書評「仕事のアンラーニング」

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書評「仕事のアンラーニング」

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、書評「仕事のアンラーニング」です。

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

アンラーニングについての書籍

今日は「仕事のアンラーニング」 という書籍を紹介したいと思ってます。

リスキリングと同様に、昨今よく耳にするワードになった「アンラーニング」なんですけれど、みなさんはアンラーニングって具体的にどういうことで、どういうメリットがあるか知ってますか?

いまいちリスキリングとごちゃごちゃになっている人もいるのではないかと思います。

ということで、アンラーニングについて一度しっかり理解した上で、現場で活用したいなという方におすすめの書籍ということで紹介します。

読みやすい研究書

著者は経験学習など「学習」をキーワードに組織論と心理学の境界領域を研究されている北海道大学の松尾 睦(まつおまこと)教授です。

実務家の方ではなくて、研究者でいらっしゃるので、アンラーニングについての学術的な解説をしていただけています。

よく、世の中でアンラーニングの定義として引用されているのは、松尾先生のものだったりします。

研究者の方が書いた書籍ってちょっと難しいのでは…?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。

こちらの書籍でいうと「読みやすい研究書」とご本人もおっしゃっている通り、たいへん読みやすい平易な表現で書いていただいていますので全く心配はないかと思います。

本書は3部構成

構成としては三部構成になっています。

第1部はアンラーニングの概観

第1部 アンラーニングの概観

  • 第1章 アンラーニングとは何か
  • 第2章 アンラーニングの全体像

第1部はアンラーニングの基礎。アンラーニングとは何か、どういうきっかけが生まれるか、メリット、阻害要因はといったことをまとめられています。

アンラーニングの定義ですが、「個人が、自身の知識やスキルを意図的に棄却しながら、新しい知識・スキルを取り入れるプロセス」ということで紹介されています。

本書の中では「個人アンラーニング」と紹介されているものなんですね。

ただ、最近のニュースなどで「アンラーニング」と使われているのは、この個人アンラーニングの定義が使われています。

別の表現では「知の断捨離」という表現もあってわかりやすいです。つまり、できあがった型やスタイルを、新しく入れ替えることをアンラーニングというということです。

たとえば、阻害要因がわかったとするならば、その阻害要因を減らすようなアクションを起こしていけば、個人やチームのアンラーニングを促進できるという話になるので、そういった活用ができるようになります。

第2部、第3部は松尾先生の研究についてまとめたもの

第2部 アンラーニングをうながす個人要因

  • 第3章 アンラーニングをうながす学習志向と内省
  • 第4章 アンラーニングをうながす自己変革スキル

第3部 アンラーニングをうながす状況要因

  • 第5章 上司行動とアンラーニング
  • 第6章 昇進とアンラーニング

この2部、3部は松尾先生の研究についてまとめたものになっています。

中身としては、アンラーニングを促進するのはどのような個人の特性なのか、または状況なのかということをまとめています。

たとえば、自分の能力を高めることを重視するのを「学習志向」と名付け、他者からの評価を重視することを「目標志向」と名付けています。

どちらがアンラーニングを促進するかといえば、学習志向のほうだと伝えられています。

これは、今別で読んでいる書籍「モチベーションの心理学」でマスタリー目標、パフォーマンス目標と表現されていたものと対応しているので目から鱗ということがありました。

目標の立て方としてどういったことがアンラーニング的にいいかというと、進歩や向上を純粋に目指すほうがいいよね。ということです。他人の評価よりも純粋に進歩や向上を目指すことでアンラーニングが促進されるということです。

あと本書でいうと経験学習でも重要とされる「内省」、これについてかなり深く研究されていて、内省の重要さがよりいっそう解像度高く知ることができます。

ぜひすべて読んでほしい

はじめににも書かれていますが、実務家の人であれば1部だけ読んで、2,3部は気になるところだけ読めばいいと書かれています。

非常にハードルが低く書かれれています。

ただ、読み飛ばしていいなどと書いてありますが、2,3部にも珠玉の知識がつまっているので、僕としてはぜひすべて読んで欲しいと思います。

あと各章の最後に「実践のポイント」がまとまっているので、ここを参考に仕事に当てはめていただくと実際の仕事にすぐに役立てられてよいと思います。

新たなワードと概念をゲットできた

僕個人的には、学術的なところがベースになっていますので、

  • コンテピテンシー・トラップ
  • 70:20:10の法則
  • 変容的学習
  • 批判的内省
  • 自己変革スキル

など、僕も知らなかった新たなワードと概念をたくさんゲットできたのがこの書籍の収穫でした。これらについては追学習をぜひしたいと思っています。

僕のようにマニアックなところまでわからなくても活用できる書籍だと思いますので、ぜひ活用していただければと思います。

一点、リスキリングとアンラーニングの対比に関して補足したいと思います。
定義は違えど、方法論やベースとなる理論は共通する部分も多いと思いますので、そういう視点で両方ともきちんと理解して、それぞれ活用していけばみなさんの『働く』の価値は上がっていくと思います。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「書評「仕事のアンラーニング」」をお届けしました。

ほんとに、非常に読みやすく書かれていて、エビデンスもしっかりしているので、すぐにお仕事に活用できる書籍だと思いますので、ぜひ読んでいただけたらと思います。

研究の最前線でいる方がこのように読みやすい書籍にまとめてくれるのはありがたいことです。実務家としてはこれをじゃんじゃん実務に活用していきたいと思います。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

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