2023年8月6日、香川県高松市でノンプロ研主催のイベントが開催されました。以下、カワムラさん執筆のイベントレポートとなります。
7月20日、ノンプログラマーがITスキルを学び合うコミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」主宰の高橋さんの著書『デジタルリスキリング入門』が出版されました。
その出版を記念して、8月6日に香川県高松市・宮脇書店総本店さんにてイベントが開催されましたので、その様子をご紹介いたします。
なお、当日の様子は以下のToggetterにもまとめられておりますのでそちらもぜひご覧ください。
今回のイベントはノンプロ研メンバーのご尽力で高橋さん初の書店開催イベントが実現しました。またなんと店内には『デジタルリスキリング入門』はじめ高橋さんの書籍、及びノンプロ研メンバーが執筆した書籍が陳列された「ノンプロ研特設コーナー」が設けられておりました!
前半:高橋さん講演 「これからどうする?私のスキル」
イベントの前半は高橋さんの講演スタイルでした。
テーマは「これからどうする?私のスキル」。
まずは「リスキリングとは何か?」からの解説。
リスキリングという言葉、昨今よく見聞きするワードですが、何となく分かっているようでも他人に説明できるほどではないですね…これを機会に理解したいと思います。
「技術や社会が進歩すると、生まれる仕事・失われる仕事が出てくる」というのは正にその通りですね。特に昨今のIT技術の進化は目覚ましいと感じます。
技術革新のスピードに比べ、学ぶ速さが追い付くのだろうかと不安に駆られます。
続いては「リスキリングは誰が主導して取り組むべきか?」について考えます。
「リスキリングに関する企業の意識調査」 による企業のリスキリング取組状況をみると「3-4割の企業は特に取り組んでいない」とのこと。
そして人生100年時代と言われる昨今においては、定年後もまだまだ働く必要がありそうですので、これはやはり個人がそれぞれ主体的に取り組まないといけなさそうですね。
次に「リスキリングを続けるモチベーションはどのように保つか?」について。
マズローの「欲求階層説」という考え方に基づき、参加者に「あなたはどれだけ『自己実現への欲求』が充足されていますか?」のセルフチェックがありました。
この「充足度」を把握することにモチベーションを保つ秘訣があるようです。
次に「リスキリングをうまく進めるにはどうすればよいか?」。
ここではノンプロ研のプログラミング学習活動を例にとり、学習における挫折はどのように起こるかについて分析します。
プログラミングを学ぶ私にとって「あるある」ばかり…実感できる話が多かったです。
高橋さんは「リスキリングをはじめる前に、まずはリスキリングに有利な状況をつくりましょう」と説きます。
そのあたりは著書に詳しくあるので是非読んでみて下さい!
最後は「なぜデジタルスキルを学ぶのか?」についての考察。
現代のあらゆる職場においては、デジタルスキルの向上は避けて通れない課題です。
とはいえどこから手をつけてよいのかが分からないと悩んでいる人も多いと思います(私もです)。
高橋さんは「コンピュータが得意とする『転写型』の業務はプログラミングに任せ、浮いた時間で新たに『学習』しましょう」と話します。
確かにその好循環が回ると、学ぶことも楽しく感じられそうだと思いました!
後半:参加者の質問に答えるコーナー
後半は参加者が配布された付箋に質問・疑問・悩み・感想などを書き込み、高橋さんがそれに答えていくコーナーです。
幾つかのやりとりを紹介します。
質問:職場に「学ぶことの楽しさ」を広めるには?
高橋さん:私は主にインターネット—SNSやブログ、Voicyなどで「学ぶことの楽しさ」を発信していますが、それらの方法で全ての人に届くかというとそういうわけではないんですね。今日のようにリアルな場で話して伝えるということも重要だと考えていて、今日集まって頂いたみなさんが職場などに持ち帰って話を広げて頂く、という「半径5メートルの輪」が順々に広がっていくのが良いのではと今は考えています。
質問:リスキリングのスピード感はどれくらいのものでしょうか?
高橋さん:IT技術の向上により、我々が学ぶ範囲は日々拡大しています。ただし人間がキャッチアップできる限界はあり、私もすべてをカバーできてはいません。沢山の選択肢から取捨選択が必要ですね。
質問:職場で一緒にリスキリングするきっかけたつかめず悩ましいです
高橋さん:2つの方法があります。ひとつは、開催者が当初から沢山の熱量を注いでスタートするスタイル。もうひとつは、ミニマムなことから少しずつ始めるスタイルもよいでしょう。例えばショートカットキーを3つずつ覚えるなどを繰り返し、小さな成功体験を積み重ねるのも有効です。
他にも生成AIに関する質問や、「『リスキリングとは』について考えると、会社員の定年という概念がなくなってしまうかもしれませんね」という感想を頂きました。
2時間のイベントはあっという間に過ぎました。
四国の多くの書店さんからこの書籍が沢山の方の手に届きますように….