みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、DXは何からはじめるべきかです。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
では、よろしくお願いいたします!
DXは何からはじめるべきか
今日は「DXは何からはじめるべきか」という話をしたいと思います。
ニュースを見るとですね、どこどこの企業が「DX支援サービスを開始」とか「DX人材育成プログラムを採用」とかですね、さもDXが盛り上がっているようには見えるんですけども、実際はそうではないようなんですね。
2022年5月の、独立行政法人中小企業基盤整備機構の「中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に関する調査」の中では、DXに関する理解度や取り組み条件についてのレポートが発表されています。
「DXに対する中小企業の理解度」では「理解している」が7.9%「ある程度理解している」が29.2%ということで合わせて37.0%でした。
「DXの取り組み状況」に関しては、「既に取り組んでいる」が7.9%、「取り組みを検討している」が16.9%。ということで合わせて26.8%ですね。
なので、理解度にしても取り組み状況にしても、なかなか中小企業に関してはDXに関してなかなか自分ごととしてとらえていないというのが現状じゃないでしょうか。
DXはわかりづらい
DXなんですけども、そもそもわかりづらくなっちゃってるという問題があるんですね。
少し調べると、「デジタイゼーション」と、「デジタライゼーション」と、「デジタルトランスフォーメーション」という3つがDXの構造ですよというのが出てきます。それぞれ名前も似てますし、どれがどれなんだという問題もあります。
「デジタイゼーション」は「 アナログ・物理データのデジタルデータ化」です。
つまり、紙データをデジタルに変えていこうということみたいな動きです。
「デジタライゼーション」は「個別の業務・製造プロセスのデジタル化」です。
業務とかプロセスを個別にデジタル化していこうという動きです。
一番目指すべきは「デジタルトランスフォーメーション」で、経済産業省によると、「組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化、顧客起点の価値創出のための事業やビジネスモデルの変革」と定義されています。
これはとても大事なことなんですけど、特にメディアとか書籍では、まずデジタイゼーションから始めて、次にデジタライゼーションをして、そしてデジタルトランスフォーメーションをしましょうみたいな書き方をされているようなものもあるんですけど、実はこれはミスリードで、経済産業省のDXレポートではこれらは必ずしも下から順に実施を検討するものではないと太字で書かれてあります。
DXに関してはいろんな情報がわかりづらかったり間違えて解釈されてしまっていることもあるように思います。
大事なのは「変革」
では結局DXって何なのかということなんですけど、簡単に言うと「ビジネス全体のデジタル化、事業やビジネスモデルの変革」のことを言います。大事なのはこの変革ということで、それを英語で言うとトランスフォーメーションです。
僕の認識でいうと、この変革の部分を横においておいて、いわゆるデジタル化、紙のデータ化とか、プロセスのデジタル化だけを進めようとしているので食い違ってしまっているという感じを受けているんですね。
じゃあ結局なにから始めたらいいのということなんですけど、
ヒントになるのが、西山圭太先生が書かれている、「DXの思考法」という書籍です。
非常にDXを理解する上で学びの多い書籍です。ぜひ手に取っていただきたいです。
この中で紹介されている「コンウェイの法則」を紹介したいと思います。
コンウェイの法則
「コンウェイの法則」はソフトウェア開発の世界で使われています。
どういうものかというと、「組織がデザインするシステムは、その組織のコミュニケーションの構造とそっくりになる」という法則です。
つまり、組織のコミュニケーションとそれが作るシステムの関係性を示す法則です。
ソフトウェア開発における密結合・疎結合
ソフトウェア開発というのは非常に複雑なので、その管理・メンテナンスがしやすいように、たくさんのコード、部品ごとにわけて開発します。
ソフトウェアの機能を追加したり、改修するときに、全部を一気に直すというのは大変なので、部品ごとに直します。たとえば部品Aを修正したいとしたら、本来は部品A単体だけを修正できて、そこで正しく動作することがテストできて、すばやくリリースできるというのが理想の形です。
ただし、いけてない設計がされていると、どうなるかということなんですけど、
例えば部品Aに使われているコードが、部品Bにも使われていたということがわかったので、部品Aだけを改修したいだけなのに、部品Bも修正してテストしなくてはいけなくなったりすることが起こり得ます。
また、部品Aと同じ処理が部品Cにも全く同じものがあるということが発覚して、部品Cも同じように修正、テストしなくてはいけなくなったりします。
ソフトウェアの開発では実はこういうことはとても起こり得ることなんですけども、いけていない作り方と言われています。
このように部品ごとのつながりが強い状態を密結合といい、ソフトウェア設計では避けましょうとされています。
一方で、部品ごとのつながりが弱く独立性が高い状態を疎結合といいます。
疎結合のほうが安全かつスピーディに機能改善ができて素早くリリースできますのでそちらのほうが良いとされています。そのような状態を変更容易性が高いといいます。
これを組織に当てはめてみようということです。コンウェイの法則を使ってみます。
階層型組織のコミュニケーションの構造は密結合
日本に多い階層型組織では、備品を買おうとしたときにもいくつかハンコつかないと買えなかったりしますよね。途中の上司の誰かが駄目といったら判断は止まってしまいます。
例えばある部署が部署内だけでもいいからSlackを導入しようと検討したとします。そのとき隣の部署とのコミュニケーションがメールとして残っちゃって、二重のコミュニケーションになってめんどくさくなって、決めきれずにメールのままになるというったこともあるかもしれません。
また、何か新しいプロジェクトをはじめようとすると、取締役会で、部門とは関係ない斜め上の取締役がストップをかけることもあったりするわけです。
つまり日本の階層型組織は典型的な超密結合になっているということなんです。
小さな変更や提案だったとしてもあちこちに関係しているのであちこち根回しが必要なので、時間がかかるし、ストップがかかる可能性も高くなって結局何も変わらないことが多いんです。
組織として変更容易性が低い状態なので、変革が難しいということが言えます。
デジタルだろうが何だろうが変革するには組織のコミュニケーション、意思決定のしかたを変えていかないといけないと思います。
つまり部門・ユニットどうしを今の密結合から疎結合にすることからはじめるというのが正解じゃないかと考えています。
とはいえ、組織の変更なんて、経営トップにしかできないのでは?と思われるかも知れませんが、それについてはDXという文脈でいうと僕なりのアイデアがあるので、今後の放送でいずれお話したいと思いますので楽しみにしていただければと思います。
まとめ
ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「DXは何からはじめるべきか」をお届けしました。
タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。
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では、また。