DXするなら「Dの前にX」!九州DX未来会議で語られた5つの成功事例

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DXするなら「Dの前にX」! 九州DX未来会議で語られた 5つの成功事例

みなさん、こんにちは! タカハシ(@ntakahashi0505)です。

先日、「九州DX未来会議」というイベントに参加してきました。

福岡、佐賀、大分でのDX成功事例を一挙に知り、学ぶことができる素晴らしいイベントでした。

今日は、「DXするなら「Dの前にX」!九州DX未来会議で語られた5つの成功事例」と題して、その学びをみなさまにも共有したいと思います。

では、行ってみましょう!

九州DX未来会議とは

九州DX未来会議」とは福岡、佐賀、大分で地域企業のDXを支援する団体・コミュニティであるOne Kyushu DX、佐賀県産業スマート化センター、大分県地域DX推進コミュニティの共催によるDXイベントです。

各県の「熱い思い」を持つDX推進者をゲストに迎え、それぞれの取り組みや情熱について語っていただくというもの。

今回は7月26日に第1回として開催されたものです。しかも、福岡会場と大分会場をつなぎ、かつオンライン参加も可能という高度なハイブリッド開催…すごいです。

僕はOne Kyushu DXでお世話になっている流れで、このイベントを知ることができ、福岡会場に現地参加してきました。

5つのDX推進事例を一挙紹介

今回は5つのDX推進事例を発表いただきました。ひとつひとつ紹介していきたいと思います。

株式会社オートシステム(福岡)

株式会社オートシステムさんは、ワイヤーハーネス、医療機器などを手掛ける創業40年の製造業で、従業員数は国内160名、グループ全体600名です。

今回登壇されたのはコーポレートエンジニアの熊本さん。僕の数少ない糸島友達でもいらっしゃいます。

熊本さんは、2023年から社内大学オートシステムカレッジ(ASC)を立ち上げ、kintoneを中心としたデジタルスキル×DXに必要なマインドセットを学ぶ環境を整えられました。

社内の学習機会だけでなく、One Kyushu DXをはじめ社外の団体や企業との共同イベント開催し、越境学習も実践されています。

結果として、DX人材27名が誕生し、毎月15アプリが生まれているとのこと。

社内大学…立ち上げはそんなに容易ではないような気がしますが、その秘訣を今度じっくり聴かせていただきたいところです。

ヤマトカンキョウ株式会社(佐賀)

続くヤマトカンキョウ株式会社さんは、従業員数34名、佐賀市のし尿収集・浄化槽維持管理など水回りのお仕事をされている企業です。

経営戦略部のリーダーとしてヘッドハントされた西嶋さん、たった数ヶ月でデジタルツールの導入、業務のデジタル化を達成されてしまいました。

どのように推進されたのか、たいへん興味深い話でした。

というのも、「Dを捨てて、X。意識のトランスフォーメーション」を先に取り組まれたとのこと。

具体的には、従業員のみなさんの関心が高い「健康」に注目。みなさんの状態を徹底調査して、何をどう改善するか従業員といっしょにディスカッション、そして実行に移すということをされました。

この体験を通して、「変わる」は良いことと感じていただけた結果、デジタルを通して「変わる」もどんどん受け入れてくれるようになったとのことです。

旅館あけぼの(佐賀)

旅館あけぼのさんは、佐賀市の料亭旅館です。社員数20名ほど。

旅館というと宿泊中心と思いがちですが、売上の比率でいうと宿泊が1割で、飲食が9割だそうです。

代表の音成さんは、東京でマーケティングのお仕事をずっとされていて、Uターン。その後、旅館代表になられました。

当時、すべてがアナログ業務だったことにたいへん驚かれてました。

というのも、すべての記録は予約帳に手書き、すべての情報は女将さんの頭の中にある、コミュニケーションは口頭とのこと。

予約状況の確認もたいへんですし、言った・言わないのトラブルも頻繁に起こっていました。

それを受けて、音成さんは2022年から段階的にChatwork、AirREGI、マネーフォーワードといったツールを導入していきます。

そこで感じたことは、年配の中居さんたちも、「やってみたら意外にできる」ということだったそう。案ずるより産むが易しということですね。

これからの旅館として、それらのデジタルツールを使いこなした上のサービスを目指していきたいとおっしゃられてました。

株式会社トライテック(大分)

