2023年11月ノンプロ研定例会「技術書典15で絶賛発売中!新作ノンプロ技術書一挙紹介」イベントレポート

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去る11月16日、ノンプロ研では「技術書典15で絶賛発売中!新作ノンプロ技術書一挙紹介」というテーマで定例会が開催されました。

この定例会では、11月26日まで開催中の技術書典15の新作ノンプロ技術書著者5名の方にお話をしていただきました。

本記事ではイベントレポートとして当日の内容をお伝えします!

技術書典とは

技術同人誌のマーケットとして日本ではメジャーなイベントで年に2回ほど開催されています。オンライン開催期間とオフライン開催期間があり、11/12のオフライン即売会は大盛況だったそうです。

ノンプロ研のオンラインブースはこちらからご確認いただけます。

「Notion&GAS自動化ガイド」ができるまで たろさん

以前から執筆をしたいという願望があったというたろさん。ずっと先延ばしにしていた中、昨年のノンプロ研内のイベントで来年目標に掲げて退路を断つ作戦に出られたそうです。

その後技術ライティング講座を7月に受講し、企画書を9月に提出し無事書籍を書き上げられました。

NotionAPIを一から学んでみたい方、NotionのタスクをGoogle各種サービスと無料で自動連携させたい方、ノンプロ研GAS初級相当を履修された方がターゲットにされていて過去のたろさんがつまづいたポイントや苦労したものについて記載されている部分があるので、読んだ方が同じものを作った際により目的へ近道できるというものなのだそうです。

今の私自身Googleサービスを使わないという生活はできないほどGoogleサービスを使用しているので、同じく普段使っているNotionとの連携ができるというのはとても興味深く感じました。

無事出版をされたたろさんですが失敗した点もいくつかあったのとのことで、例えば当初企画書をChatGPTで書いたところやり直しになったり、その後企画書をやり直したあとすぐに構成案を変更したり、書きたいことを書いていたら収拾がつかなくなり書籍のボリュームが大幅に上がったり。結果的に構成案よりも大幅にページ数が増えたのだとか。その量なんと164ページ!!

執筆をつづけるにはモチベーションの維持がとても重要なため、たろさん自身執筆時のお供をたくさん用意して執筆をされました。Notionに記録された執筆時間は8051分(約134時間)!Googleカレンダーからスプレッドシートに書き出して見える化もされたのだそうです。

また名言を紙に書いて見える場所に置いておくことでモチベーションの維持に努められ、さらにはコミュニティの力も借りられたそうです。執筆期間中にはコーチングやノンプロ研内の部活動を活用したり、同期や講師である伴走者の力を活用したりして無事完成されたということで、書籍を完成するために毎日執筆の報告をされていた様子をSlackで拝見していたので、オフラインイベント当日はぐっとくるものがあっただろうなと感じました。

たろさんの著書はこちらからご購入いただけます。

Scratchでタイピングゲームを作ったら、小1がタッチタイピングが出来るようになった件 くのへさん

今回技術書2冊目というくのへさん、1冊目の書籍は今回のオフラインイベントで完売されました!今は電子書籍もしくは加筆修正版の取り扱いがあるようです。

今回は家族でITを取り組むきっかけになるような本を執筆されました。くのへさんは普段よりお子様とお子様のお友達に勉強会を開催して、親子でITに取り組むことをされていらっしゃいます。

今回のタイピング本を執筆した経緯としては、遡ること2020年。くのへさんの小1のお子さんがScratchのタイピングゲームをしていたところタッチタイピングを習得し、その経験を途中まで執筆していたそうなのですが、いろいろあってタイミングを逃してしまったのだそうです。Scratch本はすでに書籍として多数出ているためターゲットを親にすることで、差別化をはかったのだそうです。確かに親が子供のために作るというコンセプトの本は見たことがないかもしれません。

そんなくのへさんが執筆をできたのは、ノンプロ研の部活ブートキャンプの力が大きいのだそう。ブートキャンプでは毎日取り組みをチームで報告していくので自分だけで行っているよりもやりたいことを継続しやすかったのだそうです。私自身もブートキャンプに参加して立てた目標は達成できたので、その効果は絶大だなと感じています。

無事オフラインイベントを終え、くのへさんは技術執筆のすばらしさ、オフライン会場の現地の盛り上がりを感じた一方で著書の内容の技術を欲しい人に届くようにする工夫が足りていないと感じたそうです。執筆とスキル向上の関係としては、レベルとして「半熟」な知識の内容の方が執筆する上でスキル向上につながり達成感につながるのではないかと考えたそうですが、確かに完全に極めたテーマより、少し知識が半熟なものの方が執筆する上で調べることで技術向上が見込めそうだなと感じました。

そんなくのへさんの著書はこちらからご購入いただけます。

ExcelでBIツール風 見た目で負けないインタラクティブなダッシュボードを作る ponponmikanさん

以前より技術書典に通われていたponponmikanさん。社内の方が技術書を執筆する達成感を教えてくれたことで今回のチャレンジになったとのことで、本業も忙しい中チャレンジされました。今回の書籍は単なるExcelテク本ではなく初心者でも使われるダッシュボードを作れる本です。Excelで見やすいスタイリッシュなダッシュボードを作ることができると、BIツールを導入せずExcelしか使用していない企業もわかりやすいデータ管理ができるのでとても便利そうですね。

