みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、Microsoft 365 Copilotは月額30ドル&Bing Chat Enterprise発表です。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
では、よろしくお願いいたします!
Microsoftから生成AIの2つのニュース
先日Microsoft(マイクロソフト)から生成AI関連のニュースが2つありましたので、こちらをお伝えしていきます。
「Microsoft 365 Copilot」を月額30ドルで一般提供、法人向けBing Chatも発表
Microsoft 365 Copilot月額30ドルで一般提供
1つ目のニュースは「Microsoft 365 Copilot」を月額30ドルで一般提供するとの発表でした。
Microsoft 365 Copilotというのは、Microsoft 365で使える各種アプリケーション、具体的にはExcel、PowerPoint、Word、Outlook、Teams上で、自然言語でGTP-4をベースとしたAIに指示をすることができるものになります。
たとえば、Wordのアウトラインからプレゼンテーションを自動で作ってもらう、Wordで文書の下書きを作ってもらう、Teamsで議事録の要約、Outlookで過去に受信したメールの内容を基にメールの下書きを作成をする、などのタスクをAIに依頼できるというイメージになります。
こちらに関しては、#284 生成系AIがMicrosoft 365とGoogle Workspaceにも搭載でもお話ししていますので合わせてお読みください。
Microsoft365の法人向けプランに追加
この「Microsoft 365 Copilot」ものすごい魅力的なんですが、なんと今回価格が1ユーザーあたり月額30ドルとかなり強気な金額になっちゃったわけなんです。
対象となるのは、Microsoft 365のプランである「Business Standard」「Business Premium」「E3」「E5」のユーザーになります。Copilotを使うにはこれらのプランの月額料金にプラスして月額30ドルが必要になります。
ビジネス系のプランは従業員数300人まで、特に中小企業向けとされていますが、1ユーザー当たりBusiness Standardであれば1560円、Business Premiumであれば2750円が月額でかかります。
従業員数300人以上になると大企業向けのE3かE5を使うことになるんですが、E3が月額2880円、E5であれば4750円ということなので、これに追加してCopilotの月額料金がかかってくることになります。
日本国内での販売価格はまだ発表されていないんですが、現在のドル換算だと約4200円追加してようやくCopilotが使えることになります。
金額設定としてはかなり高額だなという印象がありますね。
日本の企業で導入できるのか
ただ、実効果、ブランディング効果を考えると先進的な大企業は導入する企業も少なくないように思います。
実際、Microsoftの株価はこの発表の直後から急上昇して、過去最高値を記録したそうなんです。
ただ、中小企業は経営陣がAIをはじめデジタルテクノロジーに明るくないのであれば、おそらく多くの企業が導入しない、またはできないのではないかというのが僕の見立てです。
もし現在のプランの中で追加課金なしで使えたら、今の日本の生成AIの受け入れの感じであればけっこうポジティブなので、多くの企業もしくは全体的に変わるチャンスがあったのではないかと思うんです。
が、ここまで強気の金額設定で追加料金になってしまうと、それはなかなか難しいかなと思います。
または、プレビュー版の仕様期間があって、その間にうまくキャッチアップできて、劇的な生産性向上の効果を感じられるとかになればもしかしたらチャンスはあるかもしれないですが、なかなかハードルが高い印象です。
数か月以内に一般提供開始
Microsoftは数か月以内に一般への提供開始のタイミングを発表すると伝えています。
Microsoft365をお使いの企業に勤めている従業員のみなさんは、そのタイミングで自分の所属する企業がこのCopilot導入をどこまで積極的に検討するかということをきちっと見ておくといいかなと思います。
中小企業であれば、このかなり強気の金額設定にもかかわらずこれを積極導入しようという経営者の方であれば、僕だったらすごく勇気のある決断だなと思います。
企業向けではなくて一般ユーザー向けの提供スケジュールはまだ明らかになっていないということです。
CopilotはPower Platformにも搭載予定~Copilot in Power
さらに、このCopilotはMicrosoft365とは別にPower Platformにも搭載されると報じられていました。ネーミングとしてはCopilot in Powerというものでした。
おそらくこの報道の感じだと、Copilot in PowerはMicrosoft 365 Copilotとは別課金になるんじゃないかなと予想しています。なのでフルセットで生成AI系を取り揃えると、SaaSにかかる金額がたいへんなことになりそうだなという気がします。
GoogleもDuet AI for Google Workspaceの導入を発表
ところでGoogleもGoogle Workspaceに、Duet AI for Google Workspaceという対話型AIを導入すると伝えています。
GoogleがMicrosoftの料金設定を受けてDuet AIをどういった料金設定にするのかがものすごく気になるところです。
最近でいうと、もともとは別課金の別サービスだったノーコード開発ツールAppSheetを、Google Workspaceのプランに含めるよというニュースがありました。
GoogleとしてはまだMicrosoftを追いかける立場であって、料金設定的に勝負にでていく可能性はあるかなと思います。
たとえばこのDuet AIを中小企業でも導入しやすい料金設定にすることで、Google Workspaceの勢いをつけるチャンスはあるのではないかと思います。
GoogleのDuet AI に関するニュースも期待して待っていたいなと思います。
法人向けのAIチャットサービス「Bing Chat Enterprise」
Microsoftのもう1つのニュースで、法人向けのAIチャットサービス「Bing Chat Enterprise」も発表されました。
これはもうプレビュー版を公開していまして、Microsoft 365の「Business Standard」「Business Premium」「E3」「E5」のいずれかのユーザーは追加料金なしでプレビュー版を利用することができます。一般提供の際には1ユーザー当たり月額5ドルで提供すると伝えています。
Bing ChatはもともとGPT-4をベースとしていますので、ChatGPTと同じような使い方ができます。
さらなるメリットとしては、ChatGPTであれば2021年9月以前のデータをもとにしているんですが、BingChatは最新の情報も活用して回答を作成してくれます。
さらに、Bing Chatの一番の売りポイントで言うと、企業データ保護が特徴となっています。
入力したデータは保護され、学習などに使われることはない。また、出力されたものが外部に漏れることはない。企業としてはより安全に生成AIを従業員に使ってもらえるというメリットがあるということです。
これが月額5ドルで使えるのであればいいんじゃないかという企業は一定以上いそうな気がします。
ただ、生成AI関連サービスがどんどん出てきて、いずれも使わない手はないものの、なんでもかんでも使うとサブスクの合計額がガンガン上がっていきそうなので、企業としてはその点で頭を悩ませるポイントになってくるかも知れないなと思います。
ということでMicrosoftの2つの発表は、1つ目は「Microsoft 365 Copilot」が1ユーザーあたり月額30ドルで一般提供されるとの発表と、もう1つは法人向けのAIチャットサービス「Bing Chat Enterprise」が発表されたというものになります。
ぜひチェックしていただければと思います。
まとめ
ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「Microsoft 365 Copilotは月額30ドル&Bing Chat Enterprise発表」をお届けしました。
僕はGoogleさんにも頑張って欲しいなと思っています。Bardも後追いで出てきて、最近のニュースを見る限りかなり性能もあがってきて使い勝手も悪くないのでChatGPTと併用して使われる方もかなりいるように見受けられます。
さらにやはりGoogleでいうとAIの世界を昔から引っ張ってきたのをみていますので、ぜひDuet AI for Google Workspaceが素敵なサービスになるといいなと思っています。
タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。
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では、また。