株式会社トライテックさんは、2005年創業、製鉄・土木・医療関連製造業の会社です。

オカモトさんは、たったひとりでDXを担当されていまして、孤独だったそう。

そこで、一念発起して社内でDXチームを募集してみたところ、なんと8人の方から手が挙がりました。

「会社を変えたい」「新しいことに挑戦したい」とみなさん思っていらしたそうです。これは、うれしいですよね。

DXチームでは、まずkintoneで「イノベーション会議アプリ」を作成、実証実験として使用しはじめました。

みなさんのアイデアを集めて、改善・イノベーションにつなげるためのアプリです。

運用してみたところ、23件のアイデアが集まりましたので、それをまたアプリとして実現していきました。

例として、これまでは2つの工場の工程管理をホワイトボードで管理していたものをkintoneのプラグイン「kinveni」を用いてデジタル化した事例を紹介されていました。

なかつ情報通信開発センター株式会社(大分)

なかつ情報通信開発センター株式会社さんは、中津市の第3セクターとして地域企業のシステム化、DXを支援されています。

今回、シオタさんから介護事業者のDX支援の事例を紹介してくださいました。

進め方として、ヤマトカンキョウさんと同様、「業務分析を先にした」とおっしゃられていました。

「気づきシート」を用いたワークショップを開き、従業員のみなさんとともに「ムリ」「ムダ」「ムラ」を洗い出して、その要因分析をして…ということを何度も繰り返したそう。

先にデジタルツールを持ち出したくなりますが、急がば回れの方法もありなのですね。

中小企業の成功の道のりについて考える

5つの事例を紹介してきましたが、とくに中小企業の生の成功事例は本当に知る機会が少ないので、たいへん貴重な機会でした。

マインドセットの醸成をいかにするか

今回、みなさんが共通して強調されていたポイントは、デジタルを導入し始める前の段階

デジタルを受け入れる、変わってもいい、変わりたいと思えるマインドセットの醸成をいかにするかということです。

その点、今回は3パターンに分かれるかと思います。

まずは、すでに変わりたいと感じているマインドセットの方を集めて、そこから広げていくというパターン。これはオートシステムさんの社内大学や、トライテックさんのDXチーム募集が当てはまります。

2つ目のパターンは、デジタルの前にマインドセットを変える機会を提供するというもの。ヤマトカンキョウさん、なかつ情報通信開発センターさんが該当します。

3つ目がトップダウンでデジタル導入を進めて、成功(と失敗)体験を積んでいくというもの。これは旅館あけぼのさんのパターンです。

従業員のマインドセット醸成のさらに前のステップ

いずれのパターンも、さらにその前の段階として経営陣、リーダー陣のマインドセットの醸成という段階が必要な気がします。

たとえば、旅館あけぼのさんは二代目代表として就任されましたが、いわゆる「よそもの」の視点を持っていたために、DXスタートのタイミングとしてはチャンスだったように思います。事例としても、代表の交代のタイミングはよく耳にします。

また、別の点として、一人目のDX推進者担当を見つけ、折れさせないというステップも重要かと感じます。ヤマトカンキョウさんは西嶋さんをヘッドハントしました。

オートシステムさん、トライテックさんの事例では熊本さん、オカモトさんがどこかで折れてしまったなら、振り出しからやり直しになっていたかも知れません。

それらの点に関しては今後の研究ポイントとしたいと感じました。

まとめ

以上、「DXするなら「Dの前にX」!九州DX未来会議で語られた5つの成功事例」についてお伝えしました。

九州DX未来会議は、第2回も11/15に開催が決定しているそうです。

僕もVoicyなどを用いて、これら九州のDX事例をたくさん紹介していきたいと思いました。

引き続き、みなさんがいきいきと学び・働くためのヒントをお届けしていきます。次回をお楽しみに!

この話を耳から聴きたい方はこちらからどうぞ!

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