2023年4月ノンプロ研定例会では、鈴木院長ほか越境学習支援プロジェクトに参加された吉田さん、戸田さんに、1年間の越境学習による病院DXの成果について、またその取り組む際の秘訣、今後の展望についてお話いただきました。
これまで鈴木院長、リハビリテーション科吉田さんの発表をお伝えしました。
今回は看護部の戸田さんの発表「看護部におけるGASの活用と、情報共有の効率化の取り組み」をお伝えします。
看護師の仕事内容と記録業務の割合
戸田さんはノンプロ研で初の看護師の有資格者 ということで 本題に入る前に看護師さんのお仕事の紹介もいただきました。
こちらが看護師さんの業務一日のスケジュールだそうです。
この中で、看護師業務における業務割合を調べたところ、約22%が患者のカルテ記録や情報収集・共有のための記録業務に使われているそうです。1日8時間業務とすると108分。
この時間を戸田さんはDXで効率化できたらと考えています。
越境学習に参加してみて
戸田さんは昨年3月から9月まで越境学習プロジェクトに参加されました。
院内でも Google WorkSpace を導入するタイミングと重なったようで、ノンプロ研内でGAS初級講座を受講しながらフォームやスプレッドシートなど様々な機能を触って試してみる、覚えてみることから始めました。
同時に、周りのメンバーへの浸透も進めていきます。
まずは師長会で使う資料をドライブで共有することにしました。メンバーに編集操作にも慣れてもらえるように、ドキュメントをドライブに保存して参照できるようにしました。
その後はひたすら勉強会を実施して操作説明を行ったり、個別でも何度も説明をしたり。みんなが実際に操作しないと分からないところもあったので、触ってもらいながら、わからないところは何度も何度も説明し、新しいツール使用への抵抗感を無くしてもらうようにしたそうです。
成果と周囲の反応
GAS初級講座の成果物としては、健康観察のシート化に取り組みました。それまでは毎日朝と昼に紙に記入していた内容を、看護部に所属する360名がフォームで入力するようにしたのです。
その他、コロナの検査結果もシート化するようにしました。それまでは記入用紙を夜間管理者が病棟を回って収集していたのですが、シート化してからはGoogleを開けば確認できるようになりました。 ※今では不要と判断し、現在は使用していないそうです。
これらの導入に当たっては段階的に移行を進められたそうです。
まずは戸田さんが所属する一部署でデモ運用を行いました。すぐに慣れて入力してもらえたので、管理職のメンバーに向けてGoogleの基本的な操作について個別に説明する機会を設けることに。その後、師長さんから各部署へ説明をしてもらって使用開始し、完全移行するに至りました。
では、周囲の反応はどうだったのでしょうか。
みんなからは、「これまで紙だったものが、携帯で入力できて楽」「自宅でもできるのがいい」という声をいただいたそうです 。運用開始後にはフォーム項目の追加依頼もあり、周囲の声を反映して改良しながら運用もできているそうです。
また、コスト削減にも寄与しています。各部署1日1枚使用したとして計算すると、15部署で年間5,475枚もの紙削減にもなっています。紙のシュレッダー時間の削減にもなります。
これらの新しい取り組みを導入するにあたって気をつけた点は、操作になれないと使ってもらうことにもならないため、使い方の資料も準備し皆さんに案内をしたそうです。
そのほか、朝礼をMeetで実施し、Spaceを活用して伝達事項を記録するなど新しい取り組みもされています。
イムス富士見病院では戸田さんに続き、別の看護師長さんも越境学習プロジェクトに参加されました。
院内で発信され、みんなの理解を深めることにも力を入れられている、そんなメンバーの姿を見るのがとても嬉しかったとおっしゃっていました。
今までは越境学習メンバーが一人ひとり個々で活躍していましたが、院内DXに向けて、協力しながらツールを作ったり、プロジェクトを進めていくことができたらと考えていらっしゃるそう。みんなで集まる機会をもっと増やしていきたい、とおっしゃって発表を締めくくられていました!
以上、戸田さんの発表の様子をお届けしました。
本定例会はTwitterにも実況ツイートがまとめられていますので、合わせてご覧くださいね。