「アンラーニング」についての定量調査を解説します

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「アンラーニング」についての定量調査を解説します

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、「アンラーニング」についての定量調査を解説しますです。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

「アンラーニング」についての定量調査を解説します

リスキリングとアンラーニングについての定量調査

先日、7/21にパーソル総合研究所から出された「リスキリングとアンラーニングについての定量調査」についてお話をします

リスキリングとアンラーニングについての定量調査 – パーソル総合研究所

この報告の調査はとても良くできています。今日と明日の2回に分けてじっくり解説していきます。

第一弾として今日はアンラーニングについてお話します。

アンラーニングとは何か

調査の中で、2011年の松尾先生による定義を使用しています。

「個人が自分の知識やスキルを意図的に棄却しながら、新しい知識・スキルを取り入れるプロセス」

ただこれだと、ちょっと分かりづらい気がします。

調査内の自由回答を見る限り、具体的な例としては

  • 報告の仕方や指示の出し方を変える
  • マニュアル整備する
  • 話し合いの機会を増やす
  • 早めに出社するようにする

など、仕事の進め方や考え方、ルーティンなどを何か変えたということで、アンラーニング実施となっている模様です。

調査について見ていきます。

アンラーニングの実施は49.8%が実施しているということです。

半分の人がアンラーニングしてるんだ、というと、多いねとかいいねとなりそうですけど、仕事やその考え方の変更の実施という視点でいうと、逆に言うと残りの半数は何も変えていないということなんですね。

これだけ変化の激しい時代で、かつコロナ禍などもあって、よくやってこれたなという気もします。

表層的・深層的なアンラーニングの実施率

ちょっと面白い分析で、この報告ではアンラーニングを表層的・深層的に分類してその実施率も見ていたりします。

たとえば、仕事の計画、仕事の手続きや方法といった表層的な内容が28%前後の実施でやや高めです。一方で、顧客ニーズについての考え方や信念、意思決定のプロセスや方法といった深層的な内容は24%前後でやや低めです。

さらに年代別で見ると、20代が男女ともに5割以上で高い推移をしていて、年齢を重ねるごとに低下していきます。女性は40代でガクンと落ちるという報告がされています。

これに関しては後述する「限界認知経験」が関係してきそうです。

調査では、アンラーニングを促進する要因として限界認知経験が、阻害する要因として変化抑制意識が関係していると報告しています。

限界認知経験

限界認知経験とは、仕事の限界を感じることです。

たとえば大きなトラブルや事業の撤退などといった修羅場、転勤や転職・他部署との共同プロジェクト、副業・兼業などといった越境的業務、新規事業・プロジェクト関連業務が限界認知経験とされていて、それがアンラーニングを促進しているということです。

変化抑制意識

一方で、アンラーニングを抑制しているものとして、変化抑制意識というのがあります。

文字通り、変化を起こすことを負荷になると予想し、現状維持を選ぶ心理です。

当然ながら変化抑制意識はアンラーニングを抑制してしまいます。

この変化抑制意識は、アンラーニングだけでなくリスキリング、縮小的な仕事意識(仕事について深く考えない、やりがいや意味を見出さない)、ワークエンゲージメントにネガティブな影響を与えるそうです。あらゆるところで悪さをします。

さらに、仕事が多忙・緻密・単調で、年功序列組織であったりすると、変化抑制意識が高いとのことです。

アンラーニングを促進するための3つの施策

報告書はアンラーニングを促進するための3つの施策を提案しています。

  1. 挑戦を共有する(組織目標・ビジョンの明確化、上位層の発信→変化についての負荷を感じる意識をスポイルする役割)
  2. 経験を開く(従業員に対して越境的、新規だったりストレッチした経験を与える)
  3. 報酬を与える(変化に対する報酬やポストなどの見返りを用意する)

この3つの施策は非常に明確で、納得感もありますし、効果がありそうです。

経営の上層部に関わっている人は、ぜひ参考にされると、アンラーニングが推進されると思います。

ただ、特に中小企業の場合、そもそも仕事が忙しすぎるとか、業務が自身に属人化してロックしているなどのときは、経験を開く足かせになりかねないので、そこの解消が重要です。

個人としてのアプローチでいうと、2の経験を開くが中心になります。

経験を開くというところで、希望を出して、できるだけ新規関連の仕事だったりとか、挑戦的な業務に携わっておくというのは大事です。社内でなくとも副業とかコミュニティに属して越境的に活動をするというのは良さそうです。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「「アンラーニング」についての定量調査を解説します」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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