メンバー2名が語る「私がノンプロ研で得たもの」発表の中身|イベントレポート#2

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イベント「学習コミュニティフォーラム2024」で行われた「コミュニティ愛を語るLT(ライトニングトーク)」。その中から、ノンプロ研(ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会)のメンバーであるあゆさん、inayoshiさんの発表を紹介します。
※この記事は、2024年11月16日(土)に行われたイベント「学習コミュニティフォーラム2024」の内容から執筆しています。

あゆさん「大量のExcelコピペ作業に絶望して、VBAの勉強を開始」

私は2020年12月にVBA(Visual Basic for Applications)をはじめました。2つの部署の兼務で心身ともに限界となり休職していたのですが、復帰と同時に部署異動できたと思ったら今度は前任者から大量のExcelコピペ作業を引き継いでしまい絶望しました……。どうにかしてここから抜け出そうと思ったのがきっかけです。

始めてみたら一気にプログラミングの面白さがわかり、2022年3月からはPythonにも挑戦。10月に、同じ課題意識を持った仲間と一緒にもっとたくさん学びたいと思い、ノンプロ研(ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会)に入会しました。

きっかけは、主宰のタカハシノリアキさんがVoicyの配信で「関西建設業会合同勉強会」について話していたことです。外部の人も歓迎と聞いて参加してみたら刺激的で、「私もやってみたい!」という気持ちになりました。入会してからは、初級VBA講座やExcel関数講座、インストラクション講座などを受けてきました。

以前はVBAもPythonも独学でやっていましたが、ノンプロ研に入って改めて、基礎から学び直しました。体系的に理解できて、スキルアップを実感しています。

また、私の周りにはプログラミングに関心のある人は少なくて、誰かと会話する機会はあまりありませんでした。でもノンプロ研の仲間とは、学習の内容はもちろん、そのほかにもいろんな会話ができます。

たとえば私は、デジタル関係のほかにどうすれば組織は変革できるのか、といった組織論にも興味があるので、みんなと情報交換したり意見を聞いたりすることで気づきや刺激、インスピレーションをもらえます。それによって、さらに学習意欲が湧くんです。

キャリアの見え方が様変わりしたBefore / After

ノンプロ研に入る前後で、キャリアの感覚は大きく変わりました。以前(Before)は、暗い中、舗装されたまっすぐな道を、みんなと同じ方向に、助け合うことなく一人で進んでいくイメージです。未来もある程度予測できていました。

でも今(After)は、もっとずっと明るい道を、アップダウンを楽しみながら歩いているイメージです。時に周りのみんなと助け合いながら歩いていく感じがします。

ノンプロ研が私にくれたものは3つあります。1つは、心理的安全性のある環境。ノンプロ研では失敗を恐れずに挑戦、質問でき、ほかのメンバーから何かしらフィードバックをもらえます。スキルや理解が足りていない状態でも発言してよく、むしろ不十分な状態や間違っていることさえ、自分がプラスになっていく土台なのだと知りました。

2つめは、LT(ライトニングトーク)の経験値です。ノンプロ研では、講座の最後でLTをしたり部活で何かを発表したりと多くのプレゼンチャンスがあるので、どんどん経験値を積めました。自分の経験や考えを自分の言葉で周りに伝えるのって、こんなに楽しいことなんだと知りました。

そして3つめは、自信です。こうしてノンプロ研でいろんな経験を重ねていくうちに「私にもできるんだ! 今できなくてもこれからできるようになるんだ!」という自信が芽生えました。

あゆさん自身に起きた「3つの変化」

ノンプロ研に入ってから、私自身の行動が変わったなと感じます。1つは、ノーコードツールやChatGPTを使って、どんどん自分で業務効率化するようになったこと。2つ目は、職場で社内勉強会を開いて自分の経験を共有するようになったこと。そして3つめは、社外でも講演や研修会をするようになったことです。

勉強会や講演では、参加者から「それは知らなかった!」とか「私にも教えてほしいです」と言ってもらうことがよくあります。それを繰り返すうちに、自分の知識を誰かに還元することにやりがいを感じるようになりました。自分の言葉で発信すると、ほかの人にもちゃんと届き、響くんだなと実感しています。

まとめると、ノンプロ研で新しい挑戦ができ、それによって主体性を得られたなと思っています。業務効率化や勉強会など、自分でオリジナルの仕事をつくるのは楽しいし、周りのためにもなって、とても価値があることだと気づきました。自由に挑戦できる環境、最大限に力を発揮できる環境はすばらしいですね。

