2023年7月、大阪市でノンプロ研主催のイベントが開催されました。以下、Yoshiさん執筆のイベントレポートとなります。
2023年7月26日に三和建設株式会社様「ひとづくりホール」をお借りし、デジタルリスキリング入門出版記念ツアー【大阪】大阪Day1「~実例から学ぶ~リスキリングから始める建設DX」が行われました。
このイベントはノンプロ研でもご活躍されているえばたさん、加藤さんが中心となって開催されている『関西建設業界合同勉強会』(KKB)からも多数ご参加いただき、大盛況なイベントでした。
なお、当日の様子は以下のTogetterにもまとめられておりますのでそちらもぜひご覧ください。
挨拶
イベント開始の挨拶はノンプロ研のチーム関西も強いリーダーシップで引っ張っている加藤さん。
加藤さんからノンプロ研ではおなじみの始まり方であるアイスブレイクの説明があり、各テーブルでの緊張が少しほぐれ、リラックスした雰囲気となりました。
高橋さん『リスキリングから始める建設DX』
1人目の登壇者は高橋さんです。
「リスキリングとは?」高橋さんからの問いかけで始まりました。
大半が知らないとの回答でしたが、私自身、リスキリングを説明できるかどうかの問いかけには自信がなく、知っていると本当に言えるのだろうかと自問してしまいました。
続けて「今後どのような変化が起こるのか?」高橋さんは問いかけます。
私たちの社会環境はどうなっていくのか?
タボス会議の「仕事の未来レポート2020」から労働の自動化により大きく変わっていくことが予想される。さらにはAIの急速な進化・普及により革新的に劇的に変化していることを指摘。また働く人材についても、労働者人口は今後激減していきます。そのうえ建設業界では有効求人倍率も他の業界に比べ高く求人が難しい状況です。
ではどうすべきか?
『デジタルを活用し生産性の向上と新規事業の創出拡大を目指そう』と高橋さんは言います。
その事例としてフロントワークスさんのDX化事例を紹介してくださいました。
素晴らしい取り組みの紹介でしたが、最も高橋さんが伝えたかったことは
「DXをしたくてしたわけではない」。
フロントワークスさんが最も実現したかったことは「課題を解決すること」。
「課題を解決する手段がデジタルだった」のです。
自社の課題を明確にし、解決する方法を検討することこそ重要であると。
そして多くの場合課題を解決する方法はデジタルで解決できるともお話いただきました。
次に小規模企業ほどDXが進んでいないのはなぜなのかを日本の組織や文化の特徴から分析します。そのうえで我々がデジタルを活用し、DXを推進していくためには「戦略」が必要であり、リスキリングをはじめる前にリスキリングに有利な状況をつくることが必要だと高橋さんは強く勧めます。
最後は『それぞれが行動を起こすことでよき「働く」の未来を迎えましょう』とモチベーションをあげる言葉で締めくくられました。
斎藤さん・newのーちゃん『測建の取り組み』
2番目の登壇者はノンプロ研メンバーの斎藤さんとnewのーちゃんです。
デジタルとは全く無縁だったという斎藤さん。
デジタル知識を身につけなければ…と思いながらもどこから手を付ければいいのか?
1人では進まず、誰か一緒にやってくれる人を探していたところnewのーちゃんが手をあげてくれたそうです。
(ちょうどこの時三和建設さんの一斉清掃アナウンスがディスプレイジャックし会場が笑いに包まれました)
ノンプロ研での講座を受講してもなかなか進まず、ご苦労もあったようですが、一緒に学べる仲間がいたことがリスキリングを進めることができた一番の要因だと斎藤さん。
そして社内でも顕著な変化がありました。今まで紙で管理していたことがデジタル化することで素早く必要な情報にアクセスできるようになったこと、情報を共有できるようになったことなど改善が目に見える形で出現したそうです。
newのーちゃんは作業の時間が大幅に短縮されたことで、社内の様々な業務を見直したり、アイデアを出したりということができるようになったそうです。
最後にデジタルで会社が変わったことを実感されている斎藤さんが一番伝えたいことは「まずはやってみる!」こと。やってみることで色んな事が変わるのだと斎藤さんは言います。
そして様々な障害があろうとも変化することを恐れずにとnewのーちゃんは言います。
「一緒に学べる仲間を作り、共に学んでいこう!」と仰っていました。
『関西建設業界合同勉強会』(KKB)の取り組み
次は『関西建設業界合同勉強会』(KKB)の取り組みをえばたさんとわたなべさんが発表します。
まずはえばたさん。
膨大なコピペ作業で心がすさんでいたえばたさんを救ったのは高橋さんの「Google Apps Script完全入門 」だったそうです。GASで業務の自動化をすすめることができたえばたさん。順風満帆のようですが、落とし穴が。自分しかメンテナンスできないシステムが増えることや周りにデジタル化が浸透しないことに危機感を持ったそうです。
その時救世主が!
