みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、DXの秘訣がこれでもかとまとまっている北國銀行の統合報告書です。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
では、よろしくお願いいたします!
北國銀行の統合報告書
前回「クラウドファースト&ペーパーレス!北國銀行のDXの歩みとは」でお伝えした、石川県に本店を置く地銀、北國銀行のDX事例の続きをお伝えしていきます。
簡単におさらいすると、北國銀行さんは15年かけて日本初の基幹システムクラウド化、すべての取引をスマホでサービス提供、業務としても99.9%ペーパーレス化、ハンコなしの業務プロセスなどを実現してきました。
それについて具体的にどういう道のりで実現してきたか、時系列で紹介させていただきました。
今回は、どのような枠組みでDXを進めてきたかをお話ししようと思います。
これについては、北國銀行さんが自ら発行されている統合報告書というのがありますので、こちらを参考にしながらお話していきます。56,57ページにDXについてまとめられています。
大変すばらしい資料になっていますのでぜひご覧ください。
まず、「テクノロジーを活用するだけでなく、人や組織を変革し、地域社会をよりよい方向に変革し続ける」これが北國銀行のDXとして定義されています。
それをもとに実際にどのように枠組みでDXが進められてきたのか、5段のピラミッドのような図があって、上から順に社風、価値観、変革のエンジン、組織・仕組み、職場環境、この5つについて解説されています。
その解説が、DXのヒントの山というか、DX戦略そのものでお宝の山だったのでピックアップしながら紹介していきます。
社風
議論する組織風土
1番上の社風のところには「議論する組織風土」と書かれています。
「プロジェクト単位の意思決定・メンバーへの権限委譲が前提」とされていて、これはユニットを小さく疎結合にして、まさにアジャイルな、変更容易性を高めるようなユニットをたくさんつくっていきましょうということなんです。
また、「社内・社外のコラボレーション・集合知により価値創造を加速」とも書かれています。
前回お伝えした通り、Teamsを導入してオープンなコミュニケーションをするというようなところがあげられると思います。実際にトップが発信したり、役員会議を誰でも閲覧できるオープンな経営を体現することができます。
さらにコラボレーションの点で言うと、コレボレーション制度という社内副業の制度があって、これは社内の越境学習にもなりますし、それぞれの知見を移転する知見拡大にもなります。
そもそもこの議論する組織風土、社風のところには「アジャイル型組織」と書かれています。まさに変更容易性を高めるような組織を作っていこうと明言されているわけです。
変革のエンジン
続いて変革のエンジンのところを見ていきます。こちらは「人材」と「IT・デジタル化」にわかれていて、この2つが変革のエンジンとされています。
人材
例えば人材のところには、「やりたい仕事」「多様性」「プロフェッショナル」といった単語が並んでいます。こちらはざっと見ると、個々のキャリア自律を尊重しつつ専門性を高めていってほしい、というメッセージが読み取れるわけです。
別のワードでは、「序列より役割」とも書かれていて、銀行では序列を大事にするようなイメージがありますが、それを完全に否定しています。なので役割を持って率直に議論しやすい風土、変更容易性に寄与するんじゃないかなと思います。
IT・デジタル化
前回お伝えした通り、生産性向上・コスト削減を実現することにより、時間やお金などの資源を生み出していく。それを変革のエンジンに投入しているわけです。
さらにデータ活用で課題を発見したり、ITテクノロジーを使って課題を解決したり、新たな価値を創出したり、といったことをつぎつぎと実現されてきたわけです。
職場環境
ここには1つ「心理的安全」とだけ書かれています。これがなぜ必要かというと「コラボレーションの大前提」ということで、先ほどお伝えしたコラボレーションを横に横断することで知見を広げていく、みんなで集合知を蓄えていくといったことの絶対条件として存在しています。
組織・仕組み
「組織・仕組み」は、「マネジメント」「人事考課・業績評価」について書かれています。
マネジメント
ここには「支援型リーダー」と書かれています。これはトップダウンの押しつけ型ではなく、最近はやりのワードでサーバントリーダーシップなどともいいますが、メンバーが主体的に動き円滑な議論ができるように、支えるような、召使のようなリーダーシップを発揮してくださいということです。
人事考課・業績評価
こちらにも「コラボレーションの促進・推奨」という言葉があります。また、「ベストプラクティスの共有」「学習する組織」とも書かれています。
例えばユニットを小さくして、素早く意思決定と行動ができるようにしていきましょうとか、個々の多様性を尊重しつつキャリア自律をうながす、また、組織をオープンに風通しよくして、上下関係なく率直に対話ができる、それにより組織全体の集合知を高めていく。
こういったところは全体を通して「学習する組織」っぽいな、と思っていたんです。なので、そのものズバリのワードがあって、かなり学習する組織を意識してDXの枠組みを作られているなと感じています。
このモデルに通底して、前頭取・現頭取が20年間に渡って「地域のために」を掲げて改革を続けてきた、そんなビジョンがあるわけです。
ということで、この北國銀行の統合報告書DXのページに書いてある項目について、ぜひみなさんの組織と比較してみると、どこが違うか大きな学びがあるのではないかと思います。
個人的にも、企業のDXをどんどん提案していきたいなと思っていますので、非常に大きな収穫となりました。ありがとうございます。
まとめ
ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「DXの秘訣がこれでもかとまとまっている北國銀行の統合報告書」をお届けしました。
タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。
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では、また。