いろんな人がいるって事に気づきます。

また、周りにいる人たちが、もしサンプルが少ないのであれば、もっと出かけて行ってたくさんの人たちと出会うようにするっていうのは大事です。

会社と中小企業の行ったり来たりだと、自分がよく観察できる数がもう数十人しかいないみたいなことも結構あると思うんですね。

なのでそうならないようにいろんなサークルに参加してみたりとか、コミュニティに飛び出してみたりとかそういったことをぜひしていただきたいなという風に思います。

そうすることで解像度が上がっていきますので、大きな主語で語る、そういった癖が抜けていくんじゃないかなと思います。

世代によって傾向が違うってことは確かにある

ただ、世代によって傾向が違うってことは確かにあります。

例えば転職の成功率みたいなのを見ると、世代間で数値が違ってきます。

例えば転職希望者の中で実際に転職した人の割合これを転職成功率とします。

厚生労働省の中途採用にかかる現状等について、こちらの調査によると、全体で言うと45.2%だったそうです。

これが年代別でいうと例えば25から29歳って言うと50.3%でした。対して45から49歳、こちらは36.6%ということで、やはりその数値には差があります。

なので実際に有利か不利かというと、年代が上がるに従って不利になる傾向があるというのは間違いなく言えるということですね。

ただし45から49歳であったとしても36.6%は成功してるということなので年齢だけを見てどうせ無理だろうと諦めるのはちょっと早いかなっていう風に思います。

リスキリングに対する世代間の取り組み状況の違い

では、その世代による傾向なんですけれど、僕が今主戦場にしているリスキリング、これについて世代間の取り組み状況は違うのか調べてみました。

リスキリングに関する調査は結構あちこちから出ているんですけれども、この世代別の調査っていうのは実はなかなか少なくてですね、僕が見つけたのは2022年9月のエンジャパン株式会社による調査です。ミドル1700人に聞くリスキリング実態調査こちらになります。

残念ながら35歳以上が対象になっていて、かつレンジ分けも30代40代50代の3つだけになっているので本当は20代とか60代も知りたかったんですけども、そこはちょっと見られなかったという感じですね。

で実際に見ていきますと、全体でいうと取り組んでいると回答したのは31%でした。

では世代別にみるとどうなのかということなんですけれども、30代は29%、40代は32%、50代は31%ということで、世代によって変化はなかったということなんですね。

なのでいわゆる年齢を重ねると学び直しができないという、よくみる通説によりますとこの調査からは見てとれないということになりますね。

リスキリングに対する職種と業種の取り組み状況の違い

一方でこちらの調査なんですけれども、その世代別以外に職種と業種この両方でも見ています。

ここをですね詳しく見ていくと結構大きな違いがあるんです。

職種による違い

例えば職種で言うと、取り組んでる比率が高いものから順に言うとコンサルタント系がなんと80%、マーケティング販促企画商品開発系こちらが50%、経営企画事業企画系これが47%、これらの職種はかなり高い比率でリスキリングに取り組んでいると回答しています。

一方で取り組んだと回答した人が少ない職種で言うと、管理部門系が30%、営業系が29%、それからサービス流通系が22%で技術系の機械系とか建築系ですね、こちらが21%だったり18%だったりということになってます。

なのでフィールドワーク系でいうと実際にリスキリングに取り組んでいる比率は低いようです。

一方でデスクワーク系だったとしても、やはり管理部門系、事務職が多分多いと思うんですけれども、そういった人たちの比率がすごく低いので、この人たちをいかに動かすかっていうのが全体としては大事なんじゃないかなって僕は思います。

業界による違い

そしてもう1つですね業界別に見ていきましょう。

業界で取り組んでいると回答した比率が高い業界で言うと、1位がコンサルティングですねこちら59%、次に金融47%、ITインターネットゲームこちらが43%と続いているという形になってます。

一方で低い業界で言うと、流通小売サービス、そして建設不動産、こちら両方とも並んで24%です。それから物流と運輸これが22%です。その他の中にインフラとか教育とか官公庁、これが含まれているんですけどもこちらが24%ということでした。

職種だったりとか業界で取り組みの差があるっていうのは、他の調査でも似たような結果が出ていますので、この傾向は実際にあるんじゃないかなっていう風に考えています。

職種業界によってスキルの格差が広がっていってしまうんじゃないか

この結果から言えることは、年齢よりも今どのような仕事をしているか、そしてどのような環境と業界にいるかということがリスキリングに影響を強く与えてるんじゃないかっていう仮説が浮かび上がるわけですね。

そしてちょっと心配なのは、リスキリングの取り組みの比率が低い職種低い業界に関して言うと、そもそもリスキリングについて知らないとか、リスキリングは自分たちには関係ないとかそういう風に思いがちな文化慣習が根付いてしまってる、そういった可能性があります。

つまり、職種・業界によってスキルの格差が広がっていってしまうんじゃないか、これをちょっと僕は懸念しています。

ただ急に職種とか業界を変えるというのは難しいと思いますので、これは本当に冒頭の話に繋がるんですけれども、是非とも今働いてる職場の環境の人たちだけではなくて、その外に一歩飛び出して、なるべくバリエーション豊かな多様な職種、多様な業界の人たちと会って、その人たちと価値観を見せ合いっこをしてほしいです。

そうすることでずっと遅れを取ってしまうみたいなことを防ぐそういった視点を得られるんじゃないかと思います。

ということで今日はですねリスキリングの取り組み度合いで言うと、世代よりも職種業界の方が大きな差が出るかもしれないよ、そういった話をさせていただきました。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「リスキリングの取り組みに影響しているのは「世代」ではなくて「業界」」をお届けしました。

やっぱり思い込みというのはなかなか厄介なものだなというふうに思いますね。

自分は年齢がいってるからちょっとリスキリングしんどいなあなんていう風に思ってる方いらっしゃいましたら、是非年齢は関係ないということを思い出していただければと思います。

というか僕から見てますとリスキリングはどの年代にとっても大変なんです。

ただそのリスキリングをなるべく効率よく、なるべく効果的に、そして楽しく、そのように取り組むことはできるんですね。

そのようにするための方法とかテクニックそういったものをこのスキルアップラジオでもそうですし、僕が書いたデジタルリスキリング入門の方でも書いていたりしますので、ぜひ参考にしながらですね進めていただければと思います。

そしてもしかすると、皆さんがいる今の環境これが他の職種とか業界に比べるとだいぶ偏ってる、そういった可能性はありますので、ぜひいつもの自分の環境から一歩飛び出していろんな人を観察したりとか、いろんなところに行ってみたりとかそういったことをぜひしていただきたいなという風に思います。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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