2022/07/21に ノンプロ研定例会第66回「ノンプロ研インストラクション講座から学ぶ~ちゃんと成果を上げる社内研修のつくりかた」が開催されました。
前の記事では、イベント前半の「研修の実際とノンプロ研の実績」「インストラクショナルデザインとは」についてお伝えしました。本記事では、イベント後半の「インストラクション講座の紹介」「インストラクション講座の先に目指すこと」を記載しています。
IDのノウハウを詰め込んだインストラクション講座
「誰もが効果的に教える」を可能にするインストラクショナルデザイン(ID)。
そんなIDのノウハウやこれまでのノンプロ研での知見を詰め込んだ講座がインストラクション講座です。今春開講してすでに2期が開講済みです。
講座のゴールは「講座をラクにスマートに開発し効果的に教えるられるようになる」こと。講座の宿題をすべて終えていただくと、講座が完成するように構成されています。
講座の各回の内容はこのようになっています。
第1回『イントロダクション』では、「なぜ講座で学ぶのか」「インストラクショナルデザインとは」を取り上げます。巷には対面授業のほか、オンライン受講や動画視聴がありますが、「他者関与がある講座」と「他者関与のない動画視聴」では質が全く異なるということや、「関与するなら何ができるか?」という話をします。
第2回『学習のメカニズムと原則』では教育工学や心理学などの学術的な知見を盛り込み、学習とはどのようなメカニズムで成り立っているのか理論的な話をします。
第3回『講座づくりのプロセス』から具体的な講座づくりの話になります。インストラクショナルデザインにおける「講座づくりのプロセス」モデルを紹介したり、評価分析方法をについてもご紹介します。
第4回『空間と時間の設計」で研修の設計方法について、学習者を含む「空間」と、いつ・どのタイミングで何をすべきかの「時間」の設計についてお話します。
第5回『メインアクティビティとカリキュラム』では研修のカリキュラムの作り方と、そのカリキュラムをどのように教えていくか、受講生へどのようにアプローチしていくかなどについて取り上げます。
最後は卒業ライトニングトーク(LT)大会です。高橋さんは(インストラクション講座の紹介ではありますが)「(みなさんが)講座を開催されるならLTは絶対やったほうが良い」「やらない理由はない」と力説されていました。
この卒業LTがあることで講座の最初からアウトプットしようという気になりますし、緊張感があることで学習効果も高まります。また、プレゼンを観た人から応援してもらうことで、発表者・聴衆が学習共同体となって高い学習効果が得られるそうです。
インストラクション講座の先に目指すこと
最後に、インストラクション講座の先に、どんな未来を実現したいのかをお話されていました。
ノンプロ研は学びたい人が集うコミュニティですが、それぞれが学んだあとは、メインで所属する職場や組織などのホームへ持ち帰り、教える立場になることで、より多くの人が効果的に学ぶことができます。
インストラクション講座は、そのような「ねらい」があって開講されたそうです。
実際、インストラクション講座を受講された方の活用事例も上がってきており、合同の勉強会を実施されたり会社での実践報告も来ているそう。
関西の建設会社3社による関西建設業界合同勉強会では、インストラクション講座を受講してくださったお二人が学習の場を作ったり、カリキュラムの作成を手掛けているそうです。
また、社内でGAS講座を開催したというお声も。もともとノンプロ研のスライドは自由に使用可としていたそうですが、スライドを使うだけではなく、TAを設置したり、事前課題を設けたりと、学習効果をより高めるための環境設計を盛り込んで開催され「うまくいきました!」との報告があったそうです。
冒頭では人材育成の厳しい現状の話がありましたが、インストラクショナルデザインによって効果的に教える場を創ることで、この現状を突破できるかもしれません。
最後に高橋さんは「インストラクション講座が開講しましたが、これからもたくさんの学びの場が生まれるよう、アクションを起こしていきたい」と意気込みを語り、締めくくられていました。
なお、次回のインストラクション講座は9月開講で、仮申込を開始しています!
また、人材育成を担当されている人事パーソン向けに、イノベーション人材育成として現在注目されている越境学習支援プロジェクトと、インストラクション講座のセットも2社限定で提供しています。
インストラクション講座をご受講いただくことで、ご自身が「効果的に教えることができる」人材となり、社内の人材育成を加速していただく狙いでセットにしています。ご興味ある方はぜひ参加されてみてくださいね。
お知らせ
本イベントの当日の動画はYoutubeでも視聴できます。こちらからご視聴ください。
次回のイベントは、本イベントでも言及されている「関西建設業界合同勉強会」を取り上げます。ぜひご参加くださいね!