みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、生成AIの現在地とここ数日のビッグニュースまとめです。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
では、よろしくお願いいたします!
生成AI使っていますか
ここ数日なんですが、生成AI関連のニュースがガンガン飛び込んできています。
今日のトークテーマはちょうど、#生成AI使っていますか ということなので、まずは皆さんがどれだけ使っているのか確認しつつ、後半で、ここ最近の主なトピックについて紹介していきたいなと思っています。
AI insideの生成AIに関する調査
まず、生成AIをどれだけ使っているかということに関しては、AI insideというところが9月26日に発表した調査、「生成AIを「使ってみた」だけではなく「使い続けている」企業はどのくらいある?」を紹介したいなと思っています。
20代から50代のビジネスパーソン1,161人からのアンケート調査をまとめたものになっています。
生成AIを知っていますか
まず「生成AIを知っていますか」という質問に関して言うと、
- 知っている、聞いたことがある:55.5%
- 知らないし、聞いたことはない:44.5%
これだけニュースになっているにも関わらず、半分近くの人は全く聞いたことがないということなんです。
この辺りに関して言うと、DXとかリスキリング辺りのワードとも近い傾向があるなと思っていまして、メディアがガンガン報道しているように見えるんですが、全然届いていない層がかなりいるというのが現実なんです。
生成AIを職場でどのくらい活用してるか
次の質問は、「生成AIを職場でどれぐらい活用しているか」といった質問です。これに関して言うと、
- 継続利用している:7.8%
- 利用経験あるが未継続:7.8%
- 利用経験なし:84.4%
こちらも、ちょっと数字だけ見ると驚きの結果なんです。
ちょっと前にソフトバンクの孫社長がセミナーの時に、「生成AI使っている人」と聴衆に質問したところ、手を挙げた人が1割にも満たなかったということで、その人たちに「人生を悔い改めた方がいい」みたいなコメントをしたというニュースがありましたが、まさにそれと同じような結果になっているということです。
まだChatGPTを使ってない人は「人生を悔い改めた方がいい」――孫正義節が炸裂
生成AIの利用の壁は何か
「生成AIの利用の壁になっていることはなんですか」という質問に関しては、
- 回答結果の正当性に懸念がある:28.7%
- 使い方のイメージが湧かない:21.6%
- 法整備が不十分なことに懸念がある:20.5%
こういったものが挙げられていたんですが、これ、リスキリングの調査とかもそうなんですが、やらない理由を選択肢で聞くというのはあんまり参考にならないかなと思います。
そもそも、やってない人はおそらくやってない理由を自分で言語化できてないです。
ただ、アンケートで選択肢で与えられると、「あっ、きっとそれだ」ということで、後追いで理由付けをしている、そんなことが起きているんじゃないかと思いますね。
いずれにしても、ChatGPTでもBardでもBingチャットでも、パッと開けばすぐ使えるので、試しにでも使ったことがないっていう人がこれだけ多いというのは、すごく残念な話だなと思います。
生成AI関連のビッグニュース
さて、そんな生成AIなんですが、ここ最近、特に11月15日以降ものすごいビッグなニュースがどんどん飛び込んできていますので、整理をしたいなと思います。
Microsoft関連のニュース
Microsoft「Bingチャット」を「Copilot」にリブランド
まずは、Microsoftです。11月15日にMicrosoft Igniteというイベントがありまして、こちらで大きな発表がありました。
まず、皆さん使ってらっしゃる方もいるかなと思うんですが、「Bingチャット」を「Copilot」にリブランドしますという話なんです。
マイクロソフト、「Bingチャット」を「Copilot」にリブランド
さらにこのCopilotは、ChatGPTのような独立したウェブページを持つようになるということで、もうすでにこのウェブページも見ることができますので、皆さんご覧いただいて、実際に使ってみていただければいいんじゃないかなと思います。
CopilotはBingチャットをそのまま引き継いでいるわけなので、このインターフェースから、言語生成AIとしては「GPT-4」、そして画像生成AIとしては「DALLE・3」にアクセスできます。しかも、これ無料なんです。
ChatGPT Plusは加入停止中のためMicrosoft一択の現状
なにせChatGPTの方は、有料プランであるChatGPT Plusに登録をしていないと、このGPT-4とDALLE・3は使うことができないんです。
かつ、こちらも最近の動きであったんですが、このChatGPT Plusに関して言うと、最近発表した大きなアップデートの勢いを受けてあまりにもユーザーが集まってしまったがために、新規の加入を停止しているんです。
今は、ウェイティングリストに登録をしておくと、加入再開時に通知を受け取れるようになっているということなんです。
なので、このタイミングで言うと、GPT4とDALLE・3を使いたいのであれば完全にCopilotを使う一択となっているわけです。
何をするにもCopilotがサポートする未来を宣言
さて、Microsoftの発表に戻りますと、MicrosoftのCEOサティア・ナデラ氏はこのようにもう宣言しているんです。
「We are Copilot Company. We believe in the future where there will be Copilot for everyone, and everything you do.」(MicrosoftはCopilotカンパニーです。やがて、どんな人にもどんな作業にもCopilotがいる時代がやってきます。)
このCopilotというのは副操縦士という意味なんです。なので、皆さん自身がメインパイロットとすると、どんな作業をするにしても、AIであるCopilotが隣でサポートしてくれる。このようなイメージだと思います。
そして、このMicrosoftのAIサービス全体を、Microsoftc Copilotで統一していくということなんです。
おそらく、Microsoft関連のサービス、ソフトウェアを使う時には、いつでもCopilotが使える状態になっているという状態が将来やってくるってことなんです。
