今年の3月からスタートした越境学習プロジェクトが8月末で終了しました。
9月6、7日には最終発表会が開催され、参加企業4社より計13人の参加者が、越境学習を通して得られた成果や感想、今後の展望などを発表してくださいました。
以下、イベントレポートとして、最終発表会の様子を2記事にわたってご紹介します。
M&Tコンサルティング 福井さん ~越境学習を通して業務改善の意欲UP
企業の経理代行サービスを提供しているM&Tコンサルティングから参加している福井さんは、社内の業務が新しいツールややり方を利用して効率化されて来ておらず、業務量が増加する一方であった状況を変えたいという思いで、GAS初級 APIコースを受講されました。
講座の卒業時には支払い一覧表の自動作成ツールを開発。 他にも作りたいツールがたくさんあるとのことでした。
越境学習を通して、業務の中で業務改善を行う時間を確保する難しさはまだまだ感じられているそうですが、頭の中で改善したいと思っていたことを、実際に行動に移せた点はとても良かったと振り返られていました。また、職場や家庭とは別に他社と関わることができる環境の大切さも実感されたそう。
さらに、社内でGAS専用のTwitterアカウントも開設し、これまで学んできたことや、どんな業務効率化をしているのかを発信していきたい、という意気込みも語られていました。
イムス富士見総合病院 吉田さん ~長年やりたかったことが実現できた
イムス富士見総合病院リハビリテーション科の吉田さんは、職場の書類業務を削減し、リハビリ職ならではの仕事に集中できる職場にしようという目標を立てて、越境学習をスタートされました。
越境学習前半ではGAS初級講座を受講し、後半では以下の四つの目標を立てられていました。
実際に進めてみたところ、Slackはハードルが高く浸透しにくかったことから、馴染みのある LINEに切り替え LINE BOTを作成。そして、直近ではLINE BOT による科内情報共有のテスト運用を始めたそうです。
越境学習の成果として、これまでずっとやりたいと思ってきたことを実際に実行できたことが大きいと吉田さんは振り返られていました 。
吉田さんがプログラミングによる業務改善を本格的にスタートされたことで、科内のメンバーも興味を持ち、志を共にする仲間が増えてきたことも感じられているそうです。
今後の課題としては「システムチームの強化」と「患者治療へのIT活用」を掲げられていました。 実現するには吉田さん一人の力では足りないので、仲間づくりも継続していきたいと意気込みを語られていました。
M&Tコンサルティング 山本さん ~会社一丸となって業務効率化を推進
福井さんと同じM&Tコンサルティングから参加されてる山本さんは経理業務のアウトソーシングと、会計ソフトfreeeの導入支援をされています。
越境学習に参加するまではGASの存在も知らず、プログラミング知識はゼロからのスタートでしたが、学習後は自分にもできることがあるんだ、と思えるようになったそうです。
学習前には、そもそも何が開発できるのかさえ発想が浮かばなかったということですが、今ではご自身がChatworkにメッセージを自動送信するツールを開発したり、GASとfreeeを活用して、色々な業務を効率化したり会社の売上を作っていこうとワクワクされているそうです。
社内では業務効率”課”というチームが発足し、プログラミングで社内やクライアントの業務効率化を推進する予定だそう。そのためにも、山本さんは今後も勉強を習慣化し学び続けていきたいとお話されていました。
イムス富士見総合病院 戸田さん ~ツール普及のための勉強会も開催
イムス富士見総合病院で看護師として働いている戸田さん。越境学習参加前はパソコンを業務で使用する経験も乏しく、プログラミング以前にパソコンの操作方法も一緒に勉強しながら進めるような学習状況だったそうです。
戸田さんは越境学習開始にあたって、院内業務のどこを効率化しようかを事前に考えてから参加されたということ。
看護師の業務の中でも記録業務が増大し、なかなか患者さんのそばにいられないという状況を何とか改善できないかと念頭に置きながら、講座にも参加されたそうです。
夜勤時に使用する検査リストのシートは、これまで手書きだったものを Google スプレッドシートに置き換え、自動的に毎日新しいシートが生成されるよう改善されたほか、病院職員の健康管理シートも作成。これをみんなに利用してもらうため、操作に慣れない高齢の職員の方々を対象にパソコン操作の勉強会も実施されたそうです。
越境学習に参加してみて、受講中の中級講座はまだまだご自身には難しいと感じられているそうですが、楽しく学ぶことができ、様々な職種の方々からの刺激を受けて学習できているため、ノンプロ研は居心地がよくていい場所だなということを感じられているそうです。
今後は、院長先生が院内業務を見直しながらGASを活用した効率化を推進するDX 委員会を発足するという話を聞いているので、そのメンバーとして活動できるよう学び続けたいと、という展望もお話されていました。
イムス富士見総合病院 森田さん ~越境学習での楽しさと難しさ
イムス総合病院の職業診療放射線技師をやっている森田さん。 中間発表時にはGAS初級講座を卒業していましたが、最終報告の時点では中級講座を受講最中でした。
初級講座卒業時には、紙媒体で運用している点検業務を Google フォームに置き換えるツールを開発されました。
越境学習を開始した時には1年目だった森田さんは、仕事もまだ慣れてない状態で新しい学習をするのはとても大変だったとのこと。しかし、新しいことを学びプログラミングで何が出来るのかを知ること、プログラミングがうまく実行できたときの達成感は楽しくもあったそうです。
その傍らで、学び、コードを書き続けること、2年目の森田さん自身が組織にどのように貢献できるのか、変化を生むことができるのかについてなど、いたるところで難しさに直面し悩みも多い越境学習だった、という感想も述べられていました。
イムス富士見総合病院 河瀬さん ~メンバーから刺激を受けて学習を継続
同じくイムス総合病院の診療放射線技師2年目の河瀬さん。越境学習参加前は、プログラミングも未知で、ノンプロ研に馴染めるのかどうか、放射線技師の仕事も日々学ぶ中で、本当についていけるのだろうかという不安があったそうです。
受講した講座は初級GAS講座と、現在は中級講座を受講中。
越境学習中の自身の変化として、前半は受け身で分からないところもそのままにしていたそうですが、一緒に受講している方々の積極的な姿勢を見たり、分からないところは人に聞いている方の学びが深まっていることを目の当たりにしたりと、周りのメンバーの学習に対する姿勢に大いに刺激を受けたそうです。
また、以前は河瀬さんが越境学習に参加していることや取り組もうとされていることに、職場の方々はあまり関心を持っていないのかな、と感じていたそうですが、開発したツールを実用化しようと動き出した時、今取り組んでいることを発表する機会もあり、職場の方々から意見を出してもらえるようになったり、興味を持ってもらえるようになったそうです。
このような学びを通して、「仕事とノンプロ研での学習の両立とバランスを取ることがすごく難しい」、「挫折しそうになった時期もある」と振り返られていましたが、無事最終報告まで継続することができたので、これからも学んだことを活かしていきたいとお話されていました。
以上、越境学習最終報告会1日目の発表をご紹介しました。
次の記事では最終報告会2日目(9月7日開催分)の様子をお伝えします。