ノンプロ研定例会「すごいぞ!スプレッドシート」イベントレポ#3「関数アップデート情報」

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仕事にはなくてはならない存在のスプレッドシート。
しかし、その機能の豊富さから、スプレッドシートの真の力に気づかないビジネスパーソンも多数いるはず…。

ノンプロ研3月定例会では「すごいぞ!スプレッドシート」と題して、ノンプロ研を代表するスプレッドシート猛者の3名の方に、その真価について語っていただきました。このイベントレポートでは前々回、前回に引き続き、当日の様子をお伝えします!

えばたさんの発表の記事はこちら
カワムラさんの発表の様子はこちら

本記事ではTaitoさんの発表をご紹介します。

スプレッドシート関数の最新情報が満載

Taitoさんからは「関数アップデート情報」というテーマでお話をいただきました。

2021年9月にノンプロ研に入会されたTaitoさんは無類の関数好き。この日は「業務で使うかは皆様次第、今日は関数の話だけをします!」とスタートしました。

検索で便利なXLOOKUP関数

この半年ぐらいでスプレッドシート関数20個ぐらい追加されたのですが、そのなかでも重要な関数をピックアップしてご紹介いただきました。

去年の8月に以下の関数が登場しました。その中でも、XLOOKUP関数は「検索するならこれひとつでも良い」というくらい、便利な関数だそうです。

XLOOKUP関数はVLOOKUP関数やHLOOKUP関数、INDEX MATCH関数、IFERROR関数などを全部盛り込んだとも言える関数。

書き方はこのように書きます。

= XLOOKUP(検索値,検索範囲,結果範囲,エラー値,検索オプション)

VLOOKUP関数だと 検索値より右の範囲の値を出すことが難しいこともありますが、XLOOKUP関数では 検索範囲を指定すれば、右側の値も出力することができます。

また、XLOOKUP関数を入れ子にすると、INDEX MATCH関数と同じように縦軸と横軸に合致する値を検索して出力することもできます。

これまでの関数の弱点をカバーするLAMBDA関数

ここからは結構 マニアックな話になると前置きが。

「配列関数」は数式を一箇所に入れるだけで、 計算結果を範囲に展開してくれる関数です。ARRAYFORMULA関数が代表的なものとして有名ですが、SUM関数など、ARRAYFORMULA関数と組み合わせて使うには相性の悪いものもありました。

そこでこのたび、この問題を解決するパワフルな関数が登場しました。

例えば上のBYROW関数を使用して以下のように既述すれば、列に入っているそれぞれの合計値を返してくれます。

では、この中のLAMBDA関数とは何でしょうか。

かつて、アロンソ・チャーチさんという数学者 の方が 関数をλと表記し、仮引数と計算式、実引数を記載すると戻り値を返すように関数を書きましょう、と提唱されました。

簡単に言えば関数のことで、LAMBDA関数のあとは「ここから関数を書きますよ」という合図と考えると良いそうです。また、LAMBDA関数はコールバック関数と同じように「引数に関数を渡す」ことができるものになります。

実際にMAP関数でBMIを出す計算はこちら…

=MAP(C6:C11,D6:D11,LAMDA(cm, kg, kg/cm/cm*10000))

更に便利な関数と、可読性を高めるLET関数

次に2023年1月に登場した関数を紹介してもらいました。

LET関数以外は再び配列に関する関数でした。一部は 3月中旬まで ロールアップされていたそうなので最近からまた 猛烈に勉強 されているそうです。

たとえば、カンマ区切りの要素を一列に並べたい時、これまではSPLIT関数で分けたり、FLATTEN関数で一列にしたり…、と作業が多く発生していました。

それが、TOCOL関数を使うと、この一文だけで表示が可能です。

=TOCOL(BYROW(G6:G11,LAMBDA(hobbies,SPLIT(hobbies,","))),1)

また、この配列に関する関数を使えば、一セルの既述がデータの塊と同値として扱えるため、どんどんと一つのセルに詰め込みたくなってしまう病に陥ってしまうとTaitoさん。

どんどん夢中になってしまい、例えばこんなセルを生み出してしまい、他の人が読みにくかったり、自分でもあとから見たときにパッと理解ができなかったりと問題が生じてしまうようになったそうです。

そこで、これを助けてくれるのがLET関数です。LET関数は「変数宣言するための関数」です。

たとえば、セル内をこのように記載ができるそう。

これが、実際の記載例は以下となります。こちらは、「備品名」から「実数」と「帳簿数」を取得して、「実数と帳簿数の差」を出していく…という関数となります。

こうやって、だんだんセルの中の数式を改行をしていくと、プログラミングのようになって「ここまでいくならGASでやれば良くない…?」と感じることもあるそうです。Taitoさんご自身は、関数とGASのベストな利用割合は目下模索中だそうです。


以上の盛りだくさんのアップデート情報、以下のようにまとめていただきました!

関数の最新情報にはなかなか接する機会が少なく、参加者の皆さんも非常に興味深く感じられていたようです。大変便利な関数ばかりなので、機会を見つけてどんどん業務で使用してみたいですね!


本定例会はYoutubeでも当日の動画がご視聴いただけます。

当日の実況ツイートもまとめられていますので、合わせてご是非ご覧くださいね。

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この記事を書いた人

あやか

ノンプロ研在籍の二児ワーママ。ITベンチャー数社経験し、現在はフリーランス。GAS、Python学習中。趣味は読書です♪