学習コミュニティってこんなに面白い!体験者が語る三者三様の手応え|イベントレポート#3

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世にたくさんある「学習コミュニティ」。形態やテーマ、規模などはさまざまですが、参加者はみんな何かしらの“手応え”を得ているようす。それぞれ違うコミュニティに参加している3人が登壇した「コミュニティ愛を語るLT(ライトニングトーク)」から、その中身を語りました。
※この記事は、2024年11月16日(土)に行われたイベント「学習コミュニティフォーラム2024」の内容から執筆しています。

米世毅さん「強みはモダンExcelを使ったデータ分析」

僕は、約25年間資生堂に勤務していました。ベトナム工場やIR部、資生堂パーラーなどを担当し、いろんな仕事を経験してきました。IR部では国内外の投資家と面談したり、情報の日英同時開示など、なかなかハードな仕事も体験しました。そして2024年11月、税理士として独立。「税理士 米世毅事務所」を開業したところです。

僕は資生堂を卒業して、税理士としてひとり仕事をすると決め、起業しました。ひとり仕事について、仕事関係者以外の方ともっと気兼ねなく話せる場所がほしいと思って、思い切って結NITYに入ることにしたんです。

仕事関係の方や取引先ではない“仲間”をつくれて、しかもこんなにざっくばらんに話せる場はほかにないと思いました。結NITYは税理士だけじゃなく、いろんな職種のフリーランスの人が集まるコミュニティなので、学びも深まると思いました。

結NITYに入ったからこそ得られたつながり、知識、経験

僕が結NITYに入って得られたものは3つあります。1つは、ひとり仕事をする中での困りごとや相談ごとを気軽に相談できる方々と知り合えたことです。仕事の進め方や考え方などをアドバイスいただいたり、フォローしてもらったり、とても助かっています。

参加者からの質問も続々。大盛り上がりのLT大会となりました!

2つ目は、結NITYの「開業日記」というコンテンツで、ほかのメンバーの話を聞けることです。私と同じように独立・開業した人たちのお話を聞けるのは、最近開業したばかりの私にとってとても参考になります。その中で最新のITツールの話が出ることもあり、勉強になります。

3つ目は、まさに今日、学習コミュニティフォーラムに参加していることです。さまざまなバックグラウンドを持つ方と交流できるのは面白いですね。もしずっと一つの企業の中だけで過ごしていたら、同じメンバーと同じ環境で過ごしていたはず。ひとり仕事を始めたからこそ、こういうイベントに参加する機会が巡ってきました。

結NITYしかり、学習コミュニティフォーラムしかり、ひとり仕事をするようになってからいろんな方と知り合う機会が増えました。とても良い経験ができていると思っています!

今井彩香さん「読書会コミュニティ・おとのわダイアローグでの9カ月」

私は2024年3月から、読書会コミュニティの「おとのわダイアローグ」に参加しています。以前から友人だった、主宰者のわおん(​​栗原和音)さんから「新しくコミュニティを立ち上げるから参加してみないか」と声をかけてもらったことがきっかけです。これまで、9カ月かけて3冊の本を読んできました。

おとのわダイアローグは学習コミュニティの1つですが、私は何かを学びたいとか自分を変えたいというモチベーションで参加しているわけではありません。ただおとのわダイアローグの居心地がいいからずっと参加している感じです。

おとのわダイアローグの説明には「心と体を緩ませて、オープンに言葉を紡げる場所を、もっと身近に。自然と自分にかける言葉や現実の見え方が変化する、温かい体験を。」とあります。場の空気や雰囲気も含め、この言葉が実現されている場。だから毎回、ゆっくりリラックスして参加できています。

「事前に読んでこなくてOK」だから気軽に参加できる

私がおとのわダイアローグを好きな理由の1つは、「事前に本を読んでこなくてもOK」というところです。課題図書を持っていさえすれば参加できるので、とても気楽です。読書会までに自分の時間を作って本を読まないといけない……と思うと、大変だし、少し気が重くなってしまいますよね。

おとのわダイアローグは、参加者のみんなで一緒に本を音読し、読んだ箇所に対して感想や思いを言うという仕組みです。それを繰り返しているうちに、ふと気づいたら自分自身にいい変化が起きているそんな場所なんじゃないかなと思います。

実際、この9カ月間を振り返ると、いい変化がたくさんあったなと思います。「変わりたい」と思って参加したわけじゃなかったんですが、棚ぼた的に変わりました。いちばんわかりやすい変化は、「映画を、誰かと一緒に観に行ってもいいな」と初めて思うようになったことです。

私は、映画を誰かと観に行くのがずっと苦手でした。映画を観た後に誰かと感想をシェアする時間が好きではなかったからです。その根っこの部分には、相手と感想が違っていたらどう振る舞ったらいいかわからないという不安、無意識に相手に合わせようとする居心地の悪さがあったと思います。そういうネガティブな気持ちが、おとのわダイアローグに参加するうちに勝手に消えていきました

コミュニティルールがあるから、居心地よく過ごせる

おとのわダイアローグの居心地がいい理由として、コミュニティのグランドルールの存在があると思います。ルールがあるからこそ、コミュニティの中で好きに振る舞い、自由に参加できる気がしています。例えばこんなルールがあります。

