あやか 
仕事にはなくてはならない存在のスプレッドシート。
しかし、その機能の豊富さから、スプレッドシートの真の力に気づかないビジネスパーソンも多数いるはず…。
ノンプロ研３月定例会では「すごいぞ！スプレッドシート」と題して、ノンプロ研を代表するスプレッドシート猛者の３名の方に、その真価について語っていただきました。このイベントレポートでは前回に引き続き、当日の様子をお伝えします！
本記事ではカワムラさんの発表をご紹介します。
QUERY関数の魅力
カワムラさんからは「実務で楽をするQUERY関数活用術」をテーマに、実務でQUERY関数を使うに至るまでの話からQUERY関数とGASを活用した実例、魅力までをお話しいただきました。
CM制作会社勤務のカワムラさんは、制作現場で長年活躍されたのち、現在は管理業務に従事されています。業務でQUERY関数を使ううちに、QUERY関数の奥深さに魅了され、昨年は「会社員がVLOOKUPの次に覚えるQUERY関数超入門」も執筆されました。
QUERY関数は、キーワードや抽出条件を指定したり、降順・昇順で並べ替えができたりするなど、抽出や集計が自在に操れる関数です。
例えば、売上損益・集計で使う場合、1つのデータを準備しておけば、部署全体・部署単位やき月・年度単位、売上金額順・利益順など、用途や要望に応じて表示分けがしやすく、更新は参照データを更新するだけ。メンテナンスが簡単で、抽出条件を変更すれば表示のコントロールが可能です。
カワムラさんの集計作業の変遷
かつてのカワムラさんは、社内の基幹システムからデータをダウンロードしたあと、いらない列を削除し、さらに不要なレコード（行）も選択して削除するという、煩雑で時間がかかる作業を手作業で行っていたそうです
その後、VBAが便利らしいという話を耳にし、調べながらコードを書き、列・行の削除をVBAで実装するようになりました。これにより、これまでの煩雑な作業がワンクリックで完了し、いたく感動したそうです。
さらに、もっと楽にできる方法はないかな…と探したところ、データをそのままスプレッドシートに上げ、加工することなくQUERY関数を用いることによって抽出することができるらしいと知り、使ってみることにしたそうです。
その後、スプレッドシート、QUERY関数を利用する中で、「DOVパターン」に出会います。
DOVパターンとはエクセル、スプレッドシートの構成方法の一種です。DOVパターンでは役割を3種類に分けて考えます。Dataシートはデータの入力のみを、Operationシートでは入力されたデータを関数などを活用しながら演算・加工、Viewシートではデータや演算された結果を人にわかりやすく表示します。
DOVパターンは、まだ一般的に広く浸透していないのですが、シンノさんのブログがとても詳しく解説されていて参考になるそうです。
このDOVパターンにハマってしまったカワムラさんは、「データは全てスプシにアップしよう」という思考に変容しました。
GASも実装し、さらに省力化へ
カワムラさん担当の業務では、「基幹システムから出力したデータをスプシにコピペする」という作業の頻度が週1回から1日に数回ありました。
あまり手間は感じていませんでしたが、コピペの誤操作、大量データによるメモリ不足エラーなどの問題は生じていました。
そこで、「CSVファイルをGoogleドライブにアップしたのち、GASでスプレッドシートに転記する」という方法をノンプロ研のメンバーに教えてもらい、試してみることにしました。
結果、手動時に比べ手数が少なく、大量データであっても数十秒で完了！
手作業の時に発生したメモリ不足エラーもありません。
QUERY関数を使うことで得られたこと
カワムラさんはQUERY関数に親しむようになってから「大きいデータにひるまなくなり、 むしろ、大きいデータが愛おしくなる」とおっしゃっていました。
QUERY関数を使うことによって、今までは 思いつかなかった新しい集計の切り口が見つかることがあるという提言も。
データ内部をQUERY関数を用いて細かく見てみることで、売上件数の25%が売上高の80%を占めていたことが分かったり、変動が特定の部署・部門・社員に起因するということがわかったり…。 データの細部から問題の解決策につながるヒントを見つけることができます。
膨大なデータの中にも必ずヒントがあるので、ひるまず臆することなく親しく付き合うことをお勧めしたいという言葉で締めくくられていました。
次の記事ではTaitoさんの発表をご紹介します！
なお、本定例会はYoutubeでも当日の動画がご視聴いただけます。
当日の実況ツイートもまとめられていますので、合わせてご是非ご覧くださいね。