一口にダッシュボードといってもダッシュボードを作るためにはたくさんの知識が必要なので内容も盛りだくさん、文字だけだとどうしても見づらくなるため図もたくさん入れることで見やすい書籍を目指しました。私自身文字ばかりだとどうしても書籍の理解が難しいときがあるので、図や絵がたくさんあると理解が深まりやすいと感じます。

企画書はすんなり通った後実務が忙しくなり、9月中にはほぼ手を付けられない状態だったのだそうですが、そこであきらめずに成功できる方法を探し執筆をやりとげるのがponponmikanさん、まずいと時点で自身でもくもく会を開催し「はじめに」を書き終えました。そこで安心してしまい、最後に怒涛の原稿作成をして完成させたそうです。話を聞いているだけで書籍を継続して執筆する難しさを感じました。

そんなponponmikanさん表紙もiPadで作られたということなので、表紙も内容も完全に自作になっています。

ponponmikanさんのさらにすごいところは、広報上手なところで、書籍の広告動画を作成したところX(旧ツイッター)でプチバズり!インプレッションが4.8万件ほどあり反響もあったのだとか。当日刷り上がった書籍を見たときは感動で涙だったそうです。販売だけでなく販売前の事前準備も万端だったため、売り上げも好調でなんと増刷が決定しました!

そんなponponmikanさんの著書はこちらから

無料ではじめるスマホアプリで作業現場効率化 古谷さん

続いて作業現場で日々作業に従事される古谷さん。元々作業現場では作業する前に危険予知活動表という書類を作成します。しかし手書きで書くと5分~10分程度かかります。5分~10分だと、そのルーティン業務をやってしまいそうになりますが、古谷さんはその活動表自体をGlideを使いアプリを作成されました。そうすると作業前のルーティン業務の時間が大幅短縮したそうです。

アプリの仕組みとしてはスマホで入力したものをスプレッドシートが処理をして印刷をするという仕組みなのだそうですが、難しい仕組みにすると現場でエラーが出た際に変更する際にPCが必要となってしまうため、システムをなるべくシンプルにするようにしたそうです。スマホを使って入力するというシンプルな構造は機械があまり得意でないと思っている人にとっても使いやすだろうなと感じました。

アプリの概要としてはGlide・使用のハードルが低いスプレッドシート・GAS(GoogleAppsScript)も自動化のみの使用といたってシンプルなものです。アプリを作るというとハードルが高く感じますが、その3つでアプリが作れるとなってくるとハードルが下がって自分自身にでもできそうな気持ちになってきました。

しかしながら会社の方としてはアプリは使いたいけど自分自身でアプリを作ることは難しいといわれてしまったのだとか。私自身も会社の中で経験したことがありますが、なんともいえない気持ちになりますね。そういったときにアイデアが見つからない・自分にはできない等言ってチャレンジを諦めてしまう人がいますが、古谷さん曰くアイデアは探す必要はなく日常の中で困ったことや、こうなったらいいなって思ったことがアイデアになるのだとか。

普段から日常の困ったことや要望に対してアンテナを張っている古谷さんだからこそ、この書籍をかけたんだろうなって感じました。私自身普段からアイデアが浮かばないなど考えてしまうので日常の困ったことにもう少し目を向けて、こうやったらどうなるんだろうって考えてみるようにしようと思いました。

そんな古谷さんのアイデアを形にした著書はこちら

ラズパイとFlaskでつくる!Webアプリ開発入門 hagyさん

hagyさんの著書は簡単・無料・手軽がコンセプトです。書籍を読むことでラズパイの設定・開発するWebアプリ・公開方法のいずれも簡単にできる方法を厳選・解説することで挫折することなく学習できます。

またラズパイとおまけで使う電子部品の購入品以外すべて無料で追加費用の発生もありません。さらには開発環境構築から公開まで複雑な準備・手順は一切ないため新しいWebアプリの開発・公開もすぐにできます。

Web開発って難しいっていうイメージがありましたが、ラズパイとFlaskで作るとできるのだそうです。ラズパイとおまけで使う電子工具以外はお金がかかりません。何かを学ぶときにコストや時間がネックになることが多いと思うので、簡単・無料・手軽というのは取り組みやすいなと感じました。

noteでもwebアプリの記事を投稿されています。私自身もプログラミングスキルを勉強する際にいろんな方のブログをみたので、こんな風に記事になっているのはありがたいです。

後半は技術同人誌を出して考えたことについてお話されました。hagyさん自身が感じたメリットとして、自分自身の学習したことへのアウトプットが会社ではないところで収入を得ることができたということが大きな自信につながったそうです。

確かにリスキリングで身に着けた内容が書籍になり、さらにはそれが収入につながるというのは私としても魅力的だと感じました。会社のためにといってもなかなか自分事にはなりづらいですが、その内容が自分のリターンになれば様々なチャレンジが生まれ多様な働き方につながりそうです。

ノンプロ研の中ではアウトプットをリターンにする機会がたくさんあるので今後も自分への投資としての学習とリターンとしてのアウトプットを続けていくとのことで締めくくられました。

そんなhagyさんの著書はこちら

技術書典の終了まであとわずか!

是非まだご覧になってないかたはブースの方をチェックしてみてくださいね。

技術書典のポストまとめはこちらからご覧いただけます。

本定例会はYoutubeにもアップされています。

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この記事を書いた人

たかまい

ノンプロ研所属
二児の母
趣味は編み物と英会話