  • 間を埋めようとしない:読書会で読んだ箇所に対して、自分がどう思っているか、過去の自分の経験とどんなふうにつながっているかを大事に、安心して味わうためのルールです。周りを気にすると、思考が外に向いてしまいます。
  • やりたくないことはしない:おとのわダイアローグでは、やりたいことだけやっても、空気が悪くなることはありません。参加するたびに身をもってそれを感じられるので、成功体験を積めます。だんだんと、日常生活にも生きてくるように感じます。
  • 離席や、画面のON/OFF、姿勢などはすべて参加者の自由
  • わからないことはわからないと言ってOK
  • 話の中で出た、プライベートな話を口外しない

いつも、会の冒頭に「チェックイン」の時間があります。そこでは毎回、そのときの自分の感情と、体にある感覚を言葉で表現することになっています。独特ですよね。

自分の心や体がどんな状態かって、意外と普段は意識しないし、言語化もしないので、最初はあまりうまくできませんでした。続けているうちに、だんだんできるようになってきたなという手応えがあります。これからも、おとのわダイアローグを通して私自身がどう変化していくのか楽しみです!

erinaさん「コミュニティに入って、人生への考え方が変わった」

私は、普段ビジネス資料を作成する仕事をしています。モットーは「やらぬ後悔よりやって後悔」。2022年に始動した資料作成コミュニティの「シリョサク!ラボ」に、二次募集で入会しました。パワポ芸人改めパワポ社長・トヨマネさんのもと、みんなで資料作成スキルを上げています。

コミュニティの趣旨は「伝わる資料をサクッと作れるようになることで、人生を一歩前に進める!」。始動したときは30人でしたが、今は250人います。特徴は、相撲になぞらえた番付があること(笑)。親方、横綱、大関、関脇などがあります。

もう一つ、コミュニティのローカルルールに「#グッモア(Good&More:相手の話にフィードバックするときは、まずいいところを伝え、次に改善できることを伝えよう)」があります。まず「Good」を伝え、「Bad」ではなく「More」(よりよくなるように)を伝えると、未来に向けたフィードバックになります。

誰かの話を聞いてなんとなく「いいね」と思ったとき、それを具体的な言葉にすると自分の中で具体化されますよね。それがスキルアップにも生かせるなと感じています。

シリョサク!ラボに入って変わったこと

私がシリョサク!ラボに入って、変わったなと思うことは3つあります。

1つ目は、スキルが上がったこと。ラボのメインコンテンツとして、ドリルとそれを元にした月2回の勉強会があります。資料をつくる前段階で、伝えたい内容をどう組み立てるか、相手にどう伝えるかを考えるところから学んでいます。私は親方として講師をすることもあり、誰かに教えること自体が自分の学びにもなるなと感じます。

2つ目は、人との関わり方です。メンバーの共通点は「資料作成への関心」のみ。友達でも同僚でもない関係性だからこそ、お互いにリスペクトできるし、安心できるんですよね。私はわりと一人でいたいタイプですが、誰かと一緒に時間を過ごすことも悪くないなと思うようになりました。

3つ目は、人生に対する考え方です。「打席に立つ」ことの大事さを知りました。ずっと観客として誰かを眺めているだけでは、人生は前に進みません。自分の人生を変えるには、まず打席に立つことが大事です。

スキルアップが自信に変わり「資料作成を生業にしたい」と転職

具体的に打席に立ったことの1つ目は、シリョサク!ラボで「親方」を襲名し、勉強会での講師などを務め始めたことです。親方のご指名をいただけてとても嬉しい反面、責任への怖さや不安を感じ悩みましたが、ここでやらないでどうすると、自分の背中を押しました。

もう一つは、転職したことです。「資料作成を生業にしています」と堂々と言えるようになりたいと、シリョサク!ラボの運営会社に転職をしました。ラボで高めたスキルや周りからの評価により生まれた自信と、日々受けているメンバーからの刺激が、ベンチャー企業への転職を後押ししてくれました。

シリョサク!ラボには、資料作成に熱い愛を持っている人や、1つのスキルを究極まで高めている、いい意味での「変態」がたくさんいます。私も「パワポの変態」といわれることがありますが(笑)、周りの変態たちからいつも刺激を受けています。

長くコミュニティに参加していると、周りのメンバーの“人生の分岐点”に立ち会えてしまうのも面白いところです。これからも、シリョサク!ラボを最大限に楽しんでいきたいです!

編集後記:それぞれのコミュニティによさがある

それぞれ違うコミュニティに参加している3人のLT。共通しているのは、感性やものの考え方、捉え方にまで変化が及んでいることです。

また、コミュニティごとに違う雰囲気や魅力があることもよくわかりました。みんなで1冊の書籍を共有する読書会から、ひとり仕事という大きな枠での情報交換や相互サポート、そして資料作成という具体的かつ実践的なスキルアップまで。

自分の仕事内容やほしいスキル、求める居場所に応じて、いろいろな選択肢があると知り、コミュニティに参加してみたくなりました!

(写真撮影:戸村涼子)

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この記事を書いた人

さくらもえ

出版社の広告ディレクターとして働く、ノンプログラマー。趣味はJリーグ観戦。仙台の街と人が大好き。