みなさん、こんにちは! タカハシ(@ntakahashi0505)です。
パーソル総合研究所の「職場での対話に関する定量調査」では、職場で本音で話せているかどうかの実態が示されています。
まず、ビジネスパーソンのうち半分ほどの人たちが職場ではほぼ本音で話せていないという事実があります。
そして、本音で話せている組織ほど、変化抑制意識を低減させ、アンラーニングを促進する傾向があることが示されていました。
これは、対話は企業変革の鍵になりうるということを裏づけとなるものといえます。
ここまでは、以下の記事でお伝えしているとおりです。
とはいえ、ほとんどの組織では本音で話すことが難しいのが現状。
今回は、どうして本音で話せないのか、本音で話せない組織はどのような特徴を持つのか、「職場で本音を話せないのはなぜか?リスク意識を高めてしまう職場の特徴とは」と題して考えていきます。
では、行ってみましょう!
職場で本音を話せない要因
本音を話すことを妨げる6つのリスク意識
レポートでは、本音で話すことを妨げるのは、働くみなさんに6つのリスク意識が働くからだと伝えられています。
つまり、本音で話すことにより以下のようなリスクを感じてしまうということです。
- 裏切り者リスク: 組織に愛着が無いと思われそう
- 拡散リスク: 意図しない範囲に広まりそう
- 低評価リスク: 自分の評判が下がりそう
- 身分不相応リスク: 自分の立場では言えない
- 無関心リスク: 真剣に受け取ってもらえなそう
- 関係悪化リスク: 相手との関係が悪くなりそう
これらのリスクでいうと30~40代女性はすべてにおいてリスクを感じる傾向が強いとのことです。また、男性の30~40代は「裏切り者リスク」を感じやすいそうです。
6つのリスク意識を高める職場の特徴
レポートでは、これらのリスク意識を高める職場の特徴が挙げられていました。
以下のようなものです。
- 会社都合の異動の多さ
- ジョブの不透明性
- 職務の無限定性: 役割外の仕事を求められる傾向が強い
- 時間の無限定性: 時間外労働を求められる傾向が強い
- 成果重視傾向
- 仕事の自律性の低さ
- 顧客重視志向
これらを眺める限り、主体性や自律性が発揮できない、裁量が少ないほど本音を言えなくなる傾向があるというのが見て取れます。
本音で話しにくい相手の特徴
本音で話しにくい相手はどのような特徴を持つか、以下の9つが挙げられていました。
- 自分への無関心
- 正しさへの個室
- プライドの高さ
- 内容の無理解
- 型への当てはめ
- 漏洩不安
- 無主張
- 詐欺的態度
- 多忙さ
興味深いことに、「上司」に対しては上記に挙げた、本音で話しにくい相手の特徴のすべてがとても高いという結果が示されていました。
ヒートマップで示されていたが、同僚や先輩・後輩は概ねグレーだったのに対し、上司の欄は真っ黒でした…
すべての上司がもともとの性質として、これらの特徴全てを兼ね備えているとは考えづらいので、上下関係に立たされると、そのような特徴が出てきやすい、もしくは感じられやすいということなのでしょうか。
いずれにしても、上下関係は本音での話しやすさを大いに阻害しているようすがうかがえます。
多くの1on1がうまくいかないのは、こういうところにも原因がありそうです。
本音への関心が高いほど本音で会話をする
最後に、本音でコミュニケーションすることへの関心度合いと、実際に本音でコミュニケーションする割合についての調査結果を紹介します。
以下のような傾向が示されました。
- 自己の本音への関心が高いほど、本音で会話をしている
- 他者の本音への関心が高いほど、本音で会話をしている
何らかの方法で、自己の本音や他者の本音への関心を高めることは、本音で話すことを後押ししそうです。
本音で話せる職場にするために何ができるのか
組織としてできること
これらの結果から本音で話せる組織にするために何ができるのか考えていきたいと思います。
まず、組織として、本音で対話しにくい特徴をなくしていくという動きができます。
主体性や自律性が発揮できず、裁量が少ないほど本音で話せない傾向にあるので、それを開放していくのがひとつ。
また、上下関係はかなり影響を与えていそうでした。その影響をすべてなくすのは難しいように思いますが、支配的リーダーシップの傾向が強いのであれば脱却するのは有効のように思います。
さらに、心理的安全性の確保もしておきたいところです。裏切り・関係悪化・低評価などといったリスク意識は、心理的安全性のある組織では感じづらいでしょう。
しかし、前回お伝えしたとおり、経営層や事業部長など上の人ほど、本音で会話することは「うまくいっている」と思いがちという問題がありました。
それであれば、会社の仕組み、制度、文化を変えるということをしなくてよいと判断しているという懸念があります。
従業員としてできること
では、従業員としてできることは何があるでしょうか。
調査から見えてくるのは、対話に関心を持てるようにしておくということが挙げられます。
その手段はいくつか考えられます。
ひとつはサードプレイスへの参加や越境です。対話ができる場所に参加することにより、そこで自身・他者への本音に関心を持てるように磨いておくという作戦です。
もうひとつは、社内に対話ができる領域をつくるということです。勉強会やサークルさんど非公式なコミュニティをつくる、対話に特化した機会を設けるなど、通常の上下関係が影響を及ぼさない対話の場を定期的につくるというのも良さそうです。
みなさんの職場でどうすれば本音で話せる、対話の機会を増やすことができるのか、ぜひ考えてみてくださいね。
まとめ
以上、「職場で本音を話せないのはなぜか?リスク意識を高めてしまう職場の特徴とは」についてお伝えしました。
引き続き、みなさんがいきいきと学び・働くためのヒントをお届けしていきます。次回をお楽しみに!
この話を耳から聴きたい方はこちらからどうぞ!