我々ノンプログラマーとしては、普段使っているExcel、PowerPoint、OutlookとかのツールにCopilotが入ってくるというのは、以前からお伝えしている通りです。さらにノーコードロコードツールであるPowerPlatformでもCopilotが使えるというのは規定路線なわけです。
独自のCopilotを作る 「Copilot Studio」
あともう1つMicrosoft Igniteで発表された大きめのニュースで紹介しておきたいんですが、これは「Copilot Studio」と呼ばれるものです。
正面から普通にCopilotを使うと、どんなユーザーが質問しても同じような回答が返ってきます。ただし、このCopilot Studioを使うと、オリジナルのCopilotにカスタマイズができるようになるということなんです。
これだけだとちょっと分かりづらいように聞こえるかもしれないんですが、1つ例をお伝えすると、Copilot Studioを使って自社の管理システムに繋げてCopilotを作るんです。
そうすると、「何か今の時点で提出する経費ありますか」とか、そういった社内特有の質問をした時にそれに答えてくれるということです。
なので、例えば人事、総務、経理とかの管理部門だったり、質問が殺到しやすい情シス系の部門だったり、そういったところの回答の代わりをしてくれるような独自のCopilotを作ることができる、こんなことを期待できるんじゃないかなということです。
OpenAIでの同様の動きも
このCopilot Studioと類似のサービスをOpenAIの方も発表していまして、こちらは11月6日の発表だったんですが、ノーコードでオリジナルのチャットボットを作ることができる「GPTs」と呼ばれるサービスを発表していたんです。
この「GPTs」をはじめいくつかの発表を受けて利用者が一気に増えてしまい、それを受けて新規の加入を停止したという経緯があったようです。
ということでMicrosoftの方は、生成AIのブランドをCopilotに統一したよということです。
そして、その生成AIをピュアに使うためのチャットボットサービス、それが旧Bingチャットだったのですが、これもCopilotという名前に変えました。
前段の調査の結果にもあるように、まだ使ったことのない人がたくさんいるので、今から使うとしたら、もしかするとChatGPTの方ではなくてCopilotの方に軍配が上がるかなという気はしますね。
Googleの生成AI関連のニュース
さて、もう1つなんですが、忘れちゃいけない存在がGoogleです。
Googleも、ちょうど11月15日に「Google Cloud Next Tokyo」と呼ばれる、日本でのGoogle Cloudに関するイベントがあったんです。
日本語版Duet AIが来年から利用可能
Microsoft 365におけるCopilotの役割を担っているのが、Googleワークスペースでいうと「Duet AI」というものが既に発表されていて英語版は使える状態だったんです。
これが、日本語版も使えるようになるよといった発表があり、デモも紹介されていました。実際使えるようになるのは来年とのことでした。
Googleの生成AIアシスタント「Duet AI in Google Workspace」日本語対応へ
MicrosoftかGoogleか~利用料がネックになるか
先ほど、今から使うのであればCopilotが有利なんじゃないかという話をしたんですが、ただ、ほとんどのユーザーは、わざわざアクセスして使うみたいなことをしないですよね。
なので次に考えられるチャンスとしては、Microsoft365またはGoogle workspaceから、シームレスに生成AIが使えるようになって、それでいい体験ができるっていうことがポイントになるのかなという気がしています。
ただこちら、Microsoft CopilotもGoogleのDuet AIに関しても、それぞれ1ユーザーあたり30ドルというなかなかな金額が設定されていますので、もしかすると多くの企業は及び腰になってしまう可能性もありますね。
ユーザーとの接点が多いGoogleは有利か
そうすると、次のステップでの勝負になるかなと個人的には思っているんですが、ここはGoogleが有利かなと思っていまして、Google検索やGoogleマップ、これらを始めとしたユーザーとの接点をGoogleは今たくさん持っているわけです。
そこに、MicrosoftでいうCopilot的な生成AIを入れていくことで、一気に生成AIの接点を取ることができる。
この一連の予想に関しては僕の勝手な妄想なんですが、技術の確信はものすごい進んでいますがまだ利用率が低い状態なので、勢力図がどうなっていくか全くわからないと言えるんじゃないかなと思います。
OpenAIのCEOが退任
そして最後にお伝えしなきゃいけないニュースなんですが、11月17日速報で、ChatGPTを提供するOpenAIのCEOサム・アルトマンが退任するといった発表がありました。
取締役会と十分なコミュニケーションが取れていなかったということで、事実上の解任ということなんですが、これがOpenAIの動きとか勢力図にどんな影響があるのか、こういったところも注視していきたいなというところです。
生成AI関連のニュースは続く
今日は、生成AIがどれだけ使われているかみたいな調査の発表から、ここ数日の生成AI関連の主なトピックについて紹介をさせていただきました。
生成AI関連のニュースとか新しい技術とか、本当にたくさん出てきているんですが、これらを全部ちゃんと追いかけて全て使いこなすというのは、あまりにも領域も広いですし速度も速いので、そこまでは無理しなくていいかなと思うんです。
というのも本編の方でお伝えした通りまだ利用率もそんなに高くないので、生成AIを提供する会社側が、ユーザーに使ってもらえるようにどんどん便利にしてくるはずなんです。
とはいえ、全く使い所がわからないとかならないために、今の段階からでも少しずつアンテナを張っておいて、自分の業務にこんな風に使いやすそうだなとか、この辺興味あるなとか、そういったものに関しては一歩踏み出して試して使ってみる、こういった行動を習慣的に取っておいていただきたいなと思います。
まとめ
ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「生成AIの現在地とここ数日のビッグニュースまとめ」をお届けしました。
タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。
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では、また。