みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、戦略とは何かです。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
では、よろしくお願いいたします!
書籍の中で使おうとして上手く説明できなかった
今、デジタルリスキリング入門という書籍を絶賛執筆中です。
ある書きたいものがあって、それに関して「戦略」という言葉を使おうと思っていたのですけど、いざ戦略とは何かを説明をしようと思ったら、全然うまく説明できないということに気付いたんですね。
ビジネスでも非常によく見るワードで、書籍もたくさんあります。大事なものとして使われています。
みなさんの社内でも、一般的なワードとしてよく使われていると思います。たとえば、経営戦略、マーケティング戦略、DX戦略とかですね。
ただ、ここまで上手く説明できないとすると、本当に戦略というワードの解釈が、みんなちゃんと合って会話しているのかと心配になるんですね。
ちなみに過去サラリーマン時代に困った時に開催される会議があって、そのタイトルが「戦略会議」だったような気がします。いつもかなり不毛な話しかしてなかった印象があります。
それはさておき、戦略という言葉について調べてみました。
デジタル大辞林による「戦略」の定義
デジタル大辞林によると
- 戦争に勝つための総合的・長期的な計略。スポーツの試合においても用いる。→戦術
- 組織などを運営していくについて、将来を見通しての方策。「経営―の欠陥」「―的人生論」「販売―を立てる」
[補説]具体的・実際的な「戦術」に対して、より大局的・長期的なものをいう。
こんなふうに書かれています。言葉としては計略とか方策とか表現されているのですが、じゃあそれらが何かというのはわからないですね。
あと、総合的とか長期的、大局的という言葉が使われているので、目的を達成するためのより大きなサイズ感のなにかみたいなイメージはあります。
ただ、これだけだとまだわからないなという感じです。
書籍「OODA LOOP」による「戦略」の定義
もうちょっと調べてみました。
先日 #230 書評「OODA LOOP ー次世代の最強組織に進化する意思決定スキル」 で紹介した書籍「OODA LOOP」の中では戦略という言葉を計画と対比しています。
つまり、現状から目的に到達するための方法を記述したものですね。
一方で、戦略とは、「計画を策定し管理するためのより高次な概念的装置のことである。」と説明されています。
なので、計画をつくったり管理するための、計画よりも上位のものだという説明でした。
この背景でいうと、現実世界では、戦闘でももちろんそうですし、変化の激しい時代、ビジネスが計画通りになかなかいかない時代です。計画がうまくいかない理由は、外部要因もたくさんあって、たとえば顧客や競合またはその変化などが挙げられます。
戦略というのは、計画を作ったり管理したりするより上位の装置であるということなんですね。
計画は修正したり捨てたりするけど、戦略は計画をそうするための何らかのシステムのことという説明です。
そしてそのシステムとは思考と行動の枠組みであるOODA LOOPがベースになっているという話がこの書籍でいう戦略になります。
書籍「なぜ戦略で差がつくのか」
別の書籍でも調べてみました。
「なぜ戦略で差がつくのか。」という書籍です。
目的達成のための資源利用の指針
定義はバシっと書かれていて、「目的達成のための資源利用の指針」とされています。
こちらの書籍でも、戦略とは計画とは違う、戦略は計画より上位の概念で、計画の作成や管理の基準となるものと書かれています。
これはさきほどのOODA LOOPの考え方と一致しているわけですね。
あと、目的やビジョンも戦略と違うことが注意されました。戦略はそこに向かうのを助けるものなので概念としては違うということです。
資源の無駄を減らし、目的達成を助ける
こちらの書籍では、プラスアルファで戦略があることの意義があげられていました。たくさんあげられていたんですが、集約すると「資源の無駄を減らし、目的達成を助ける」になります。
たとえば、戦略があって、それを共有することで意思決定を助けるとか、社内の摩擦を減らすことができます。つまり速い意思決定をすることで時間というリソースを確保したりとか、社内の余計な摩擦を起こさずにエネルギーを集中できるメリットがあるんです。
または、戦略があることでそれに基づいて計画の修正、振り返り、立ち戻りができるわけです。
つまり、今ある計画が上手くいかなったとしても、思いつきとか気分でパニックになって、あっちいったりこっちいったりせずに済みます。戦略に立ち戻ることで、そこで修正できるとダメージは少ないですし、失敗をしたとしても振り返りをして次に活かせるように、議論のベースになります。
やりくりのシステム
僕的には、書籍OODA LOOPの訳者コラムで表現されていた、モルトケという方の「やりくりのシステム」という表現が気になったので、調べてみました。
これは19世紀のドイツを代表する軍人「ヘルムート・フォン・モルトケ」の言葉らしいです。
もうちょっと調べると、その名も「戦略」という書籍の中でこのように語られています。
戦略は臨機応変の体系である。戦略は単なる客観的科学などではない。知識を実際の生活に適用することが戦略である。絶えざる状況の変化に応じて、元来の主題は補修が重ねられていく。戦略は過酷な状況という重圧の下、行動をする術である
強調されているポイントは2つあります。
- 実際に適用すること、行動につなげることが重要
- 臨機応変である
とにかく、戦略は使われないと意味が無いと。また、状況が変化してもそれに応じて臨機応変にすると。
ただし、ただの臨機応変だと何でもありになります。選択肢が無限大で、そこからの選択のエネルギーが増大し、スピードも落ちてしまうので、負けちゃいそうです。
そのために、何らかの縛り、制約、枠組みが必要です。
その縛りを思考と行動のパターンにうまく配置した、つまり設計デザインしたものが、戦略といっていいのかなという認識です。
ジョン・ボイドによるとそれがOODA LOOPである、プラスそれを回すための組織文化が重要という話だと僕は理解しています。
これまで戦略という言葉が曖昧だなと思って使っている方に役立てていただけるとうれしいと思います。
まとめ
ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「戦略とは何か」をお届けしました。
僕としてもこれまで曖昧に使っていたなという気づきがありましたし、一定の戦略とは何かが見つけられたのが、今回大きな収穫だったと思います。
同じように、良く使っている言葉でも曖昧に使っている言葉って多いと思うんです。
ぜひみなさん、そのあたり、僕もそうですけど気を付けていきたいと思うところです。
タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。
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では、また。