「学びも働くも楽しい!」を取り戻す大人のための学び講座 〜『デジタルリスキリング入門』出版記念イベント in 糸島 〜 イベントレポート

  • ブックマーク

2023年8月10日、福岡県糸島市でノンプロ研主催のイベントが開催されました。以下、kageyamaさん執筆のイベントレポートとなります。


7月20日、ノンプログラマーがITスキルを学び合うコミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」主宰の高橋さん著書『デジタルリスキリング入門』が出版されました。

その出版を記念して、8月10日に糸島の「オープンコミュニティスペースみんなの」にてイベントが開催されましたので、その様子をご紹介いたします。

高橋さんトーク 大人の「学び・働く」の今とその楽しみ方

1人目の登壇者は著者の高橋さん。

高橋さんの今までの社会人としての経歴を中心に、ご自身が「学ぶこと、働くこと」に対してどのように考えられているかをお話いただきました。

著書の中にも書かれていますが、大学院卒業後に高橋さんはサックスプレイヤーを目指して社会人生活をスタートされます。しかしご両親との「30歳までに音楽で生活できなければ諦める」という約束を実現することができず、当時派遣社員として勤めていた会社に正社員として入社。サラリーマンとしての生活がスタートします。

順調なサラリーマン生活を過ごされる中、勤め先の経営体制が大きく変わったことをきっかけに転職することを決意。しかし苦労して見つけた転職先が所謂ブラック企業、しかも真正ブラック企業とのこと…

具体的なエピソードをいくつか話されてましたが、本当にそんな会社存在するんだ…という内容でした(笑)

逃げるように次の会社へ転職。しかしその会社も前職ほどではないにせよブラックな会社だったそうです。

そんな中高橋さんの人生において大きな出会いがあります。

それがExcelのVBAというプログラミング言語です。

転職活動中に面接で「プログラミングはできますか?」という質問をよくされることが頭に残っていたそうで、少し調べてみると業務で行っていた大量のExcelでのコピペ作業が自動化できそう!ということが分かり独学でVBAの勉強を開始されることに。

周りにVBAができる方がおらず当初は苦労されたようですが、実際に業務に活用してみると効果は絶大で、業務効率化に大いに役立ったとのこと。

その後、高橋さんは自身の成功体験を世の中に広げるべく独立をされます。

リスキリングという言葉が出てくる前から高橋さんご自身はある意味必要に迫られてVBAや、Google Apps Scriptなどのプログラミング言語を学習されてきました。

しかし、世の中の多くの社会人は自己学習を行っていませんし、企業側も諸外国に比べ人材への投資が積極的ではありません。

その一方で、高橋さんが作られたコミュニティ「ノンプロ研」では参加メンバーが楽しそうに学習されている様子を見て、「学ぶということは本来楽しいもので、学んだことを活かして働くことも楽しいもの」ということを改めて実感し、その輪を広げていく活動を今後も積極的に行っていきたいという締めでプレゼンが終了しました。

私自身もノンプロ研に参加していますが、皆さん本当に楽しそうに学習されてますし、学習時間の多さに自分もやらないとな〜と日々刺激をもらっています。

後原さんトーク おとなとこどもの学校テトコトはほとんどおとなの学校だった話

2人目の登壇者は後原(さどはら)さん。

Webデザイナーとして独立後、法人化され自身で代表を務めつつ、移住先の糸島で地域活性化チームを立ち上げられ様々なプロジェクトに携わられておられます。今回はその活動の中の1つであるオルタナティブスクール「おとなとこどもの学校テトコト」についてお話いただきました。

ちなみに今回の会場も地域活性化チームが運営しているコミュニティスペースをお借りしました!

オルタナティブスクールという言葉自体初めて聞いたのですが、公立学校や私立学校以外の選択肢として近年注目されている学校形態だそうです。
何を学ぶのかは学校ごとに異なるらしく、テトコトは「つくる」をテーマにした学校とのこと。

そもそもなぜ学校を作ったのかの話からスタート。

糸島にはオルタナティブスクールが多くあるらしいのですが、受入人数が少数で限られており受入競争に参加するくらいなら作ってしまおうとなったそうです。

すごい行動力です(笑)

続いてなぜ「つくる」ことをテーマにされているかのお話。

いくつか理由をあげられていましたが、「つくる」ことには沢山の「学び」、「気づき」、「発見」があり、「つくる」= 体全体、体験をもって考えること。それが自分の学びの原点という話が印象に残りました。

また、5教科の勉強も採用していないとのこと。毎朝子どもたちでその日なにをつくるのかを話し合いで決めて1日がスタートするそうです。
このあたりの方針もオルタナティブスクールならではなんだろうなと感じました。

続いて子どもたちがとても楽しそうに過ごしている一方、大人たちは日々悶絶しているというお話。

学校を運営する中で様々な悶絶ポイントがあるそうですが、そもそも悶絶している状態というのはまだ諦めていない状態だそうで、何か問題が起きた時に「わかった」と決めつけるでもなく、「もうわからない」と諦めるのでもなく、その間の悶絶している状態で諦めない。今までの学校教育の常識を信じすぎずにどのような学校にするのがいいかを学び続けていきたいという内容で締めくくられました。

ディスカッションコーナー

最後にお二人のディスカッションのコーナー。

子どもが大人になりたいと思えるような大人になるには、という話から学ぶという行為の主体性について議論がされました。

主体的な行動には以下の2種類があるそうです。

  1. 自発的な主体性 = まわりのルールや流れに従って行動すること
  2. 内発的な主体性 = 自分の内面から湧き上がるものに従って行動すること

リスキリングもバズワードのようになっていますが、こういった世の中の空気を感じて学ぶことを始めるのは自発的な主体性に該当するとのこと。

後原さんから、「自分は内発的な判断に基づいて生きてきたと思っていたが、最近内発的と思っていたものが実は自発的なのではと感じる。」というお話があり、そこからディスカッションが哲学的な内容になっていきました。

お二人ともまさに悶絶しながら楽しそうにお話されてあっという間に終了時間に。

最後に参加者の皆さんで記念撮影を行いイベントは終了しました。

登壇されたお二人、運営チームの皆様お疲れ様でした。


当日の様子は以下のToggetterにもまとめられておりますのでそちらもぜひご覧ください。

  • ブックマーク

この記事を書いた人

あやか

ノンプロ研在籍の二児ワーママ。ITベンチャー数社経験し、現在はフリーランス。GAS、Python学習中。趣味は読書です♪