かとうさん、花田さんらのノンプロ研メンバーと出会うことができ『関西建設業界合同勉強会』を立ち上げることができました。自ら学んで能動的に学習できる勉強会を作ることができたそうです。
社内でもこの勉強会に参加したメンバーによって大きな変化が生まれたそうです。
えばたさん自身もこの勉強会で多くを学ばれたようで、
幸せなリスキリングに必要な2つのこととして「仲間の大切さ」「組織の理解と応援」をあげられました。この2つがあったからこそ今の私があるのだとえばたさんは言います。
そして「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」というアフリカのことわざで仲間の大切さが伝わりました。
次はわたなべなつみさん。「この1年の私と会社の変化」というタイトルでの発表です。
まずは衝撃的(笑撃?)な事実から。
なぜ勉強会に参加したのか
理由は「誘われたから」。実はそれほどやりたかったわけではない。とのこと。
ですが、勉強会に参加し、自身に変化が起きたそうです。
関数が楽しくなり、頼られることで自信もつき、無駄な作業を見分けられるようになり
業務に工夫をすることができるように。さらには自分の業務へのコスト意識が高まるようになり、短い時間で今までと同じ業務を行うようにするにはどうすればいいかを考えるようになったそうです。
会社の変化はどうなのか?
部署間の連携ができるようになった。各部署で困っていることや工夫していることなどが共有できるようになったことを実感できているようです。
この勉強会のおかげで社内DXが急速に進んでおり、全社的に改善の意識が高まっているようです。
わたなべさんも仲間の重要性を訴えます。
困ったときに聞ける仲間、一緒に頑張れる仲間がいたからこそ今の自分がある。
この環境に感謝していると語りました。
懇親会
懇親会では互いの会社での取り組みの情報交換が活発にされていました。
建設業界向けのイベントだったため、同じような悩みをお持ちの方が多かったようにも思います。同じ業界だからこそ分かり合えることも多いのですね。
振り返り
DXやリスキリングはなぜ必要なのか?明確に説明できるでしょうか?
ぼんやりと必要性は感じているけど、きちんと言語化できていないことに気づきました。
そしてリスキリングを実践するためには戦略がとても重要になってきます。
特に日本はハイコンテキストな文化があり、変化を受け入れにくい場合が多い。
その場合闇雲に行動しても成果につながらず孤立してしまいがち。そうならないようになぜ学ぶのか、どう学ぶのかなど戦略を立ててリスキリングをすすめることが重要だというメッセージを受け取りました。
そして各社の実例では共に学べる仲間の重要性をどの登壇者も語っていました。
自身の経験から仲間がいるからこそ、ここまでできたんだという感謝の気持ちがあるのでしょう。そして登壇された皆さんからは学ぶ楽しさと学ぶ仲間になってほしい。一緒に学ぼう!今を変えよう!という熱い気持ちが伝わりました。
一緒に学ぶ仲間がいればできることは多いということは私もノンプロ研で実感しています。
このイベントで共に学ぼうという方が一人でも増えることを願っています。
『早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け』
『それぞれが行動を起こすことでよき「働く」の未来を迎えましょう』
最後に登壇してくださった高橋さん、斎藤さん、newのーちゃん、えばたさん、わたなべなつみさん、イベントの準備に携わってくださった皆さん、そして参加してくださった皆さん、ステキなイベントを開催してくださり本当にありがとうございました。