みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、ChatGPTの教育現場での利用は是か非かです。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
では、よろしくお願いいたします!
ChatGPTが学習に与える影響を懸念
今日は「#気になるニュース」についてお話します。
記事のタイトルは「チャットGPT巡る学校向け指針、文科省が検討…「瞬時に作文」悪影響に懸念」です。
こちら、どういった内容かというと、文部科学省がChatGPTなどの対話型AIについて、教育現場での取り扱いを示すガイドライン(指針)の検討を始めたというものです。
ChatGPTなどの対話型AIを使うと、たとえば読書感想文などが瞬時に作成できることから学習への影響を懸念する声が高まっているということです。
適切な指針や参考資料をとりまとめる
教育現場からは「作文指導が成り立たなくなる」(東京都内公立中校長)というコメントを寄せていたり、益川弘如・聖心女子大教授(学習科学)は「AIの安易な利用は、論作文や探究学習などの思考力や表現力を養う教育に悪影響が及びかねず、文科省は適切な指針策定を急ぐべきだ」とコメントをしています。
他の記事、松野官房長官の会見から引用します。
教育における新たな技術の活用に当たっては、メリット・デメリット双方の注視が必要。現在は文部科学省において、生成系AIの取り扱いについて、学校現場が主体的な判断をする際、参考となる資料の取りまとめを行う方針
読売新聞は「ガイドライン(指針)」と伝えていましたが、こちらでは「参考資料のとりまとめ」と言ってるので、どういうトーンで来るかは見てみないとわかりません。
海外の事例
教育現場でChatGPTを始めとした対話型AIを使うかどうかは、海外の事例もいくつか出ているのですけど、場所によってバラバラな感じです。
アメリカは学区で対応がかなり分かれている
アメリカの複数の学区では、作文課題や試験でカンニングや盗用に使われることを懸念し、使用を禁止しています。
一方で、ペンシルバニア大学ウォートン校のEthan Mollick准教授は、すべての授業で「ChatGPT」と人工知能(AI)の使用を認めています。
対応がかなり分かれている感じがします。
シンガポールでは利用を後押ししている
国全体の例でいうと、シンガポールではどうなっているかの記事がありました。
シンガポール政府は、「ChatGPT」のような人工知能(AI)ツールの学校での利用を後押ししますが、同時に、学生がAIに依存しすぎることなく、そのような技術の限界を理解するよう促したいとの意向を示しました。
また、生成AIツールは、ユーザーに機会と課題の両方をもたらすと言っています。
教育者の間では専門的な討論会が開かれていて、教育者は今後も引き続き、学生が基本的概念を理解するように教育を行い、テクノロジーツールに過剰に依存しないよう指導していくと報じられています。
何が問題か整理する
何が問題かを整理していかないといけないと思いますが、あちこちの記事でいろいろ言われているんですが、大きく分けて4つあると思います。
- 学業そのものへの悪影響
文章力や思考力を鍛えるといった機会が失われるという懸念があります。
- カンニング
学生の学力を正しく評価できなくなる恐れがあります。
- 盗用
これはモラルとか、著作権の問題です。
- プライバシー
個人情報などがインターネットにアップされてしまうというリスクです。
そもそも教育でどういう力を身につけるべきか
このうち「学業そのものへの影響」はすごく難しい問題だと思っています。そもそも、この話は、教育でどういう力を身につけるべきかというところに行き着くんです。
たとえば、ChatGPTで読書感想文が自動で生成されてしまうことが問題だと言われています。
ただやはり、読書感想文という課題を通して、どういう能力を鍛えたかったのか?というところに行き着くんですね。
僕の記憶でいうと、夏休みで読書感想文の宿題がありました。とりあえず適当に本を探して読んで書いて提出して、先生から適当なコメントがつけられて返される、これだけだったので、まずモチベーションもないですし、それで得られた学びは何だったんだろうなと今でも思っています。
もちろん、それで得られる学びはゼロではないにしても、もっとやりようはあったんじゃないかなと思うんですね。
当時の僕は面倒くさくてしかたがないので、それならばChatGPTつかって楽したいという気持ちになりますよね。
仕事ではChatGPTはツールになる
一方で、僕が今、記事を書いたり、書籍を書いたりしているのですけど、自分の名前を出して書くものであれば、ChatGPTが出してきたものをそのまま提出ではまずできないなと思います。
まず生成されたものが僕が言いたかったことそのままかというと、全然そうじゃないということが多いんですね。
部分的にアイデア出しとか壁打ちにChatGPTを使うことがあるにせよ、伝えたいことがあってそれを表現するとか、その表現に早く到達するためのツールとして活用しているわけです。
なので本当に言いたいことというのは自分の中にあるんですね。
文章ということで必要な能力ってどんなものかというと、僕としては、伝えたいことを伝えて、それで人に情報を届けたり、影響を与えたり、そういうことができる力ということだと思います。
その手段としてChatGPTを使うのであれば何だろうが良いのかなと思っています。
それを鍛える教育って何なのかなと考えるのが良いと思います。
学生の評価は総合的に行う必要がある
カンニングについては、その場で書くのであれば問題無いのですけれど、それができないレポートとか論文などではけっこう難しいだろうなと思います。
大学でいうと、コピペや代行はこれまでもあったと思いますので、それと同類の問題なのかと思います。
学生達が作成した文章が全くChatGPTを使っていないのか、ChatGPTそのままなのか、ちょこちょこ使っているのかを判断するのはけっこう難しいと思います。
それを判断するAIツールもあるようなんですが、評価の仕方として、たとえば質疑応答がどれだけ対応できるかとか、ディスカッションがどれだけ深められるかとかを含めて、総合的に評価していく必要があると思います。
リテラシーとして教育するのが基本
盗用の問題とプライバシーの問題ですが、これに関してはルールを決めたところで、なかなか防ぎようがないという難しいところがあります。
リテラシーとして教育するのが基本だと思います。
いずれにしても、メリットは大きいしリスクはあるんですけれど、教育に関わる人達はChatGPTをはじめとする生成AIがどういう仕組みで動いているのか、どう役に立って、何がリスクなのかについて、きちんとわかる必要があると思います。
わからないから禁止するというのは一番良くないと思いますので、まずは使いながらきちんと理解していただきたいなと思います。
まとめ
ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「ChatGPTの教育現場での利用は是か非か」をお届けしました。
教育に関してはなかなか難しい問題があると理解していますが、こういった技術の発展や普及は止めようがなかったりします。
なので部分的に禁止したところで問題が先送りになるだけで、それであれば積極的に検討をして、みんながリテラシーを高めてリスクを減らしていき、運用しながら使い方を改善していくやり方がいいと思います。
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では、また。