2023年12月公開の東京工芸大学工学部紀要Vol.46に論文「21世紀型スキルを育成する工学分野における新しい情報教育の探索~博士前期課程『ビジネスコンピュ ーティング特論』の実践~」が掲載されましたのでお知らせいたします。
本論文は、21世紀型スキル人材の育成が求められている中での、日本の初等・中等教育における情報教育の現状、また東京工芸大学における情報教育の取り組みを論じたうえで、今後必要になる人材像を検討し、その検討結果の一つである博士前期課程「ビジネスコンピューティング特論」の企画立案経緯と内容についてまとめたものです。
「ビジネスコンピューティング特論」は2023年夏に弊協会代表 高橋が講師を務めた講義となります。
論文では以下の内容が述べられています。
- 日本のデジタル競争力の低下は、デジタル・技術スキルの不足やDX推進人材の育成・採用体制が万全ではないことが要因といえる。今後、企業と個人の双方での学び直しの取り組みや、人材投資が不可欠であり高等教育フェーズでこの課題を解決していくことが重要である。
- 東京工芸大学工学部では専門基礎教育に情報教育科目が導入され、すべての分野の学生コンピューターの概念、情報数学やコンピューターの構造、通信・ネットワーク関連の知識、開発手法などを履修しているが、実際に社会で必要とされるスキルを学べる場も必要と考え、実務家教員による授業「ビジネスコンピューティング特論」を企画立案した。
- 「ビジネスコンピューティング特論」では、「デジタルスキルを身につける必要性と課題について理解し説明できること」「デジタルリスキリングの戦略とロードマップを理解し実行に移せること」「表計算ソフトの基本スキルを習得し活用できること」「Google Apps Scriptの概要と学習方法を理解し説明できること」を到達目標とした。
- 講義の結果、履修生の中にはGASを研究に活かす動きを見せる者もおり、研究活動の効率を高める活動もあった。また、講義内で取り入れたアクティブラーニングの結果、所属する研究室や専門分野を越えた学生同士の交流が見られるようになり、授業終了後も学習共同体が継続する可能性が垣間見られた。
ぜひご覧くださいね。