「リスキリング」についての定量調査を解説します

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「リスキリング」についての定量調査を解説します

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、「リスキリング」についての定量調査を解説しますです。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

リスキリング

先日、7/21にパーソル総合研究所から「リスキリングとアンラーニングについての定量調査」というレポートがあげられました。

前回は#48 「アンラーニング」についての定量調査を解説をします でアンラーニングについて解説したので、その続きでリスキリングについての部分を解説していきます。

リスキリングとは

まず、リスキリングとは何か、というところなんですが、リクルートワークス研究所の定義をお借りすると、「新しい職業に就くため、あるいは今の職業で必要とされる大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得するもしくはさせること」と定義されています。

簡単に言うと新しいスキルを学び獲得することですね。

わかりやすいところでは、社会人大学院に通って新たな分野の学びを得るというものがあります。例としては少ないですが、僕の周りでもチラホラ増えてきてるな思います。

あと、僕がやっていることはまさにリスキリング支援の活動になります。

学習コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会(通称ノンプロ研)」や書籍・ブログなどを通して、ノンプログラマーの皆さんにプログラミングスキルを身に着けていただくというお手伝いをいているんですね。この、プログラミングスキルを身に付けることがリスキリングになります。

最近、リスキリングは随分トレンドになりつつあるなというのを感じています。

たとえばソニーグループ、キリンホールディングスなど主要企業が、経済産業省と金融庁の支援を受け、リスキリングに関する協議会を設立するというニュースがありました。

また、経済産業省の「未来人材ビジョン」という報告ががかなり話題を生みましたが、それをはじめとして人的資本投資にかなり注目が集まっていて、そのひとつの打ち手として「リスキリング」が注目を浴びているなというのを感じています。

リスキリングの実態

リスキリングに関してパーソル総合研究所の調査内容についてみていくと、リスキリングの経験がある人は3割程度、デジタルリスキリングに限って言うと2割ほどとなっています。さらに習慣的にリスキリングを行なっている人は3割弱という実態でした。

年代別にみると、40代以上の女性で年齢とともに大きく減少するという傾向がみられました。これはアンラーニングの傾向と似ているなと思います。

業種別リスキリングマップ

興味深かったのは業種別のリスキリングマップです。

情報通信業、教育学習支援業、金融保険業などがリスキリングが多いと報告されています。

医療福祉業は中央、建設業はやや少ないみたいなマッピングです。

職種別リスキリングマップ

職種別では、IT技術職、企画マーケティング職、営業推進・営業企画、クリエイティブ職はリスキリングが多い。

事務・アシスタント(総務人事経理職を除く)、営業事務・営業アシスタント、建築土木技術職、飲食接客、販売職はリスキリング経験が少ない。

業種というよりは、職種のほうがけっこう深刻だなと思いました。

業務や営業などのアシスタント職は、ノンプログラマー向けのプログラミングでいうとリスキリングの効果が高そうな印象なんですね。

今回は正社員が対象になっているので、非正規だからリスキリング機会がないというわけではなさそうなんです。アシスタントの方たちのリスキリング機会が、そもそも職種によって少ないという現象が起きているなあということなんです。

もう一つ、建設土木技術職、接客など、いわゆる本来デスクにいないフィールドワーカーのみなさんは外に出て仕事をするのが基本なので、リスキリングのための学習時間の確保が難しいのかもしれません。

こういった職業のみなさんは今でも人材不足だという話をきくのに、リスキリングの格差がどんどん進むと、より人材確保が厳しくなるのでは?と思います。

フィールドワーカーへどうやってリスキリングしていくのかということは、大きな課題になってくるんじゃないかなと思われます。

学びの特性

報告の中でリスキリングと強く結びついている学びの特性が3つあげられていました。

  1. アンラーニング
    (修羅場、越境的業務、新規的業務など限界認知経験と、変化抑制意識を抑えること)
  2. ソーシャルラーニング
    (周囲の人を巻き込んで学ぶ、職場外学習体験など)
  3. ラーニングブリッジング
    (仕事に学んだことをつなげる、学び同士をつなげるという特性、ブログを書くなど学習記録が関係しているそうです)

企業としては、リスキリングを促進するには、ただOff-JTの機会を用意するだけでは不十分ということを意識すべきだなと思いました。

外部講師や動画で知識とスキルだけを詰め込んでも、周囲の仲間や職場外の人たちと学習する機会を設けたり、仕事につなげる機会がなければ意味がなくなってしまうんです。

これは、僕が学習コミュニティ「ノンプロ研」でも強く感じていることで、孤独だと効率が悪く、モチベーションも維持しづらい、挫折しやすいといった傾向が見られます。

仲間といっしょに学ぶことはさまざまなメリットがあると思うので、職場の中で学習することがあたりまえだったり、みんなで学ぶ雰囲気ができてくるのがいいんじゃないかなと思いました。

仕事に学んだことを活用するためには、職場環境の整備も必要です。学びをもって新たな取り組みを歓迎すべき、必要なソフトは使えるようにしないといけない。

研修とか学びの機会をあたえても、現場であれダメこれダメでは、学んだ意味がまったく生まれないので、そのあたりの整備もあわせてすすめていくのが必要なんじゃないかと思います。

一方で個人の視点でいうと、リスキリング習慣は大きな武器になるんじゃないかなと思います。

企業の支えがこれから増えていきそうなので、それがあれば言う事なしですが、残念ながらそうでないときもあります。

調査からも、越境、ソーシャルラーニングなど複合的な学びの体験が有効と言われているので、それが得られるノンプロ研のようなコミュニティは、アンラーニングにもリスキリングにも大きな助けになるということがいえるんじゃないかなと思います。

ぜひそのような機会をとらえて活用していただければと思います。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「「リスキリング」についての定量調査を解説します」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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