最近は、仕事だけじゃなくて、人生そのものももっと自分で切り開いていきたいという気持ちが芽生えています。今は個人事業主として働いていますが、これからもチャレンジ精神と自信を持って、ノンプロ研の皆さんと一緒に学び、挑戦していきたいです!

inayoshiさん「繰り返し業務を根本的に変えたいと思った」

私は2024年2月、VBAを学びたいと思ってノンプロ研に入会しました。普段は出版社で医学書の制作・編集を担当しているんですが、定型の繰り返し業務がかなり多く、残業してなんとかこなしている状況でした。単純作業に充てる時間がかさんでほかの業務を圧迫していたこともあり、状況を根本的に変えるためにVBAを学ぶことにしたんです。

ノンプロ研では「はじめてのコミュニティ講座」や、「初心者向け講座【VBAコース】」を受けました。また受講者としてだけではなく、TA(ティーチングアシスタント、講座の助手)としても参加しました。

最近はよく、VBAの学習に生成AIを使っています。例えばコードを書くときにAIを活用すると効率的に実務でも使えるツールを作ることができます。自分自身が持っているスキル以上のアウトプットができあがるのはすばらしいですよね。新しいテクノロジーも、どんどん積極的に使っていきたいと思っています。

ノンプロ研で得た、「スキル・習慣・つながり」

私がノンプロ研に入って得たものは、「スキル、習慣、つながり」の3つです。まずはVBAのスキル。私の日常業務で使えるツールをつくって、単純作業にかかる時間を短縮し、実際に業務効率化できたのは大きな成果でした。

2つ目は、プログラミングの学習習慣です。私は当初、ノンプロ研に入るにあたり、どうすれば学習時間を確保できるか考えました。結果、ノンプロ研で毎週開催されている「朝モク会」(有志が朝に集まってもくもくと各自の作業をする会)に参加して、土曜日朝に学習時間を捻出することに。結果、集中して学習できましたし、生活サイクルの1つになりました。今も継続できています。

そして3つ目は、やっぱりノンプロ研の仲間たちとのつながりです。同じ目標を持つ仲間たちから刺激をもらって、VBAを学ぶモチベーションを維持できました。

ノンプロ研のSlackでは、メンバーが毎日いろんな投稿をしています。みんなが普段どうやって、どんなことを考えながら学習しているのかわかるし、誰かが講師に質問した内容やそれへの回答も見られて、すごく刺激的です。

講座以外では、ノンプロ研で開催されている「ブートキャンプ」にも参加しました。有志が集まって自分の目標を決め、1か月間集中して取り組むというものです。みんなで一緒に取り組むし、1か月という短期集中型なので、挫折しにくい仕組みになっているんですよ。

私はブートキャンプを通して、本を紹介するフリーペーパーをつくりました。なんとか目標達成までこぎつけ、形にすることができたので本当によかったです。

「テクノロジーで誰もが自分らしい人生をデザインする」世界を目指す

私はノンプロ研に入会するとき、学習時間を確保するために、自分のリソースを最適化しようと考えました。機械に任せられるタスクは機械に任せて、そこに割くリソースを極力減らして、その分人間にしかできないことに時間を使おうと。そうすれば、自分が楽しいと思うことや幸せと感じることに費やす時間を最大化できると考えたんです。

今もこの考えは変わりませんが、ノンプロ研で活動する中で、少し形が変わってきました。具体的には、「テクノロジーで誰もが自分らしい人生をデザインする」世界を目指したいと考えるようになりました。業務効率化はもちろん大事だし大きなテーマですが、それ自体は目的ではなくて手段です。みんながそれぞれ自分の強みを活かして幸せを実現するための道具が、プログラミングであり、テクノロジーだと思うんです。

振り返ると、ノンプロ研で活動したことで自分の価値観がブラッシュアップされ、ぐっと明確になったなと感じます。これからもノンプロ研の仲間と一緒に、楽しみながら学習を続けていきたいと思っています!

編集後記:具体的な変化の様子が見えた

学習コミュニティフォーラムに参加した中で、いちばん臨場感を味わったパートが、このLT大会でした。

ノンプロ研という「学習コミュニティ」ですが、参加者が得たものはスキルアップだけではありません。メンバーとのつながりや学習する習慣、そして主体性など、パーソナリティに関わる部分まで変化があったことがわかりました。お二人の言葉を通して、何かを掴んだうれしさや手応えがよく伝わってきて、とてもすばらしいLTの時間だったと感じました。

(写真撮影:戸村涼子)

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この記事を書いた人

さくらもえ

出版社の広告ディレクターとして働く、ノンプログラマー。趣味はJリーグ観戦。仙台の街と人が大好き。